塩野義製薬株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役会長兼社長 CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」)は、内閣府が主催する第8回日本医療研究開発大賞において、「シデロフォア抗菌薬の開発を通じた薬剤耐性感染症対策への貢献」が「厚生労働大臣賞」を受賞しましたので、お知らせいたします。表彰式は、2026年1月16日に首相官邸で開催されました。
日本医療研究開発大賞は、日本のみならず世界の医療の発展に向けて、医療分野の研究開発の推進に多大な貢献をした事例に対し、その功績を称えることにより、国民の関心と理解を深めるとともに、研究者等のインセンティブを高めることを目的として、2017年度より内閣府が実施している表彰制度です。このうち「厚生労働大臣賞」は、社会福祉、社会保障および公衆衛生の向上・増進の観点から特に顕著な功績が認められる事例1件に対して贈られる賞です。
今回の受賞では、有効性、安全性の観点から開発が困難とされてきたシデロフォア側鎖を有する世界初の抗菌薬セフィデロコルを開発し、抗菌薬創製における革新的な科学的アプローチを切り拓いた点が高く評価されました。セフィデロコルは、WHOの必須医薬品リストや英国・スウェーデン・日本のプル型インセンティブ制度※に選定されるなど、薬剤耐性(AMR)対策における国際的な評価を受け、2025年4月時点で26の国と地域で承認されています。さらに、The Global Antibiotic Research and Development Partnership(GARDP)およびClinton Health Access Initiative(CHAI)との連携により低所得国を含む135ヵ国へのアクセス改善にも取り組み、AMR対策と医療格差の是正に大きく貢献しています1。
※薬剤研究開発におけるインセンティブ形式の一つ。成功時に報酬を与えたり、発売後の売り上げ・利益を保証するなどの形で、使用量と収益を切り離す仕組み。
塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)の一つとして「感染症の脅威からの解放」を特定し、感染症のトータルケアの実現に向けた取り組みを進めております。当社は、グローバルな課題であるAMR対策の成功に向け、人々の健康を守るために必要な感染症治療薬を、世界中の患者さまのもとにいち早くお届けできるよう、引き続き努力してまいります。当社のAMRに対する取り組みについては、こちらをご覧ください。
以 上
【受賞概要】
賞名 |
日本医療研究開発大賞 厚生労働大臣賞 |
受賞名称 |
シデロフォア抗菌薬の開発を通じた薬剤耐性感染症対策への貢献 |
受賞者名 |
塩野義製薬株式会社 |
功績・受賞の ポイント |
• 塩野義製薬株式会社は、カルバペネム系抗菌薬を含む多剤耐性グラム陰性菌感染症に対する有効な治療薬「セフィデロコル」を開発した。セフィデロコルは、これまで有効性や安全性の観点から実現が難しいとされていたシデロフォア側鎖を有する世界初の抗菌薬である。この開発により、抗菌創薬における新たな科学的アプローチが開拓された。 • セフィデロコルは「WHOの必須医薬品リスト」や英国・スウェーデン・日本で導入された「プル型インセンティブ制度」※に選定されるなど、高い国際的評価を受けており、2020年の米国販売開始以降、2025年4月時点で日本・欧州・台湾など26の国と地域で承認・販売されている。 |
【セフィデロコルについて】
セフィデロコルは、多剤耐性菌を含むグラム陰性菌の外膜を効果的に通過して抗菌活性を発揮する薬剤で、2025年5月現在で、日本・欧州・米国・台湾を含めた26の国と地域で販売されています。また、セフィデロコルは、WHOの必須医薬品リストに掲載されており、薬剤耐性菌感染症に対する治療選択肢として国際的に重要な役割を担っています。現在、多くの低中所得国、高中所得国で本新規抗菌薬を必要とする患者へのアクセスを改善するために、The Global Antibiotic Research and Development Partnership(GARDP)およびClinton Health Access Initiative(CHAI)との3者連携契約を通じた準備も進めています1。
【薬剤耐性(AMR)について】
薬剤耐性(AMR:Antimicrobial resistance)は、抗菌薬に対する細菌の耐性獲得により抗菌薬が効きにくくなることです。AMRは「サイレントパンデミック」と呼ばれ、人類が直面する世界的な公衆衛生上の脅威のひとつであり、緊急に対処が必要な世界規模の重要課題です2。2021年には、AMRにより世界中で114万人が死亡したと推定されています3。また、国際的な連携により対策を講じなければ、今後25年間で3,900万人以上が命を落とす問題に発展するとの予測がなされています4。
参考
1. プレスリリース(2022/6/15)塩野義製薬、GARDP、CHAIによる細菌感染症治療薬セフィデロコルに関する ライセンス契約ならびに提携契約の締結について -135ヵ国でセフィデロコルへのアクセスを拡大-
2. Antimicrobial Resistance Collaborators. Global burden of bacterial antimicrobial resistance in 2019: a systematic analysis. Lancet 2022; 399: 629–55.
3. Antimicrobial resistance (who.int) WHO. Antimicrobial resistance. Who.int. Published October 13, 2020. https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/antimicrobial-resistance
4. GBD 2021 Antimicrobial Resistance Collaborators. Global burden of bacterial antimicrobial resistance 1990-2021: a systematic analysis with forecasts to 2050. Lancet. 2024 Sep 28;404(10459):1199-1226. doi: 10.1016/S0140-6736(24)01867-1. Epub 2024 Sep 16. PMID: 39299261.
[お問合せ先]
塩野義製薬ウェブサイト お問い合わせフォーム:https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.