未来の自分を創るSHIONOGIの「学び」支援制度
2024年8月8日公開
製薬企業として患者さまのニーズに応え続けるためには、高い視点と柔軟な発想を持ち、技術を常にアップデートしていく姿勢が求められます。それを一線で支えるのが人であり、主体的に学び、スキルや価値を高め続ける人材が不可欠です。
SHIONOGIは従業員の多様な学びを促進するため、2019年10月より『自己投資支援制度』を導入しました。本制度は従業員自身が必要と考える知識、スキル、経験を習得するための学びを金銭面で支援するもので、支援額も1人当たり年間最大25万円と充実しています。
今回のインタビューでは、SHIONOGI人事部の才神勇介さんと高田淳さんに、自己投資支援制度とその目的や期待するポイント、今後の展望などについて話してもらいました。
写真右側から:
才神 勇介:2009年入社。MRとして国内営業を担当後、2019年シオノギキャリア開発センター株式会社へ出向。2022年より人事部に異動し、教育研修・自己投資支援制度等を担当。
高田 淳:2005年入社。MRとして国内営業を担当後、営業企画部を経て、2021年シオノギキャリア開発センター株式会社へ出向。2022年より人事部に異動し、教育研修・採用を担当。
1.自己投資支援制度とは?
「主体的で自由な学び」「個人の成長」を実現するために
―まず、自己投資支援制度について教えてください。
才神:自己投資支援制度とは、塩野義製薬の社員を対象にした、自律的な学びを支援するための制度です。従業員は獲得したいスキルや専門知識、資格、能力などの習得を図るにあたり、会社から年間最大25万円を受けられます。
自己投資支援制度では、学びの分野が限定されていません。従業員が各自記載する『未来予想図(一般的にはキャリアデザインシート)』に合わせて自分で学ぶ内容を選ぶことが出来ます。獲得したいスキルや専門知識、資格、能力など、自身の将来的なビジョンについて未来予想図に記載し、その姿に近づける内容であれば、幅広く学べる制度になっています。
―年間25万円とは、他社の支援と比べても高額だと感じます。それほどの金額で学びをサポートする理由はなんですか?
才神:従業員の学びの選択肢を広げることで、一人ひとりの成長を加速させ、本人にとっても会社にとっても大きな価値を生み出せると考えたからです。
元々は、SHIONOGIが進めている人事戦略、『働き方改革』の取り組みの一つとして発案されました。自ら積極的に学び、より大きく成長してほしい。そんな学びを会社もサポートしたい。SHIONOGIは「人が競争力の源泉」という人材育成理念のもと、人材への投資には非常に力を入れていることからも、本制度の導入に至りました。
つまり、「制度を通じた人材への投資」とも言えますね。確かに小さい金額ではありませんが、従業員の学びと成長を考えるなら、その意義は大きいと思います。
利用率と成長度は年々上昇している
―自己投資支援制度を開始してから、現在では5年ほどたっています(インタビュー当時:2024年6月)。従業員の方々の利用率や反響はいかがですか?
才神:近年では年間で約2,700件の利用申請があり、1,200名程の従業員が利用しています。制度導入当初こそ利用率は低かったのですが、2023年度は利用率が約5割、制度導入時から現在までの累計利用者率は全対象者の7割近くにまで増えています。また、2023年度の自己投資支援制度年間利用額は1億6000万円を超えています。
従業員からも、「制度を利用することで、費用がかかる講座にも積極的に申し込むことができるようになった」と、喜びの声はきていますね。スキルアップにつながる学びを実践できたことから、社内でのキャリアアップに成功したとも聞いています。25万円を使い切り、「もっと支援額を増やしてほしい」と言う方もいます。
―どのような分野で学ぶことが多いですか?また学びの促進のため、どのような取り組みをされていますか?
才神:直近ですと語学を学ぶ従業員が最も多いですね。2023年度は、中期経営計画STS2030Revision(改定)の影響もあり、グローバルビジネスに向けた語学関連での利用件数や利用金額が前年度より大きく伸びました。ほかにもビジネス全般やIT関連、専門知識や資格取得などでの利用がよく見られます。
高田:促進策としては、社内イントラのサイト上で学習コンテンツを紹介する『アフィリエイトプログラム』も展開しています。何を学ぶかで迷う方もいるかと思いますので、一人でも多くの方が学びに前向きになれるよう、きっかけづくりにも取り組んでいます。『アフィリエイトプログラム』はこれまで1,000人以上の方に活用されました。
個人の学びの習慣やレベルに合わせ、カウンセリングを受け相談しながら学習内容を決めることもできます。
―人事部の視点として、従業員の方に学んでほしい分野はありますか?
才神:会社側が分野を指定することはありませんが、強いて言うならば、中期経営計画にも掲げているグローバルビジネスやDX変革に繋がるような学びがもっと増えてくると良いですね。
加えて、社外の講座にも意欲的に参加し、社外の方との交流ができると理想的です。自ら外に情報を取りに行き、社内外で通用する人材に育ってほしい、という期待もあります。
高田:SHIONOGIでよりレベルの高い業務をするためにも、自己投資支援制度を活用して、さらに上を目指してほしいです。
ただ、やっぱり、当初の想いにもあるように、自身のやりたいことを選んでもらいたいですね。自身のキャリアをしっかりと見据え、強みを伸ばし、さらに新たな強みを獲得する。世の中の変化を敏感に捉え、知識やスキルをどのように活用するのか、常に考えて行動する。そうした流れで、「自己投資支援制度でこんな成果を出せた」という声が増えてくると嬉しいですね。
2.SHIONOGIの未来に必要な人材と、SHIONOGIが実現する今後の働き方
従業員全員に求める人材像、SHIONOGI Way
―自己投資支援制度は、SHIONOGIが掲げる『中期経営計画Vision(STS2030)』と深い関係があるとも聞きました。 STS2030の実現に向けて、どのような人材を重要視されていますか?
高田:SHIONOGIでは2030年に向け、医薬品の研究、開発、販売に加え、「新たなプラットフォームでヘルスケアの未来を創り出す」ことを打ち出しています。
そのために、私たちはSHIONOGI従業員のあるべき姿として、“SHIONOGI Way(SHIONOGI 人材像)”を定めています。このSHIONOGI Wayを全従業員が体現することで、会社として大きく成長し、STS2030達成に近づくと考えています。具体的には「他者を惹きつける強みを持ち、貪欲に知識とスキルを高めつつ、積極的に挑戦しやり遂げる人」と定義しています。
―SHIONOGI Wayは素晴らしい人材像で、SHIONOGIの今後にも欠かせない存在になりそうですね。人事部として、どのような支援をされていますか?
高田:人的資本の向上のため、2023年10月より新人事制度に移行しました。能力重視の人材登用、役割や成果に見合った評価・報酬を実現できる制度に改変をしています。
さらには、従業員の方々が柔軟に変化に対応できる人材であり続けるため、成長を促す取り組みとして、全社人材育成方針の中で、
「従業員一人一人が自分自身の成長に関して責任がある」こと、
「上長は協力者の成長を支援する責任、会社は従業員の成長に向けた機会提供を行う責任がある」ことを明文化しています。
また、リスキリングを促進し、これまでの強みに加えて新たな強みを獲得してもらえるように働きかけています。
SHIONOGIで、世界一の「働きがい」を持ってもらえるように
―STS2030やSHIONOGI Wayの実現のためにも、従業員の方に対し、具体的にどのような支援を行っていますか?
高田:「チャレンジ」と「やりがい」、そして「働きやすさ」の3つを打ち出しています。
「チャレンジ」「やりがい」は、新人事制度のキーメッセージでもあります。STS2030達成に向けたチャレンジを自らの意志で実践でき、実践したくなる仕組みにする。そのチャレンジを通してやりがいを感じることができる、適正な評価体系に作り変えました。
「働きやすさ」では、『スーパーフレックスタイム制度』、『在宅勤務制度』、『選択週休制度(週休3日)』、『副業認可制度』などがあります。従業員一人ひとりのライフスタイルに合わせ、働き方に多様性と柔軟性を取り入れました。
―「チャレンジ」「やりがい」、「働きやすさ」には、人事部として、どのような思いを込めてこの制度を整えたのですか?
高田:従業員の方々に、世界一の「働きがい(働きやすさとやりがいを掛け合わせた言葉)」を感じながらSTS2030達成に向けたチャレンジをしていってほしいとの思いを込めています。
最近の学生の方からお話を聞いていると、安定志向や福利厚生を重視される方が多い気がします。それは良いことですが、「SHIONOGIで自身のスキルをどのように発揮し、どのような成長をするか?」「成長を通じて、SHIONOGIでどのように貢献していくか?」という部分も大事だと考えています。
そのうえでチャレンジはとても大切です。新たなチャレンジによってSHIONOGIに貢献し、自身もスキルアップして能力を発揮することでやりがいを感じる。SHIONOGIが提供する働きやすさと、従業員の方々のチャレンジ精神が両輪となってこそ、STS2030に向けて相乗効果が生まれると思います。
―SHIONOGIの働き方改革は、働く時間を自分で決めたり管理したりと、従業員の方の自主性も求められそうですね。
高田:そう感じています。今後は多様で柔軟な働き方を求める方はもっと増えると思いますので、SHIONOGIとしてもそういった方々に門戸を広げる必要があるとも考えています。
特に副業認可制度の導入については、「自らチャレンジする従業員を支援したい」「社外で視野を広げ、得られた経験・知見をSHIONOGIに活かしてほしい」との想いがあります。社外でチャレンジをして、気づきと成長を得て、SHIONOGIに還元してもらえたらと思っています。
従業員にも確かな成長が見られている
―自己投資支援制度や新人事制度から、従業員の方々にはどのような成長が見られていますか?
才神:従業員からの報告を聞いていると、現状では学んだスキルや知識を自身の業務に活用し、成果を出しているケースが多いですね。例えばDX/ITに関する領域では、実務で利用しているシステムについて学ぶことで作業時間を短縮できたという方や、データ分析のスキルを身に付けて研究開発業務に活かしてる方など、学んだことが業務に発揮されています。
変化の早い社会環境の中で、個人が抱える課題や活かすべき強みはますます多様化してきています。SHIONOGIのVision達成についても、従業員一人ひとりが自身の新たな強みを獲得し、磨き続け、会社そして社会に貢献することで到達できるものだと考えています。そのきっかけの一つとして、自己投資支援制度を活用した学びにより自らの成長を実感するともに、学ぶことの楽しさを発見してほしいと思います。
高田:自己投資支援制度の利用率は年々上がってきていますし、分野別で見ると語学の伸び率が著しいです。全ての利用申請に対する語学の割合は、2022年度が27%だったのに対し、2023年度は41%まで上昇しています。この、数字を見ても、自己投資支援制度の利用が増えたことはもちろんですが、SHIONOGIの今後の方向性に関しても社内で共有できていて、従業員の自主性も高まってきていると感じています。
3.自己投資支援の今後の展望と、人事部からのメッセージ
学びと成長の場を提供し、SHIONOGIの風土を耕し続ける
―自己投資支援制度をはじめ、新人事制度やSTS2030など、SHIONOGIの今後は非常に楽しみに感じられます。未来に向けて、どんな展望を持たれていますか?
才神:これからも引き続き、従業員に学びの場を提供し、成長意欲を引き出すためにも、自己投資支援制度で後押しをしていきたいです。
日本の社会人はほかの先進国と比べても自己研鑽に充てる時間が圧倒的に少ないと言われています。しかし、今後社会の環境変化は激しさを増し、グローバルビジネス展開が必須な中で、個人も企業も「現状維持」では取り残されるばかりです。
だからこそ、従業員個人としても、自分にとって今後必要な知識やスキルを真剣に考えることは大切で、現在の仕事の域を超えた成長を望むなら、相応の学びの場に身を置く必要があります。
それをいつでも叶えられるよう、引き続きしっかりと支えていきます。自己投資支援制度をきっかけに業務の効率化ができ、空いた時間でさらに学ぶ、そんな好循環ができたらいいですね。会社全体として、学びと成長を楽しめる風土づくりに貢献していきます。
SHIONOGIファミリーと共に、日本から世界に羽ばたいてほしい
―最後に、SHIONOGIに入社を考えている方にメッセージをお願いします。
高田:SHIONOGIは、Heritageである「人々の健康を守るために必要な最も良い薬を提供する」を基に、日々変化する社会のニーズ、社会課題、技術進歩にしなやかに対応しながら、ヘルスケアソリューションを提供しています。その実現には、従業員一人ひとりが世の中を知ること(学び)、そして、より積極的に挑戦しやり遂げること(チャレンジ)が不可欠です。
私たちSHIONOGIファミリーと共に、日本から世界に貢献できる、未来のヘルスケアを創造しませんか。SHIONOGIの理念に共感し、「その実現にやりがいと夢をもって挑戦してみたい」という絶えない情熱に溢れた方の入社を、私たちは心からお待ちしております。