Microsoft Copilot 全社導入 ~生成AIを、全社員の「業務インフラ」へ~
全社員が生成AIを使いこなす会社を目指して
SHIONOGIは、全社DXの象徴的な目標として「生成AI利用率100%」を掲げています。生成AIを一部の先進的な社員だけが使う特別なツールにとどめるのではなく、社員一人ひとりが日常業務の中で当たり前に使う"業務インフラ"として定着させる。その中核を担うのが、Microsoft Copilot の全社導入です。
高い安全性と信頼性が求められる製薬業界において、AIを全社員の日常業務に組み込むことは決して容易ではありません。それでもSHIONOGIは、2026年4月に Microsoft Copilot を全社規模で展開し、全従業員が日常的に生成AIを活用できる環境へと踏み出しました。
なぜ「希望者向け」ではなく「全社」なのか
生成AIの効果は、一部の人だけが使う状態では十分に発揮されません。会議の自動要約も、社内検索も、AIを持つ人と持たない人が混在すると、ナレッジやツールの横展開が阻害され、部門間・個人間に活用の格差が生まれてしまいます。
そこでSHIONOGIは、受益者ごとの負担ではなく会社として一括で環境を整える「全社モデル」を採用しました。全社員に均等に活用の機会を提供し、導入初期に取り残されやすい層の利用を後押しすることで、「使わない理由がない」環境を意図的につくり出しています。導入時には、社長から全社員に向けて「生成AI活用100%を目指して」というメッセージも配信され、全社員の意識づけも進みました。
会議・メール・文書作成・情報検索といった、全社員に共通する汎用業務の底上げを起点に、組織全体の生産性向上と働き方の変革につなげています。
現在の活用状況に関してはこちら
Microsoft Copilot を選んだ理由
数あるツールの中で Copilot を全社標準としたのは、SHIONOGIの環境に自然に溶け込む選択肢だったためです。Copilotは始めの一歩であり、現在もその他の生成AIツールについて順次拡大を進めています。
「使いたくなる仕掛け」で定着を進める
全社導入で大切にしたのは、「会社が強制するから使う」のではなく、「社員自らが使いたくなる」状態をつくることでした。実際の業務のユースケースを現場目線で発掘する体験型ワークショップ「プロンプトソン」などを通じて、ツールを使うハードルを下げ、「これを使えば自分の仕事がもっと楽しくなる」というワクワク感を社内に育てています。
また、定着を段階的に進めるための 3ステップモデル(①まずは一度使う → ②週に一度使う → ③日常的に使い続ける)を設定。経営層からの継続的なメッセージ発信や全社員向けのラーニングとあわせて、利用ログは着実に右肩上がりで推移しています。さらに、各組織に活用推進の中心となる「AIエヴァンジェリスト」を配置し、現場主導での横展開と、知見を共有し合う"協創"のコミュニティづくりを進めています。
導入がもたらした変化
Copilot の全社定着は、単なる作業効率化にとどまりません。従来は新しい仕組みの導入に慎重になりがちだった規制の厳しい部門でも、生成AIを活かすために自発的に業務ルールを見直そうとする動きが芽生えています。既存のルールを時代の変化に合わせて適切に更新し、技術を実務へ組み込んでいく。そんな前向きな姿勢が、社内に着実に広がりつつあります。
その先にある「AIネイティブ」な企業変革へ
SHIONOGIにとって、Copilot の全社導入はゴールではなく出発点です。全社員が日常業務でAIを活用し、そこで生まれる知見やテキスト情報をデータとして蓄積・構造化し、さらにAIの精度を高めていく。この循環を、内製の生成AIアプリ群をはじめとする独自の取り組みと組み合わせることで、既存業務の部分的な効率化を超え、"最初からAIがあることを前提に業務を組み直す"AIネイティブな変革へと歩みを進めています。
全社に浸透した生成AI活用基盤は、患者さんや社会に新しい健康価値を届けるというSHIONOGIの挑戦を支える、重要な武器となっていきます。