細菌性食中毒
-サルモネラ感染症-
サルモネラ属菌で汚染された肉、卵などを食べることで感染し、下痢などの
急性胃腸炎症状があらわれる感染症です。
軽症で気づかれないこともありますが、集団感染することがあります。
症状
- 吐き気(ときには嘔吐)で始まり、その後、腹痛や下痢を起こします。
- 発熱もみられます。
- 下痢は1日数回~十数回で、3〜4日程度(ときには1週間以上)持続します。
- ほとんどの人は軽症であり、治療を行わずに自然に回復します。
- こどもでは意識障害、けいれん、菌血症、高齢者では急性脱水症、菌血症を
起こすなど重症化しやすく、回復も遅れやすいため、注意が必要です。
感染経路
- 経口感染、糞口感染
- サルモネラ属菌で汚染された食品(主に肉、卵)を食べることで感染します。
- 感染した人や動物の便で汚染されたものを何らかの経緯で口に入れることで
感染します。 - 感染したペット(犬、猫、鳥、亀など)と接触することで感染することが
あります。
予防
- こまめな手洗いなどの一般的な予防法を実施することが大切です。
流水による手洗いができない場合には、手指消毒用エタノールなどを利用
しましょう。 - 動物と接触した後は必ず体を洗いましょう。
- 加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱しましょう。
- 加熱せずに食べるものは他の食品と調理器具や容器を分けて調理や保存を行いましょう。
- 特に肉及び卵などの食品は低温で保存しましょう。
治療
- 発熱、下痢による脱水を防いだり、腹痛などの胃腸炎症状を和らげる対症療法が中心となります。
- 下痢止め薬は、菌の排出を遅らせるので使用しません。
- 解熱剤は、脱水を悪化させる可能性があるので使用しないことが望ましい
です。 - 抗菌薬は軽症では使用しないのが原則ですが、重症の場合には投与が行われることがあります。
病原体
サルモネラ属菌
潜伏期間
8~48時間
- 文献
- 厚生労働省検疫所 FORTH: サルモネラ症(チフス以外)(ファクトシート).
- 厚生労働省検疫所 FORTH: サルモネラ感染症.
- 国立感染症研究所: サルモネラ感染症とは.
- などを参考にして作成