2024/02/26

抗HIV治療における持効性注射剤Cabenuva(カボテグラビルおよびリルピビリン)の LATITUDE試験の中間解析結果に関するViiV社の発表について

  • 服薬アドヒアランスに課題のあるHIV患者を対象とした第3相臨床試験の中間解析結果として、ウイルス量の抑制に関して、毎日服薬が必要な経口治療に対するCabenuvaの優越性を確認
  • データ安全性モニタリング委員会は、無作為化を中止し、経口治療からCabenuvaによる治療への切り替えに移行できる選択肢を与えるように推奨

塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役会長兼社長 CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」または「当社」)は、当社がGlaxoSmithKline plc.およびPfizer Inc.とともに資本参加しているViiV Healthcare Ltd.(以下「ViiV社」)が、「服薬アドヒアランスに課題のあるHIV患者を対象としたLATITUDE試験の中間解析結果として、毎日服薬が必要な経口治療と比較した持効性注射剤Cabenuvaの優越性が示され、データ安全性モニタリング委員会が無作為化の中止および経口治療からCabenuvaによる治療への切り替えに移行できる選択肢を与えるように推奨した」ことを発表しましたので、お知らせいたします。

 

Cabenuvaは、HIV治療における世界初の持効性注射剤であり、欧米、中国および日本を中心に、1ヵ月または2ヵ月に1回の投与で治療を可能とするHIV治療薬として承認されています 1-7

 

LATITUDE試験は、服薬アドヒアランスに課題のあるHIV患者を対象として、経口治療と比較した際のCabenuvaによる治療の有効性、安全性および忍容性の検証を目的とする試験です。全ての被験者は、ドルテグラビルやビクテグラビルのレジメンを含む、少なくとも3種類以上の薬剤を組み合わせた経口治療を開始し、その後、4週間に1回のCabenuva投与群と経口治療を維持する群に無作為に割り付けられ、治療が継続されました。結果として、Cabenuva投与群は経口治療群に対し、持続的なウイルス量の抑制において優越性を示しました。

 

本試験は、アメリカ国立衛生研究所(NIH)が資金提供する世界最大のHIV研究ネットワークであるThe AIDS Clinical Trials Group (以下「ACTG」)によって実施されています。ACTGのデータ安全性モニタリング委員会は、当初から予定されていた中間解析を実施し、全てのエンドポイントを総合的に検証したうえで、Cabenuvaによる治療は毎日服薬が必要な経口治療よりも優れた有効性を示していると結論付け、全ての適格な被験者に対するCabenuvaによる治療を推奨しました。なお、最終的な解析結果は、今後の国際学会にてViiV社により発表される予定です。

 

塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、HIV感染症をはじめとする三大感染症への取り組みを推進しております。服薬アドヒアランスの低下は、持続的なウイルス量の抑制を妨げる主要因であり、HIV流行の収束のためには、HIV患者に合わせた治療を提供することが求められています。当社は今後もViiV社との密な連携により事業を推進することで、HIV感染症治療と予防の両面で、権利を導出したドルテグラビル、カボテグラビルならびにS-365598の価値最大化を通じたグローバルヘルスへの貢献を果たしてまいります。

 

本件が2024年3月期の連結業績予想に与える影響は軽微です。

 

以 上

 

参考:

【LATITUDE試験について】

試験デザイン等の詳細は、https://classic.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03635788 およびhttps://actgnetwork.org/clinical-trial/actg-a5359-long-acting-antiretroviral-therapy-in-non-adherent-persons-living-with-hiv-plwh/をご覧ください。

 

【ACTGについて】

 ACTGは、1987年に設立された世界初のHIV研究ネットワークであり、結核やウイルス性肝炎など、HIVとその合併症の治療を改善し、HIVに関連する新たな感染症を減らすための画期的な研究を行っています。人々のHIVの予防、治療、そして最終的な根治のための新しいアプローチを推進します。ACTGの研究は、現在のHIV感染症を管理するための枠組みの確立に寄与し、HIV治療ガイドラインに情報を提供することにより、世界中でHIV関連の死亡率を劇的に減少させてきました。

 

 

1.       プレスリリース: 2020年12月22日
抗HIV治療における長期作用型注射剤Vocabria(カボテグラビル)の欧州における承認取得に関するViiV社の発表について

2.       プレスリリース: 2021年1月22日
抗HIV治療における月1回投与の長期作用型注射2剤レジメンCabenuva(カボテグラビルおよびリルピビリン)の米国における承認取得に関するViiV社の発表について

3.       プレスリリース: 2022年2月2日
抗HIV治療における長時間作用型注射レジメンCabenuva (カボテグラビルおよびリルピビリン)の米国における2ヵ月に1回投与の承認取得に関するViiV社の発表について

4.       プレスリリース: 2022年3月25日
抗HIV治療における長時間作用型注射レジメンCabenuva (カボテグラビルおよびリルピビリン)の米国における経口剤による導入治療のオプション化に関するViiV社の発表について

5.       プレスリリース: 2022年6月1日
抗HIV治療における初の長時間作用型注射剤「ボカブリア水懸筋注」の 日本での承認取得に関するViiV社の発表について

6.       プレスリリース: 2023年2月27日
抗HIV 治療における持効性注射剤 Cabenuva(カボテグラビルおよびリルピビリン)の SOLAR 試験の良好な結果に関する ViiV 社の発表について

7.       GSK社プレスリリース: 2023年10月26日
ViiV Healthcare receives approval from China’s National Medical Products Administration (NMPA) for Vocabria (cabotegravir) used in combination with Rekambys (rilpivirine), the first and only complete long-acting HIV-1 injectable treatment

[お問合せ先]

塩野義製薬ウェブサイト お問い合わせフォーム:

https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.