塩野義製薬株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役会長兼社長CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」または「当社」)は、米国保健福祉省・生物医学先端研究開発局(BARDA)のProject BioShield*を通じた契約1に基づき、米国政府がグラム陰性菌感染症治療薬セフィデロコル(米国での製品名「Fetroja®」)に関する調達オプションを行使したことで、当社グループが36.9百万米ドルを受領することをお知らせします。
当社グループは、米国政府が薬剤耐性(AMR)など国家の健康安全保障上の脅威と捉える事象への備えの強化を目的とするProject BioShieldの一環として、2026年4月8日に米国政府とセフィデロコルに関する契約(以下「本契約」)を締結しています1。本契約には、今回行使されたセフィデロコルの調達オプションのほか、セフィデロコルの米国内における医薬品製造拠点の設立、生物学的脅威となる優先度の高い病原体による感染症を対象とした開発、米国食品医薬品局(FDA)への医薬品承認事項変更申請(sNDA)を通じた小児患者における院内肺炎(HABP)および人工呼吸器関連肺炎(VABP)への適応拡大2など、複数の関連するオプションが含まれています。当社グループは、本契約締結の初期段階で119百万米ドルの資金提供を受けており、関連オプションの進展に応じて、最大で482百万米ドルの資金提供を受ける可能性があります**。
塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)の一つとして「感染症の脅威からの解放」を特定し、感染症のトータルケアの実現に向けた取り組みを進めております。当社は、グローバルの課題である薬剤耐性(AMR:Antimicrobial resistance)の対策に向けた取り組みを推進するとともに、人々の健康を守るために必要な感染症治療薬を世界中の患者さまのもとにいち早くお届けできるよう、引き続き努力してまいります。なお、本件が当社の2027年3月期の連結業績に与える影響は軽微です。
* BARDAの「Project BioShield」は、化学・生物・放射線・核(CBRN)脅威に対する有効な医療対策の研究開発・調達・供給を加速することを目的とした政府プログラムです。
** 本取り組みは、米国保健福祉省・戦略的準備対応局・BARDAから、契約番号75A50126C00004に基づく連邦政府資金の提供を受けています。
以 上
【セフィデロコルについて】
セフィデロコルは、薬剤耐性菌を含むグラム陰性菌の外膜を効果的に通過して抗菌活性を発揮する薬剤です。セフィデロコルは米国において、特定のグラム陰性菌による腎盂腎炎を含む複雑性尿路感染症(cUTI)および院内肺炎・人工呼吸器関連肺炎(HABP/VABP)を有する成人患者に対する治療薬として販売されているほか、日本・欧州・台湾を含めた複数の国と地域で販売されています。現在、多くの低中所得国、高中所得国で本新規抗菌薬を必要とする患者へのアクセスを改善するために、The Global Antibiotic Research and Development Partnership(GARDP)およびClinton Health Access Initiative(CHAI)との3者連携契約を通じた準備も進めています3。
【薬剤耐性(AMR)について】
薬剤耐性(AMR:Antimicrobial resistance)は、抗菌薬に対する細菌の耐性獲得により抗菌薬が効きにくくなることです。AMRは「サイレントパンデミック」と呼ばれ、人類が直面する世界的な公衆衛生上の脅威のひとつであり、緊急に対処が必要な世界規模の重要課題です4。2021年には、AMRにより世界中で114万人が死亡したと推定されています5。また、国際的な連携により対策を講じなければ、今後25年間で3,900万人以上が命を落とす問題に発展するとの予測がなされています6。当社のAMRに対する取り組みについては、こちらをご覧ください。薬剤耐性(AMR)問題への取り組み|塩野義製薬
【参考】
BARDAの「Project BioShield」を通じた米国政府との契約締結について
グラム陰性菌感染症治療薬セフィデロコルの小児適応追加のための申請を米国FDAが受理 ~小児の薬剤耐性菌による感染症への新たな治療選択肢の提供を目指して~
塩野義製薬、GARDP、CHAIによる細菌感染症治療薬セフィデロコルに関する ライセンス契約ならびに提携契約の締結について
4. Antimicrobial Resistance Collaborators. Global burden of bacterial antimicrobial resistance in 2019: a systematic analysis. Lancet 2022; 399: 629–55.
5. World Health Organization (WHO), “Antimicrobial resistance,” 16 July 2026.
6. GBD 2021 Antimicrobial Resistance Collaborators. Global burden of bacterial antimicrobial resistance 1990-2021: a systematic analysis with forecasts to 2050. Lancet. 2024 Sep 28;404(10459):1199-1226. doi: 10.1016/S0140-6736(24)01867-1. Epub 2024 Sep 16. PMID: 39299261.
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