オンラインで築く信頼:オンライン専任MRの取り組みと想い
2024年8月7日公開
いつの時代でも、社会の変化やニーズに合わせ、提供するサービスの形は変わっていくものです。医療関係者に医薬品の情報を提供するMR(医薬情報担当者)も例外ではなく、対面型での面談からオンライン化が進んでいます。
塩野義製薬株式会社では2020年10月から『オンライン専任MR』をスタートし、現在は8人体制で全国を担当しています。
今回は、オンライン専任MRの(写真左から)菊地さん、塩谷さん、松坂さん、鈴木さん、上野さん、鷺坂さん、田中さん、佐藤さんに、オンライン専任MR導入の背景や医療関係者からの声、オンライン専任MRへの想い、日々の努力、そして今後の展望についてお話を伺いました。
1. オンライン専任MRとは?
「パンデミック下でも医療関係者のお力になれるよう」生まれたオンライン専任MR
―まず、塩野義製薬のオンライン専任MRについて教えてください。
田中:オンライン専任MRは、オンライン上で医療関係者に医薬品情報を提供する新しいMRの形です。2020年3月の新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、感染拡大の観点からMRの医療機関への訪問自粛や規制が進みました。「そのような中でも先生方に適正使用のための医薬品情報をお届けしたい」との想いからオンライン専任MRの取り組みが始まりました。
現在、私たちは感染症領域の医薬品を中心に情報提供活動をおこなっております。多くの医療関係者と面談させていただいており、多様なニーズに答えられるよう努めています。
―対面と比べ、オンライン専任MRにはどのような特徴を感じられていますか?
佐藤:日本全国場所を問わずに面談できる点、先生方の都合のいい時間に面談できる点に加えて、オンライン上でのコミュニケーションなので、先生に質問をいただいてからすぐに適切な資料を提示できる点が大きな強みです。
医療関係者からの感謝の声が、何よりの喜び
―オンライン専任MRを利用される医療関係者からのフィードバックはどうですか?
鈴木:医薬品以外のお話もさせていただいております。感染症の流行状況や制度変更によって医療関係者の環境も変化しています。私たちが感染症領域を専門分野としていることもあって、先生方から「感染症の流行状況について教えてほしい」と話題に上げていただくことも多いです。
―オンライン専任MRは医療関係者との関係性、そして社内にも良い変化をもたらしているのですね。導入されてからの変化について、現場の方としてはどう感じていますか?
菊地:対応させていただく件数は増えていますが、それは私たちだけではなく、これまで塩野義製薬のMRが先生方と築いてきた信頼関係の上に成り立っています。MRのおかげで私たちも活動ができていると感じています。これからも社内でオンライン専任MRの価値を広め、さらに良い情報提供をしていきたいと思います。
2.安心と信頼を提供するための、私たちの取り組み
ウェブの特徴とチームの専門分野を活かし、日々研鑽を
― 次は日々の努力についてお聞きします。オンラインと対面では環境が異なりますが、スムーズに進めるために意識されていることはありますか?
田中:導入時、私たちはオンライン上で適切なコミュニケーションをとるための研修を受けました。対面でのコミュニケーションは異なる部分が多く、画面上で情報を適切に説明する技術や、医療関係者のニーズを汲み取る方法、話すタイミングを習得するためにトレーニングを重ねました。
また、面談前には必ず事前に担当MRと打ち合わせをします。面談のニーズを把握し、そのために必要な情報を詳細に話し合い、提供する情報について適宜調整を行っています。
塩谷:命に関わる医薬品を扱う以上、言葉の使い方には特に注意を払っています。言葉の語尾や情報の正確性に配慮し、いつでも正確な表現ができるように心がけています。
困難や課題はより良い情報提供のための原動力
― 次に、オンライン専任MRの開始から本格導入までのエピソードを振り返っていただきます。導入は順調に進みましたか?
田中:最初は関西地方を対象に開始し、初期段階では困難に直面することもありました。オンライン専任MRは当時、医療関係者にとって未知の世界であり、ご面談を依頼してもお断りされることもありましたし、社内でも理解が得られないことがありました。
私たちはオンライン専任MRであると同時に学術スタッフでもありますので、学術とデジタル技術の両方に対応する必要があります。全員が適切に対応できるようになるために、一生懸命に勉強しながら体制を整えました。
―困難や課題がある中で、オンライン専任MRとしてどのような努力を行ってきましたか?
田中:社内での連携も重要と考えています。私たちが目指すオンライン専任MRとして活動できるように、社内の様々な部署と調整してきました。今では私たちの活動を理解してもらっています。
鈴木:オンライン専任MRチームのメンバー間での協力体制も大切にしています。メンバー内で定期的にインプットやアウトプットトレーニングの時間を設けています。
―最初に直面した困難や課題が、情報提供の質の向上に貢献したのですね。
医療関係者にかけた思いが、最大のやりがいに
―問題解決や努力を経てオンライン専任MRを展開されて、どんなふうにやりがいや楽しさを感じられていますか?
上野:ご要望に応えるためのプレッシャーもありますが、事前準備をしっかり行い、あらゆる状況に対応できるようにしています。先生方から「またお願いするよ」と言っていただけることや、新しい先生方との出会いが増えることで、関係性が深まっていくのを実感しています。
佐藤:私たちオンライン専任MRの活動はまだ道半ばですのでが、医療関係者やMRからのフィードバックは本当に励みになります。「オンライン専任MRのおかげで見方が変わった」「良い勉強ができた」といったお声をいただけることが、やりがいに繋がっています。オンライン専任MRの活動を始めたころと比べ医療関係者の方々との面談機会も増え、「オンライン専任MRをやってきて良かった」と感じる瞬間が増えました。
田中:医師の先生からの高評価や、MRからのフィードバックもとても嬉しいです。
私自身はオンライン専任MRの創成期から関わっていて様々な課題に接してきましたが、今ではオンライン専任MRの認知度も社内外で高まっていて、「何か困ることがあればオンライン専任MRに相談しよう」という流れができたことが、これまでの努力の成果だと感じます。
鈴木:患者さんや先生の治療にお役に立てたと実感できたときはとても嬉しいです。
医療関係者の方々とご面談させていただく中で、患者さんの困りごとや医療関係者の環境が異なることを実感します。ですので、先生方から状況を教えて頂きながら少しでも患者さんに寄り添う形で情報をお届けしたいと思っています。そんな中で患者さんや医療関係者の治療の一助になるとコメントを頂けた際には大変嬉しく思います
鷺坂:社内外で大きな変化を感じています。
医師の先生方からオンライン専任MRとの1対1の面談を依頼され、感染症について質問されることもあります。そこで先生からの問いに丁寧に回答することを通じて、感謝の言葉をいただけるのがやりがいです。
導入当初から対応できる地域が広がり、またメンバーも増え、活動範囲が大きくなったのも嬉しいです。
松坂:昨年の夏、感染拡大していた沖縄での情報提供を通じて、現地の医療関係者から、「この医薬品を作ってくれて本当にありがとう」という言葉をいただきました。医療資源や高齢の患者さんを守ることができたこと、医療的な貢献もできたことにおおきなやりがいを感じました。
3.私たちのこれから
オンライン専任MRをさらに広げ、医療関係者に貢献する
―ここからは、塩野義製薬のオンライン専任MRの今後についてお聞きします。どんなビジョンを思い描いていますか?
田中:今後もオンライン専任MRを続けると同時に、オンライン専任MRと医療関係者をつなげるための環境を整えたいと考えています。興味を持っていても問い合わせを迷われる医療関係者の方々もいらっしゃるので、ニーズに応えられるシステム構築することが重要です。実現できる環境を整えていきたいです。
鈴木:MRさんとオンライン専任MRは同じ目標に向かって取り組んでいます。今後もMRの皆さんと連携して、より良い情報提供を行っていきたいと思います。
―最後に、これからオンライン専任MRの活用を検討されている医療関係者へメッセージをお願いします。
鷺坂:働き方改革が進んでいる現在、医療関係者でも勤務時間の制限があるかと思います。そうするとMRの訪問が難しくなりますが、オンライン専任MRでならウェブ上でやり取りできるため、勤務中はもちろんご自宅でも面談に対応可能です。
医師の先生方が時間を確保するのが難しい中、ぜひオンライン専任MRとの面談をご検討いただき、効率的に情報収集していただければと思います。お気軽にご相談ください。
佐藤:私たちは医薬品だけでなく、疾患についてもお応えできるように努めております。気になることがありましたら、ぜひお力になりたいと思います。
鈴木:「こんなことを問い合わせても大丈夫?」という些細な内容であってもぜひ活用いただけますと嬉しいです。
田中:「一旦資料を確認したい」「ディスカッションをしたい」という場合でも、どうぞ気兼ねなくお問い合わせください。