2024/03/07

カボテグラビル超長時間作用型製剤の第1相臨床試験の結果に関するViiV社の発表について

  • 4ヵ月以上に1回の投与でHIV治療と予防が可能であることを示唆する、良好な薬物動態・忍容性・安全性を確認
  • 試験結果を受けて、ViiV社はHIV予防を適応としたカボテグラビル超長時間作用型製剤の登録研究を開始

塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役会長兼社長CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」または「当社」)は、当社がGlaxoSmithKline plc.およびPfizer Inc.とともに資本参加しているViiV Healthcare Ltd.(以下「ViiV社」)が、カボテグラビル超長時間作用型製剤(以下、「CAB-ULA」)について、第1相臨床試験における良好な結果を、Conference on Retroviruses and Opportunistic Infectious (CROI)2024にて発表しましたので、お知らせいたします。

 

CAB-ULAは、4ヵ月以上に1回の投与でのHIV治療と予防を目指して開発を進めている注射剤です。すでに欧米を中心にグローバルで承認されている1ヵ月または2ヵ月に1回の投与でHIVの治療を可能とするCabenuva(カボテグラビルおよびリルピビリン)1-7および予防を可能とするApretude8-9に含まれるカボテグラビル200mg/ml筋注(以下「CAB200」)と比較して、より半減期が長く、投与間隔の延長を実現することが可能です。

 

今回、良好な結果を発表した第1相臨床試験は、70人の健康成人を対象として、CAB-ULAとCAB200の薬物動態、安全性を比較することで、CAB-ULAの投与間隔を評価するために実施された試験です。結果として、CAB-ULAはCAB200と比較して半減期が2倍長く、4ヵ月以上に1回の投与で2ヵ月に1回投与のCAB200と同程度の薬物血中濃度を維持できることが示されました。また、良好な忍容性と安全性が確認され、試験中止に至る有害事象は認められませんでした。これらの結果から、CAB-ULAは4ヵ月以上に1回の投与でHIV治療と予防が可能となることが示唆されました。

 

本試験の良好な結果を受けて、ViiV社はHIV予防を適応とした超長時間作用型カボテグラビルの登録研究を開始しています。また、治療適応においても、他の治療薬との併用による臨床試験を開始する予定です。

 

塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、HIV感染症をはじめとする三大感染症への取り組みを推進しております。今後も、60年以上におよぶ感染症領域における研究・開発で培ったノウハウを活用し、ViiV社と連携して事業を推進することで、HIV感染症治療と予防の両面でグローバルヘルスへの貢献を果たしてまいります。

 

本件が2024年3月期の連結業績予想に与える影響は軽微です。

 

以 上

 

 

参考:

1.       プレスリリース: 2020年12月22日
抗HIV治療における長期作用型注射剤Vocabria(カボテグラビル)の欧州における承認取得に関するViiV社の発表について

2.       プレスリリース: 2021年1月22日
抗HIV治療における月1回投与の長期作用型注射2剤レジメンCabenuva(カボテグラビルおよびリルピビリン)の米国における承認取得に関するViiV社の発表について

3.       プレスリリース: 2022年2月2日
抗HIV治療における長時間作用型注射レジメンCabenuva (カボテグラビルおよびリルピビリン)の米国における2ヵ月に1回投与の承認取得に関するViiV社の発表について

4.       プレスリリース: 2022年3月25日
抗HIV治療における長時間作用型注射レジメンCabenuva (カボテグラビルおよびリルピビリン)の米国における経口剤による導入治療のオプション化に関するViiV社の発表について

5.       プレスリリース: 2022年6月1日
抗HIV治療における初の長時間作用型注射剤「ボカブリア水懸筋注」の 日本での承認取得に関するViiV社の発表について

6.       プレスリリース: 2023年2月27日
抗HIV 治療における持効性注射剤 Cabenuva(カボテグラビルおよびリルピビリン)の SOLAR 試験の良好な結果に関する ViiV 社の発表について

7.       GSK社プレスリリース: 2023年10月26日
ViiV Healthcare receives approval from China’s National Medical Products Administration (NMPA) for Vocabria (cabotegravir) used in combination with Rekambys (rilpivirine), the first and only complete long-acting HIV-1 injectable treatment

8.       プレスリリース: 2021年12月21日
HIV 感染予防における世界初の長時間作用型注射剤 Apretude(カボテグラビル)の米国での承認取得に関するViiV社の発表について

9.       プレスリリース: 2023年9月20日
HIV感染予防における世界初の長時間作用型製剤Apretude(カボテグラビル)の欧州での承認取得に関するViiV社の発表について

 

 

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