麻しん(はしか)
感染力が非常に強く、発熱などのかぜのような症状と発疹があらわれるウイルス感染症です。
麻しん含有ワクチンの2回接種が定着したため、患者数は激減していますが、
小規模な集団発生の報告もあります。
症状
- 発症初期は、発熱(38度前後)、咳、鼻水といったかぜのような症状や結膜の充血、目やになどの症状があらわれます。
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熱は一旦下がりますが、再び上がり、この頃には口の中に白いぶつぶつ
(コプリック斑)が出ます。 -
その後、顔や首に赤い発疹があらわれます。
発疹は赤みが強く、やや盛り上がって、徐々に融合しますが、健康な皮膚面が残ります。 - やがて解熱し、発疹は色素沈着を残して消えます。
- 肺炎、中耳炎、熱性けいれんを合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われているため、注意が必要です。
感染経路
- 接触感染、飛沫感染、空気感染
- 感染力が非常に強いので、免疫のない人はほぼ100%が感染します。
予防
- 麻しん含有ワクチンの接種が有効な予防手段です。
- 空気感染するため、感染力が非常に強く、手洗い、マスク、感染者の隔離だけでは感染拡大を防止することは難しいです。
- 発熱などのかぜのような症状と発疹があらわれた場合は、早めに申し出ましょう。
治療
- 症状を和らげる対症療法が中心
- 中耳炎、肺炎など細菌性の合併症を起こした場合には、抗菌薬の投与が行われます。
病原体
麻しんウイルス
潜伏期間
8~12日
- 文献
- こども家庭庁: 保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)2023(令和5)年5月一部改訂<2023(令和5)年10月一部修正>.
- 厚生労働省: 麻しんについて.
- 国立感染症研究所: 麻疹とは.
- などを参考にして作成