2021/02/26

抗HIV治療における長期作用型注射2剤レジメンCabenuva(カボテグラビルおよびリルピビリン)の 米国での2ヵ月に1回投与の医薬品承認事項変更申請(sNDA)に関するViiV社の発表について
投与日数が年6日に減少することで患者さまのQOLがさらに向上

塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」または「当社」)は、当社がGlaxoSmithKline plc.およびPfizer Inc.とともに資本参加しているViiV Healthcare Ltd.(本社:英国ロンドン、Chief Executive Officer:Deborah Waterhouse、以下「ViiV社」)が、長期作用型注射2剤レジメンであるCabenuva(カボテグラビル(ViiV社)およびリルピビリン(Janssen社))について、成人HIV-1感染症における2ヵ月に1回投与の維持療法での医薬品承認事項変更申請を米国食品医薬品局(FDA)に提出したことを発表しましたので、お知らせいたします。

 

米国においてCabenuvaは、抗HIV治療における月1回投与の長期作用型注射2剤レジメンとして承認されており1、今回はそれに続く2ヵ月に1回投与での申請となります。

今回の申請は、グローバル第III相臨床試験であるATLAS-2M試験の良好な結果に基づいています。ATLAS-2M試験は、ウイルス学的失敗歴がなく6ヵ月以上ウイルス抑制が達成されたHIV患者を対象として、Cabenuvaの2ヵ月に1回投与時の有効性、安全性を月1回投与時と比較した試験であり、両投与群間でCabenuvaのウイルス抑制効果と安全性の非劣性が示されています2。本申請が承認された場合、2ヵ月毎(年6日)の投与でHIV治療が可能となり、患者さまの更なるQOL改善が期待されます。

 

抗HIV薬として世界初の長期作用型注射であるカボテグラビルおよびリルピビリンの2剤レジメンは、毎日の服用が求められるHIV治療において新たな選択肢となります。ViiV社は、米国に加えて、欧州では既に月1回投与および2ヵ月に1回投与の承認を取得しており3、カナダでも月1回投与の承認を取得しています4。また、カボテグラビル単剤では、2021年半ばにHIV感染予防を適応とした承認申請を予定しており、FDAよりブレイクスルーセラピーの指定を受け、承認までの期間短縮のための開発・申請計画の相談や、審査資料の段階的な提出・審査などが可能となっています5

 

塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、HIV感染症をはじめとする三大感染症への取り組みを推進しております。HIV感染症は今なお国際社会における大きな課題です。2019年末時点において推定3,800万人がHIVに感染しており、年間170万人が新たにHIVに感染しています。当社はViiV社の株主として、世界中の皆さまにより良いHIV感染症の治療および予防の選択肢が提供されることを期待するとともに、今後も同社の経営に参画することで、HIV感染症治療や予防におけるドルテグラビルおよびカボテグラビルの価値最大化に貢献してまいります。

 

なお、本件が2021年3月期の業績に与える影響は軽微です。

 

以 上

 

※ 抗レトロウイルス治療レジメンを受け安定してウイルスがコントロールされており、ウイルス学的失敗歴がなく、カボテグラビルまたはリルピビリンに対する既知の耐性変異のない、もしくは耐性変異が疑われない、ウイルス学的抑制状態(HIV-1 RNA量が50コピー/mL未満)の成人HIV-1感染症

 

参考:

1.      プレスリリース: 2021年1月22日
抗HIV治療における月1回投与の長期作用型注射2剤レジメンCabenuvaカボテグラビルおよびリルピビリンの米国における承認取得に関するViiV社の発表について

2.      プレスリリース: 2019年8月23日
抗HIV治療における長期作用型注射剤カボテグラビルの2ヵ月に1回の投与による良好な試験結果に関するViiV社の発表について

3.      プレスリリース: 2020年12月22日

抗HIV治療における長期作用型注射剤Vocabria(カボテグラビル)の 欧州における承認取得に関するViiV社の発表について

4.      プレスリリース: 2020年3月26日

抗HIV治療における月1回投与の長期作用型注射2剤レジメンCABENUVA(カボテグラビルおよびリルピビリン)のカナダにおける承認取得に関するViiV社の発表について

5.      プレスリリース: 2020年11月19日

長期作用型注射剤カボテグラビルのHIV感染予防におけるFDAからのブレイクスルーセラピー指定に関するViiV社の発表について