2022/12/23

平安塩野義と上薬控股有限公司の、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬エンシトレルビル フマル酸の中国における輸入・流通契約の締結について

塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役会長兼社長CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」または「当社」)は、当社と中国平安人寿保険股份有限公司※1(本社:中国広東省)との合弁会社である平安塩野義有限公司(本社:中国上海、董事長:吉田 達守、以下「平安塩野義」)が、上薬控股有限公司(本社:中国上海、総経理:李永忠:以下「上薬控股」)と、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬エンシトレルビル フマル酸(日本での製品名:ゾコーバ錠125 mg、開発番号:S-217622、以下「エンシトレルビル」)について、中国大陸地区における輸入・流通契約を締結しましたので、お知らせいたします。

 

上薬控股は、上海と香港の証券取引所に上場している大手製薬グループである上海医薬集団股份有限公司(本社:中国上海、執行董事兼总裁:左敏、以下「上海医薬」)の子会社で、医薬品の流通に特化した企業です。今回の輸入・流通契約に基づき、上薬控股は、製造販売承認取得後のエンシトレルビルの独占的な中国国内への輸入と卸への販売を担います。また、今回の契約締結に伴い、平安塩野義と上海医薬は、新薬の輸入とともに中国国内での流通・製造や、ジェネリック医薬品の販売ネットワークの拡大など、様々な協業について、今後検討を進める旨を合意しています。両社が協力して中国の皆様により良いヘルスケア製品をお届けできるよう、検討・協議を進めてまいります。

 

平安塩野義は、既にエンシトレルビルの中国における新薬承認申請に向けて、中国国家薬品監督管理局(National Medical Products Administration)薬品審評中心(Center for Drug Evaluation; 以下「CDE」)へ資料の提出を開始しており1、2022年11月22日の日本国内での製造販売承認取得を受け2、引き続きCDEとの緊密なコミュニケーションを継続しています。中国におけるエンシトレルビルの製造販売承認が得られ次第、上薬控股と協力して一日も早く安定供給を実現することで中国におけるCOVID-19治療に貢献できるよう、協業を推進してまいります。

塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、感染症のトータルケアの実現に向けた取り組みを進めております。COVID-19が世界的な脅威として人々の生活に大きな影響を与える中、当社はパンデミックの早期終息による社会の安心・安全の回復に貢献するために、海外でのエンシトレルビルの実用化に向けた提携先との緊密な連携、ならびに生産を含むグローバルサプライチェーンの強化に向け引き続き注力してまいります。

 

なお、本件が2023年3月期の連結業績予想に与える影響に関しては、今後、状況に応じて精査いたします。

以 上

 

※1 中国平安保険(集団)股份有限公司(本社:中国広東省)の出資機能を有する子会社

 

 

【エンシトレルビル フマル酸について】

COVID-19治療薬であるエンシトレルビル(開発番号:S-217622)は、北海道大学と塩野義製薬の共同研究から創製された3CLプロテアーゼ阻害薬です。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は3CLプロテアーゼというウイルスの増殖に必須の酵素を有しており、エンシトレルビルは3CLプロテアーゼを選択的に阻害することで、SARS-CoV-2の増殖を抑制します。オミクロン株流行期に、重症化リスク因子の有無やワクチン接種の有無にかかわらず幅広い軽症/中等症患者を対象に実施した第2/3相臨床試験のPhase 3 partにおいて、オミクロン株に特徴的なCOVID-19の5症状に対する改善効果(主要評価項目)および抗ウイルス効果(主要な副次評価項目)が確認されています3。現在、無症候/軽度症状のみ有するSARS-CoV-2感染者を対象としたPhase 2b/3 partを、日本を中心にアジアで実施中です。グローバルにおいては、入院を伴わないSARS-CoV-2感染患者を対象としたグローバル第3相臨床試験(SCORPIO-HR試験4)が進行中です。また、入院を伴うSARS-CoV-2感染患者を対象としたグローバル第3相臨床試験(STRIVE試験5)の開始を近く予定しており、感染患者の同居家族を対象とした発症予防試験、12歳未満の小児対象試験についても準備中です。

 

【上海医薬について】

上海医薬は、上海と香港の証券取引所に上場している大手製薬グループです(上海証券取引所:証券コード 601607、香港証券取引所:証券コード 02607)。中核事業として医薬品の研究開発、製造、流通、小売の4つの事業を展開しています。

 

【上薬控股について】

上薬控股は上海医薬の子会社で、医薬品の流通に特化した企業です。中国国内の30,000以上の医療機関をカバーする流通ネットワークにより医薬品流通業界をリードしています。

 

 

参考:

1.      プレスリリース:2022年7月4日

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬S-217622の新薬承認申請に向けた資料の提出開始について

2.      プレスリリース:2022年11月22日

塩野義製薬株式会社による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬「ゾコーバ錠125mg」の緊急承認制度に基づく日本における製造販売承認取得について

3.      プレスリリース:2022年9月28日

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬エンシトレルビル フマル酸(S-217622)の 第2/3相臨床試験 Phase 3 partにおける良好な結果について(速報)

4.      ClinicalTrials.gov:NCT05305547

5.      ClinicalTrials.gov:NCT05605093

 

 

COVID-19に対する当社の取り組みは、当社Webサイトでも随時更新しております。また、各機関から発信されているCOVID-19に関する情報も同ページにまとめておりますので、ご参考までにご確認ください(塩野義製薬ウェブサイト)。

 

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