SHIONOGIは、リアルワールドデータとデータサイエンスを活用し、実臨床で見えてくる課題や疑問を、社会に還元できるエビデンスへとつなげることに挑戦しています。医薬品の価値を科学的に示し、医療現場、患者さん、そして社会へ還元することで、DXによる価値創出を実現していきます。

実臨床から生まれる問いに向き合う

医療現場では、臨床試験だけでは十分に捉えきれない多様な問いが日々生まれています。実際にどのような患者さんに治療が届けられているのか、医療現場でどのようなアウトカムが観察されるのか、社会にどのような価値をもたらしているのか。こうした問いに継続的に向き合うことが、医薬品の価値を社会へ届けるうえで重要です。

リアルワールドデータは、実臨床で起きていることを可視化し、医療上の意思決定や価値評価を支えるための重要な基盤となります。

実臨床で蓄積されるデータを活用することで、医薬品の価値を継続的に捉え直すことができます。

多様な実臨床データを統合し、エビデンス創出を支える

医薬品や医療の価値を適切に評価するためには、単一の視点にとどまらず、多様な実臨床データを組み合わせて捉えることが重要です。

レセプトデータ、電子カルテデータ、検査データ、患者背景データなどを活用することで、有効性、安全性、適正使用、医療資源への影響などを多角的に評価し、より実態に即したエビデンス構築につなげることができます。

 

多様な実臨床データを統合し、エビデンス創出を支える

エビデンスを価値へ変える

リアルワールドデータを基盤に、データサイエンスに加え、AIによる統計解析プログラムの自動生成等も取り入れることで、実臨床に根ざしたエビデンス創出をより迅速かつ効果的に進めます 1)

創出されたエビデンスは、医療現場における適切な意思決定や疾患理解の深化を支援し、患者さんや社会に対する医療価値の向上へつながります。

データの収集や解析そのものが目的ではありません。実臨床から得られる知見を価値へと変換し、医療現場や社会へ還元することこそが、リアルワールドデータ活用の本質です。

DXの成果は、デジタル技術を価値創造へつなげることで生まれます。

 

RWDとAI・データサイエンスを組み合わせてエビデンスを創出し、医療価値を生み出す

感染症領域における実例

COVID-19やインフルエンザは、重症化のリスクを伴うだけでなく、家庭や職場などを通じて周囲へ広がることで、医療現場や社会全体に大きな影響を及ぼします。そのため感染症領域では、「抗ウイルス薬治療は、実臨床において重症化のリスク低減につながっているのか」「患者さん本人だけでなく、家庭内など周囲への伝播抑制にも寄与しているのか」といった問いが重要になります。これらの問いに答えるため、治療後の重症化リスク、家庭内での感染の広がりを、RWDを用いて評価してきました 2-6)。感染症では、原因となるウイルスの株や流行状況が時間とともに変化するため、その時々の実際の医療環境で得られるデータを活用することが重要となります。

リアルワールドデータが拓く価値創出

SHIONOGIは、リアルワールドデータとDXを活用し、実臨床から生まれる問いに向き合い続けます。

実臨床のデータをエビデンスへ、エビデンスを医療価値へとつなげることで、患者さん、医療現場、そして社会に貢献していくことを目指します。リアルワールドデータを活用したエビデンス構築は、SHIONOGIのDXが生み出す価値創造の一つです。

参考文献

1) 塩野義製薬. SHIONOGIのAI革新への挑戦. https://www.shionogi.com/jp/ja/innovation/digital/case-studies/ai.html

2) Fujita, S., Komeda, T., Miyazawa, S., Yoshida, Y. & Kitanishi, Y. Real-world effectiveness of ensitrelvir in reducing severe outcomes in outpatients at high risk for COVID-19. Infect. Dis. Ther. (2024).

3) Komeda, T., Takazono, T., Hosogaya, N., Miyazaki, T., Ogura, E., Iwata, S. et al. Comparison of hospitalization incidence in influenza outpatients treated with baloxavir marboxil or neuraminidase inhibitors: a health insurance claims database study. Clin. Infect. Dis. 73, e1181–e1190 (2021).

4) Miyairi, I., Miyazawa, S., Takahashi, Y., Kojima, S., Kitanishi, Y. & Ogura, E. Incidence of severe illness in pediatric influenza outpatients treated with baloxavir or neuraminidase inhibitors. J. Infect. Chemother. 31, 102606 (2025).

5) Miyazawa, S., Takazono, T., Hosogaya, N., Yamamoto, K., Watanabe, H., Fujiwara, M., Fujita, S. & Mukae, H. Comparison of intra-familial transmission of influenza virus from index patients treated with baloxavir marboxil or oseltamivir using an influenza transmission model and a health insurance claims database. Clin. Infect. Dis. 75, 927–935 (2022).[6] Komeda, T., Takazono, T., Hosogaya, N., Ogura, E., Fujiwara, M., Miyauchi, H. et al. Comparison of household transmission of influenza virus from index patients treated with baloxavir marboxil or neuraminidase inhibitors: a health insurance claims database study. Clin. Infect. Dis. 72, e859–e867 (2021). doi:10.1093/cid/ciaa1622.