水
目標と実績
SHIONOGIでは、2023年度に「SHIONOGIグループEHS行動目標」の見直し、水資源に関する新たな目標として「2035年度における水資源還元率を85%以上とする」ことを掲げています。水資源還元率*2とは、事業所が位置する流域(川や湖などの水系が集まる地域)において、取水した水をどれだけ同じ流域へ戻すことができたかを示す指標であり、水資源管理の状況を把握するうえで重要な指標です。2025年度の水資源還元率は89.0%となり、目標水準を上回る結果となりました。
また、事業の拡大に伴う水使用量の増加を抑制するため、各事業所における水使用の適正管理を推進し、事業活動の拡大の影響を考慮しながら、総取水量を前年実績以下とすることを目標として管理しています。2025年度の総取水量は1,592千m3となり、2024年度実績の1,612千m3を下回る結果となりました。
水に対する取り組み
正確な排水量の把握による水資源管理の高度化
SHIONOGIでは、水資源還元率をはじめとする水資源管理指標の精度向上を目的として、排水量の正確な把握に取り組んでいます。これまで、一部の事業所では排水メーターが未設置であったため、排水量を取水量と同量とみなして把握していましたが、事業所内の水の使用状況や排水経路を確認し、実態に即した方法で算定することで、正確な排水量の把握が可能となってきております。これにより、総排水量は従来の把握方法に比べて減少しましたが、これは水資源管理の精度向上が進んだ結果であり、当社では、取り組みが計画どおりに進展していることを示すものと捉えています。
今後も、各事業所における取水量の適切な管理を継続するとともに、設備構造や運用実態に応じた排水量の把握を進め、より実態に即したデータに基づく水資源管理の高度化に取り組みます。
排水中の医薬品の環境影響評価(Pharmaceuticals in the Environment)
OECD (経済協力開発機構)では「Pharmaceuticals in the Environment(PiE)」に関する文書*3 が発行されるなど、環境中に放出される医薬品に対する注目が高まっています。SHIONOGIでは、医薬品の製造過程における排水管理や、排水中への医薬品の排出を適切に管理することを重視しており、新製品の製造工程を設計する段階から、排水中に混入する医薬品が自然環境に影響を与えない濃度以下となるように管理しています。
特に、感染症治療薬を取り扱う企業としての責任を果たすため、SHIONOGIでは抗菌薬を製造する各工場において、製造工程で取り扱う原薬や中間体、副生成物を含む抗菌活性を有する物質について、環境中への排出を抑制するため、建屋ごとに排水中の抗菌薬の不活化処理を実施しています。不活化処理後の排水については、自然環境に影響を与えない濃度以下であることを確認した後、工場内の排水処理施設を経由して排出しています。これらの取り組みにより、抗菌薬の環境排出の抑制を徹底し、SHIONOGIの製造施設が薬剤耐性(AMR)の発生源とならないように努めています。抗菌薬の環境排出管理に関する詳細はAMRのページをご覧ください。
CDP 「水セキュリティ 2025」でAリスト企業に選定
*4 CDP
CDPは、環境問題に高い関心を持つ世界の機関投資家や主要購買企業の要請に基づき、企業や自治体に、気候変動対策、水資源保護、森林保全などの環境問題対策に関して情報開示を求め、また、それを通じてその対策を促すことを主たる活動としている非営利組織です。CDP は現在、環境問題に関して世界で最も有益な情報を提供する情報開示プラットフォームの1つとなっています。