風しん
感染力が強く、発熱、発疹、リンパ節の腫れなどの症状があらわれるウイルス
感染症です。
妊娠20週までの妊婦がかかると、先天性風しん症候群のこどもが生まれる
可能性が高くなります。
症状
- 発熱、発疹、リンパ節の腫れなどの症状があらわれます。
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赤くて小さい発疹は、通常最初に顔や首に出て、やがて全身へと広がって
いきますが、約3日間で消え、色素沈着も残しません。 -
こどもでは比較的症状は軽いのですが、成人が発症すると発熱や発疹が
長く続いたり、関節痛がひどいことが多いなど、こどもより重症化することがあります。 - 寒け、体のだるさ、結膜の充血などの症状があらわれることもあります。
- 合併症には、血小板減少性紫斑病、脳炎などがあります。
- 感染しても症状が出ない人(不顕性感染)が30%程度います。
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風しんに対する免疫が不十分な妊娠初期(20週頃まで)の妊婦が感染すると、
胎児に感染して白内障、先天性心疾患、聴力障害などを引き起こす「先天性
風しん症候群」を発症することがあります。
感染経路
- 主な感染経路は飛沫感染ですが、接触感染することもあります。
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感染力が強いので、風しんに対する免疫がない集団においては、1人の感染者
から5~7人にうつす強い感染力を有します。
予防
風しん含有ワクチンの接種が有効な予防手段です。
治療
- 通常軽症であり、治療を行わなくても自然に治ります。
- 症状を和らげる対症療法が行われます。
- 発熱、関節炎などに対しては解熱鎮痛剤の投与が行われます。
病原体
風しんウイルス
潜伏期間
16~18日
- 文献
- こども家庭庁: 保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)2023(令和5)年5月一部改訂<2023(令和5)年10月一部修正>.
- 厚生労働省: 風しんについて.
- 国立感染症研究所: 風疹とは.
- などを参考にして作成