ダニ・蚊媒介感染症
-重症熱性血小板減少症候群(SFTS)-
主にマダニを介して感染し、発熱や消化器症状があらわれる感染症で、2013年に国内での患者が初めて確認されました。マダニの活動が盛んな春から秋にかけて多くみられます。
症状
- 主な初期症状は発熱、消化器症状(食欲低下、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛)、全身のだるさです。
- 頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節の腫れ、
呼吸不全症状、出血症状(皮下出血、下血、歯肉出血)などの症状があらわれることがあります。 - 重症化することもあり、10~30%程度の人が亡くなります。
感染経路
- 主にウイルスを保有するマダニにかまれることで感染します。
マダニにかまれた跡が見当たらないこともあります。 - 感染し、発症している人、ネコ、イヌ、野生動物の血液などの体液に直接触れたりすることで、感染する可能性は否定できないと考えられています。
予防
- マダニが生息する草の茂った場所に入る場合には、長袖・長ズボン、足を
完全に覆う靴(サンダルなどは避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻くなど、肌の露出を少なくすることが大事です。 - シャツの裾はズボンの中に入れ、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れ
ましょう。 - 服の上から用いるタイプの虫除け剤を使用しましょう。
- 屋外活動後は入浴し、マダニにかまれていないか確認しましょう。
治療
- 症状を和らげる対症療法が中心
- マダニに吸血された場合には、医療機関(皮膚科など)を受診して、
マダニの除去、洗浄などの処置をしてもらいましょう。 - 吸血中のマダニを無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って
化膿(うみが出る)したり、マダニの体液を逆流させて病原体が体内に入り
やすくしてしまうおそれがあります。
病原体
- SFTSウイルス
- SFTSウイルスを媒介するマダニ類の大きさは、比較的大型(種類にもより
ますが、成ダニでは、吸血前で3~8mm、吸血後は10~20mm程度)です。
潜伏期間
6~14日
- 文献
- 厚生労働省: 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A.
- 厚生労働省: 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について.
- 国立感染症研究所: 重症熱性血小板減少症候群(SFTS).
- などを参考にして作成