環境ガバナンス体制

 当社は、取締役会の代表取締役に対する監督機能のさらなる強化と、取締役会において議論すべき議案を判断・峻別し、各ステークホルダーとのバランスを重視した中長期的な全社戦略の議論に注力すること、意思決定の迅速化のための執行側への権限委譲を可能にすることを目的として、監査等委員会設置会社を選択しております。

 コーポレート・ガバナンスの詳細はコーポレート・ガバナンスのページをご覧ください。

 SHIONOGIグループの環境および安全衛生(Environment, Health and Safety、以下「EHS」)の取り組みは、統括EHS責任者のもと、各事業所ならびにグループ会社を統合して推進しており、統括EHS責任者にはEHS担当の執行役員としてサステイナビリティ経営本部長を任命しています。

 統括EHS責任者を委員長とする「SHIONOGIグループ中央EHS委員会」では、各事業所の代表者やグループ会社の社長がEHS責任者として参画し、環境マテリアリティに関する議論や環境マテリアリティの各項目を中心とした年次目標(EHS行動計画)の設定、マネジメントレビューによる計画の進捗と具体的活動など、EHS活動の推進について検討・確認しています。また、「SHIONOGIグループ中央EHS委員会」のもと、統括EHS責任者を委員長とする「省エネ委員会」を設置し、省エネ、地球温暖化対策などについて目標案の検討や、気候変動の目標達成のための具体的施策の検討および進捗管理、ならびに法規制の順守評価などを行っています。

 これら両委員会の運営ならびにグループ各事業所と連携したEHS活動の実務は、塩野義製薬 コーポレートガバナンス部 EHSグループが所管しています。

 「SHIONOGIグループ中央EHS委員会」ならびに「省エネ委員会」における議論のうち、特に経営への影響の大きい事項については経営会議での審議を経て取締役会で決定しています。また必要に応じて取締役会からの助言を得ています。

EHS推進体制

環境/労働安全衛生マネジメントシステム

 SHIONOGIグループは、EHS活動全般について、日々の管理・運用が適切に行われていることが、地球環境の保護と、SHIONOGIグループで働くすべての人々の健康や地域社会の安全衛生の確保のために重要であると考えています。運用・管理のシステムについて、製品を製造するエネルギー使用量の大きい工場系事業所では環境および安全衛生マネジメントシステムの国際規格であるISO14001やISO45001の認証を取得しており、それ以外の事業所においても、ISO14001やISO45001に準拠した独自のマネジメントシステムを運用し、各事業所・グループ会社でのマネジメント水準を一定以上に維持しています。
ISO14001、ISO45001認証取得事業所と初回登録
  摂津工場 金ケ崎工場 徳島工場 伊丹工場

ISO14001

2021年3月

2022年10月

2001年11月

2006年4月

ISO45001

2018年3月

2015年7月

2022年2月

2025年4月

工場系事業所における認証取得率(エネルギー使用量ベース)
  日本国内 グローバル

ISO14001

97.9%

92.3%

ISO45001

97.9%

92.3%

監査

 SHIONOGIグループでは表に示す通り、種々の監査(審査)基準に基づき、グループ内の各事業所ならびにサプライヤーを対象とした監査を実施しており、マネジメントシステムの適格性やEHSの推進状況、抗菌薬の排出管理の状況などを確認するとともに、指摘事項の是正活動等を通じて、EHSに関する各水準の向上に努めています。

監査(審査)基準

監査(審査)組織

被監査(被審査)組織

ISO14001およびISO45001の要求事項

外部審査機関または自事業所

ISO認証を取得している医薬品の製造工場

PSCIのprinciples ※1

SHIONOGIグループの統括組織または外部監査会社

医薬品の製造工場(SHIONOGIグループおよびサプライヤー)

AMRIAのAntibiotic Manufacturing Standard  ※2

SHIONOGIグループの統括組織または外部監査会社

抗菌薬の製造工場(SHIONOGIグループおよびサプライヤー)

SHIONOGIグループのEHS管理の規定

SHIONOGIグループの統括組織または自事業所

SHIONOGIグループの各事業所(ISOの認証を取得している拠点を除く)

※1 詳細はこちら

※2 詳細はAMRのページをご確認ください

 上記に加え、SHIONOGIは、より公平かつ客観的に企業の社会的責任と持続可能な調達を評価するための格付けプラットフォームであるEcoVadis を採用しています。SHIONOGIにとって重要なサプライヤーに対しては、EcoVadisの評価のEHSに関する項目を確認することで、グローバル基準のサプライヤー評価を実施しています。

 詳細はサプライチェーンマネジメントのページをご覧ください。

緊急事態への対応

 SHIONOGIグループでは、危機事象の発生時には、人命保護と安全確保を最優先し、速やかに被害の最小化と再発防止の対策を講じ、事業を継続することをSHIONOGIグループリスクマネジメントポリシーの行動原則に定めています。地震、パンデミック、企業不祥事などのリスクに対応するため、人命の尊重、地域社会への配慮・貢献、事業継続を主眼としてそれぞれの対策要綱、対応マニュアルを制定しています。緊急事態発生に備えて、連絡・通報体制を定めるとともに、定期的に緊急事態対応訓練および対応手順の見直しを行っています。2024年度も各事業所にて地震による津波や火災の発生などのそれぞれの事業所の状況を踏まえた緊急事態を想定し、防災訓練を実施しました。

また、事業継続計画(BCP)を策定し、緊急時においても医療機関への安定的な製品供給やサービスの提供を遂行ができる体制を整えています。

 詳細はリスクマネジメントのページをご覧ください。

総合防災訓練(シオノギファーマ金ケ崎工場)
総合防災訓練(シオノギファーマ金ケ崎工場)

教育

 EHS活動を推進するためには、従業員一人ひとりが自身の業務における環境・健康・安全上の課題を認識し、積極的に取り組むことが重要です。環境影響が相対的に大きい工場や研究所などの事業所では環境教育や廃棄物管理、化学物質の取り扱いなど環境負荷の大きい業務に対する事前教育を行うとともに、CO2排出量や廃棄物発生量などの目標や実績を周知するなど、環境負荷低減に向けた取り組みを推進しています。

2024年度は全従業員を対象としたe-learning教育を実施しました。実施テーマと受講率は下表のとおりです。

テーマ

・SHIONOGIグループのEHSマネジメント

・環境マテリアリティ、EHS行動目標

実施率

93%(=4,234名/4,549名)