塩野義製薬株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役会長兼社長CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」または「当社」)は、当社が創製したグラム陰性菌感染症治療薬セフィデロコルについて、オーストラリア当局(TGA:Therapeutic Goods Administration)より、「治療選択肢が限られた成人患者における、カルバペネム耐性またはカルバペネム耐性が強く疑われるグラム陰性菌による腎盂炎を含む複雑性尿路感染症、院内肺炎、人工呼吸器関連肺炎」を適応とした製造販売承認(以下「本承認」)を取得したことをお知らせいたします。
本承認は、これまでに実施したセフィデロコルの3つのグローバル臨床試験(複雑性尿路感染症患者を対象とした第2相試験「APEKs-cUTI」、カルバペネム耐性グラム陰性菌感染症患者を対象とした第3相試験「CREDIBLE-CR」、院内肺炎患者を対象とした第3相試験「APEKS-NP」)1-3の結果に基づくものです。当社は、Link Medical Products Pty Ltd(本社:オーストラリア ニューサウスウェールズ州、以下「Link社」)との間で、オーストラリア・ニュージーランドにおけるセフィデロコルの開発・販売に関するライセンス契約を締結しております4。このたびのオーストラリアでの承認取得を受け、今後はLink社と連携し、セフィデロコルを必要とする患者さまへのアクセス向上に取り組んでまいります。
薬剤耐性(Antimicrobial resistance:AMR)は「サイレントパンデミック」と呼ばれ、人類が直面する世界的な公衆衛生上の脅威のひとつであり、緊急に対処が必要な世界規模の重要課題です5。2021年には、AMRにより世界中で114万人が死亡したと推定されており6、国際的な連携により対策を講じなければ、2050年までに3,900万人以上が命を落とす問題に発展するとの予測がなされています7。その一方で使用可能な治療薬は限られており、アンメットメディカルニーズが高い疾患領域の一つです。セフィデロコルは、細菌の耐性獲得により抗菌薬が効きにくくなった多剤耐性菌を含むグラム陰性菌に有効な薬剤であり、本承認により、新たな治療の選択肢になることが期待されます。
塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、感染症のトータルケアの実現に向けた取り組みを進めております。当社は、グローバルの課題であるAMR対策の成功に向け、人々の健康を守るために必要な感染症治療薬を、世界中の患者さまのもとにいち早くお届けできるよう、引き続き努力してまいります。当社のAMRに対する取り組みついては、こちらをご覧ください。
以 上
【セフィデロコルについて】
セフィデロコルは、多剤耐性菌を含むグラム陰性菌の外膜を効果的に通過して抗菌活性を発揮する薬剤で、日本・米国・欧州・台湾・韓国を含めた複数の国と地域で販売されており、オーストラリア当局への承認申請は2024年12月に受理されておりました8。セフィデロコルは、WHOの必須医薬品リストに掲載されており、薬剤耐性菌感染症に対する治療選択肢として国際的に重要な役割を担っています。現在、多くの低・中所得国で本新規抗菌薬を必要とする患者へのアクセスを改善するために、The Global Antibiotic Research and Development Partnership(GARDP)およびClinton Health Access Initiative(CHAI)との3者連携契約を通じた取り組みも進めています9。
【Link Medical Products Pty Ltdについて】
Clinigen傘下のLink社は、オーストラリアおよびニュージーランドにおいて、医療従事者、医療機関、製薬企業およびバイオテクノロジー企業から信頼されるパートナーとして事業を展開してきました。臨床開発から商業化まで、製品ライフサイクル全体にわたる専門的なサービスを提供し、承認医薬品および未承認医薬品への倫理的かつ適正なアクセスを支援しています。
参考
1. 2017年1月12日プレスリリース: 新規注射用シデロフォアセファロスポリン抗菌薬cefiderocolの複雑性尿路感染症における二重盲検比較試験の良好な結果について
2. 2019年10月3日プレスリリース: 注射用シデロフォアセファロスポリン抗菌薬セフィデロコルの院内肺炎患者を対象とした第 III 相臨床試験(APEKS-NP)の試験結果について
3. 2019年11月15日プレスリリース: FETROJAの米国における新薬承認について
4. 2025年4月2日プレスリリース:グラム陰性菌感染症治療薬セフィデロコルの オーストラリアとニュージーランドにおけるLink社とのライセンス契約の締結について
5. GBD 2021 Antimicrobial Resistance Collaborators. Global burden of bacterial antimicrobial resistance 1990-2021: a systematic analysis with forecasts to 2050. Lancet. 2024 Sep 28;404(10459):1199-1226. doi: 10.1016/S0140-6736(24)01867-1. Epub 2024 Sep 16. PMID: 39299261.
6. World Health Organization (WHO), “Antimicrobial resistance,” 16 July 2026.
7. Antimicrobial Resistance Collaborators. Global burden of bacterial antimicrobial resistance in 2019: a systematic analysis. Lancet 2022; 399: 629–55.
8. 2024年12月3日プレスリリース:セフィデロコルのオーストラリアにおける新薬承認申請の受理について
9. 2022年6月15日 プレスリリース: 塩野義製薬、GARDP、CHAIによる細菌感染症治療薬セフィデロコルに関する ライセンス契約ならびに提携契約の締結について -135ヵ国でセフィデロコルへのアクセスを拡大-
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