塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として開発中の経口抗ウイルス薬(開発番号:S-217622、以下、「本治療薬」)について、第2/3相臨床試験のうちPhase 2a part(目標症例数:69例)の解析が完了し、本日その結果を公開しましたので、お知らせいたします。
今回の発表では、現在実施中の第2/3相臨床試験のうち、Phase 2a partの主要評価項目である抗ウイルス効果の副次解析結果に加え、臨床症状に及ぼす影響ならびに安全性に関する情報が新たに含まれます。本試験は、日本人成人を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験であり、本治療薬を1日1回、5日間経口投与した際の有効性ならびに安全性を評価しました。結果に関する要約は以下のとおりです。
抗ウイルス効果
●S-217622投与により、プラセボと比較して有意に優れた抗ウイルス効果を示した
→速やかにウイルス力価およびウイルスRNA量を減少
→4日目(3回投与後)にはウイルス力価の陽性患者割合をプラセボ群と比較して約60~80%減少
→ウイルス力価が陰性になるまでの時間の中央値を、プラセボに対して2日短縮
臨床症状に及ぼす影響
●S-217622投与により、COVID-19に特徴的な臨床症状の改善傾向を確認した
→S-217622投与群では、投与後に入院、あるいは入院に準ずる療養が必要となる重症化患者の発生はなかった
安全性
●高度、重篤ならびに治験中止の原因となる有害事象は見られなかった
●ほぼ全ての有害事象は軽度であり、副作用も全て軽度であった
なお、今回発表した結果については、関連通知等1,2に基づき、近日中に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ提出いたします。さらに、軽症/中等症患者については、2022年2月8日にPhase 2b partの登録を終了し、近日中にPhase 3 partへ移行予定です。今後の申請時期については、引き続き厚生労働省やPMDA等と協議してまいります。
塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、感染症のトータルケアの実現に向けた取り組みを進めております。COVID-19が世界的な脅威として人々の生活に大きな影響を与える中、当社はパンデミックの早期終息による社会の安心・安全の回復に貢献するために、本治療薬の開発に引き続き注力してまいります。今後も状況に変化があり次第、皆さまにお知らせし、企業としての社会的責任を果してまいります。
なお、本件が2022年3月期の連結業績予想に与える影響に関しては、今後、状況に応じて精査いたします。
以 上
【S-217622について】
COVID-19治療薬であるS-217622は、北海道大学と塩野義製薬の共同研究から創製された3CLプロテアーゼ阻害薬です。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は3CLプロテアーゼというウイルスの増殖に必須の酵素を有しており、S-217622は3CLプロテアーゼを選択的に阻害することで、SARS-CoV-2の増殖を抑制します。現在、軽症/中等症のCOVID-19患者または無症候のSARS-CoV-2感染者を対象とした第2/3相臨床試験のPhase 2b/3 partを実施中3, 4, 5です。
参考:
1. 新型コロナウイルス感染症に対する医薬品等の承認審査上の取扱いについて
2. 新型コロナウイルス感染症に対する医薬品等の承認審査上の取扱いについて(その2)
3. プレスリリース:2021年9月28日
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬S-217622の国内第2/3相臨床試験の開始について
4. プレスリリース:2022年1月5日
新型コロナウイルス感染症に関する取り組みについて
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬S-217622の第2/3相臨床試験結果に関する発表について
COVID-19に対する当社の取り組みは、当社ホームページでも随時更新しております。また、各機関から発信されているCOVID-19に関する情報も同ページにまとめておりますので、ご参考までにご確認ください(塩野義製薬ウェブサイト)。
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塩野義製薬ウェブサイト お問い合わせフォーム:
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