2022/08/10

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬エンシトレルビル フマル酸(S-217622)の オミクロン株の亜種(BA.2.75系統)に対するin vitro活性について

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役会長兼社長 CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」または「当社」)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として開発中の経口抗ウイルス薬エンシトレルビル フマル酸(開発番号:S-217622、以下、「本治療薬」)について、これまでに検出された変異株と同様にオミクロン株の亜種(BA.2.75系統)に対する高い抗ウイルス活性を有することを非臨床試験において確認しましたのでお知らせいたします。

 

 2022年8月現在、オミクロン株の新たな系統であるBA.2.75系統が国内でも検出されています1。現時点で他の系統と比較した感染伝播性、重症度に関する明らかな知見はありませんが、スパイクタンパク質の変異から治療用モノクローナル抗体はBA.2.75系統に対して効果が見られないとの報告2もされており、また一部のワクチンでも防御力が低下する可能性が示唆されています。当社は、引き続き感染の動向を注視し、本治療薬のエビデンスを集積するとともに、繰り返される変異に対して、臨床分離株が入手でき次第速やかに評価を実施し、公衆衛生上有益となる情報を提供いたします。

 

 塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、感染症のトータルケアの実現に向けた取り組みを進めております。COVID-19が世界的な脅威として人々の生活に大きな影響を与える中、当社はパンデミックの早期終息による社会の安心・安全の回復に貢献するために、本治療薬の開発に引き続き注力してまいります。今後も状況に変化があり次第、皆さまにお知らせし、企業としての社会的責任を果してまいります。

 

なお、本件が2023年3月期の連結業績予想に与える影響に関しては軽微です。

以 上

 

[お問合せ先]

塩野義製薬ウェブサイト お問い合わせフォーム:

https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.

 

 

参考:

1.     国立感染症研究所。感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) の変異株について(第19報)。2022年7月29日。

2.     New SARS-CoV-2 Variant BA.2.75 Evades All Approved Monoclonal Antibody Therapies (forbes.com)

 

 

COVID-19に対する当社の取り組みは、当社ホームページでも随時更新しております。また、各機関から発信されているCOVID-19に関する情報も同ページにまとめておりますので、ご参考までにご確認ください(塩野義製薬ウェブサイト)。