SHIONOGIグループ EHSポリシーおよびEHS行動規範にある労働安全衛生に関する記載のもと、『業務上死亡災害・休業災害・業務上疾病ゼロ』を目指し、従業員の安全と健康の確保や快適な職場環境の整備を推進するため、適切な管理体制構築および安全衛生管理上のリスクが高い化学物質管理体制の改善に継続的に取り組んでいます。

ガバナンス体制

 SHIONOGIグループの環境および安全衛生(Environment, Health and Safety、以下「EHS」)への取り組みは、経営会議で審議し、取締役会で決議する体制で運営しています。EHSに関して統合してマネジメントを行う統括EHS責任者としてEHS担当役員である上席執行役員を任命しています。

  統括EHS責任者を委員長とする「SHIONOGIグループ中央EHS委員会」では、EHS責任者に任命したグループ各事業所の代表者やグループ会社の社長が構成メンバーとして参画し、EHSに関する目標の設定や環境マテリアリティの特定、マネジメントレビューなどの活動を推進しています(体制図)。

 SHIONOGIグループでは、ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステムに関する規格)に準じた管理体制で労働安全衛生についてマネジメントをしています。各事業所などでは、安全衛生に関する目標実績の進捗管理のほか、リスクアセスメントを実施することで重要リスクを特定・管理しています。これらについて、年に1回、SHIONOGIグループ中央EHS委員会にて全社的なレビューを行うことで、取り組みの有効性・適切性を確認しています。

 なお、ISO45001認証取得状況は次の通りです。

  摂津工場 金ケ崎工場 徳島工場 伊丹工場

ISO45001

実績(過去5年)

 

  2019 2020 2021 2022  2023(国内連結)
労働災害(件) 4 7 4 9 2
うち、休業災害(件) 1 1 1 1 0
度数率※1 0.19 0.19 0.20 0.21 0.24
強度率※2 0.0002 0.0046 0.0049 0.0021 0.0000

労働災害は通勤災害を除く。2022年度までは塩野義製薬単体の件数、2023年度は国内連結の件数

  1. ※1
    度数率:100万延べ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数で、災害発生の頻度を表すもの
  2. ※2
    強度率:1,000延べ実労働時間当たりの労働損失日数で、災害の重さの程度を表すもの

また、化学物質による労働災害を予防し、より安全な作業環境を実現するために、SDS(Safety Data Sheet:安全データシート)の管理体制整備とケミカルハザードガイドライン(化学物質取り扱いガイドライン)の充実化については、継続的に取り組んでいます。

2022年9月、当社事業所内の圧力ドアが原因でグループ会社の従業員1名が亡くなる事故が発生しました。労働安全衛生の管理体制で定められた手順に基づいて調査を行いました。当該事故の対策として、SHIONOGIグループ全事業所で同様の動力で作動するドアやシャッターの設置状況を全数調査し、安全装置の設置および安全な開閉時の運用を徹底するなど、再発防止施策を実施しました。

監査

 SHIONOGIグループでは表に示す通り、複数のアプローチでグループ内の各事業所ならびにサプライヤーを対象としたEHS推進状況に関する監査を実施しています。

外部監査 ISO45001のマネジメントシステムが適正に運用されているかを外部の認証機関が審査するもの
内部監査 ISO45001で定められた社内における自己点検で、システムの適合性や順守状況を確認するもの
EHS監査

SHIONOGIグループのEHSを統括している部門が経営層の指示に基づき実施する監査

SHIONOGIグループにおけるEHS活動がマネジメントシステムに基づき適正に実施・維持され、また継続的改善が行われていることを確認するため、内部監査とは別に実施

サプライヤーへのEHS監査

原料や中間体、原薬、製品などの委託先への監査

PSCIのPrinciplesに基づき、監査を実施

緊急事態への対応

 SHIONOGIグループリスクマネジメントポリシーにおいて、危機事象の発生時には、人命保護と安全確保を最優先し、速やかに被害の最小化と再発防止の対策を講じ、事業を継続することを行動原則として定めており、地震、パンデミック、企業不祥事などのリスクに対応するため、人命の尊重、地域社会への配慮・貢献、事業継続を主眼としてそれぞれの対策要綱、対応マニュアルを制定しています。緊急事態発生に備えて、連絡・通報体制を定めるとともに、定期的に緊急事態対応訓練および対応手順の見直しを行っています。2023年度も各事業所にて火災発生時等を想定した防災訓練を実施しました。

教育

 EHS活動を推進するためには、従業員一人ひとりが自身の業務における環境・健康・安全上の課題を認識し、積極的に取り組むことが重要です。全従業員を対象とした教育に加え、事業所ごとでも必要な事前教育を行うとともに、EHS関連の目標や実績を周知することで、積極的な取り組みを推進しています。

表彰

令和5年度 徳島県保安功労者表彰(シオノギファーマ 徳島工場) 

令和5年度 徳島県危険物安全協会連合会 保安功労者:一原 稔弘

 平成2年に乙種第4類の「危険物取扱者免状」を取得されました。入社以来、製造および開発部門において長年にわたり危険物取扱業務に従事され、他の従業員の模範となっています。
 また、現在は化学物質取扱責任者を務められ、危険物の適正な取り扱いと管理に積極的に取り組むなど、危険物災害の未然防止に貢献されており、その功績が認められました。

令和5年度 徳島県危険物安全協会連合会 保安功労者表彰
受賞者写真