- 2026年度より、グローバルで年間約7億ドルの売上収益を計上する見込み
- 米国における希少疾患領域の事業展開を支える強固な商業基盤を確立
塩野義製薬株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役会長兼社長CEO:手代木 功、以下「当社」)は、
2025年12月22日付で開示した「田辺ファーマ株式会社からの筋萎縮性側索硬化症等治療薬エダラボン事業の買収に関するお知らせ」1に記載のとおり、2026年4月1日を効力発生日として、筋萎縮性側索硬化症(ALS)等治療薬エダラボン(日本での製品名「ラジカット」、米国での製品名「Radicava」)の主要国・地域における知的財産権、販売権等を含むすべての権利の当社への移行を完了しました。なお、一部の国・地域における権利については、今後、所定の手続きを経て順次移行される予定です。
また、本取引に伴って新設されたRadicava事業会社が、当社の米国グループ会社である Shionogi Inc. の完全子会社として、同日付けで事業を開始いたしましたので、お知らせします。
本件により、当社はエダラボン事業を通じて、希少疾患領域におけるグローバルな事業基盤を確立するとともに、患者さまに対する継続的かつ安定的な治療提供に取り組んでまいります。
名称 |
RADIANCE NEWCO, LLC |
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本社所在地 |
400 Campus Drive, Florham Park, NJ 07932, USA |
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代表者の役職・氏名 |
Shionogi Inc.*1 |
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事業内容 |
Radicavaの販売等 |
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資本金 |
未定*2 |
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設立年 |
2026年 |
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大株主および持ち株比率 |
Shionogi Inc. 100% |
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従業員数 |
143名 |
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当社との関係 |
Shionogi Inc.の完全子会社 |
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<参考> 田辺ファーマによる最近3年間の 米国におけるRadicavaの売上収益 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
43,330百万円 |
74,713百万円
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94,491百万円
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*1 当事業会社は単一の法人を社員とする社員管理型LLC(Solo member managed LLC)として設立されており、個人が代表者として就任する形態ではありません。
*2 取得原価配分(PPA:Purchase Price Allocation)完了後に確定予定です。
2. 今後の見通し
2027年3月期以降の連結業績への影響については現在精査中ですが、2027年3月期より売上収益および利益に貢献する見込みです。
【エダラボンについて】
エダラボンは、ALSの進行に関与する酸化ストレスを抑制することで、運動ニューロンの障害進行を遅延させる作用を有するフリーラジカル消去薬です2。ALSは進行性の神経疾患であり、根本的な治療法が存在しないアンメットメディカルニーズの高い疾患です。エダラボンは疾患進行を抑制する数少ない治療選択肢の一つとして期待されており、米国では注射剤に加え、服薬負担を軽減する経口懸濁剤も上市され、ALS患者さまのQOL向上に寄与しています。米国では、エダラボンの注射剤および経口懸濁剤が、これまでに合計2.2万人以上のALS患者さまの治療に使用されています。
エダラボンの経口懸濁剤は、2022年に米国FDAからALS治療薬として承認を取得しました。2024年には、静注投与の負担を回避する経口懸濁剤という新たな投与経路を提供し、患者ケアに大きく貢献したことから、FDAより希少疾病用医薬品として排他的承認期間が付与されました。
エダラボンは、田辺ファーマがALS治療薬として創製・開発し、米国ではタナベファーマアメリカが販売しました。田辺ファーマは2001年から13年間にわたる臨床試験を通じてALS研究を進め、2015年に日本および韓国でRADICUT®として承認を取得しました。その後、カナダ(2018年10月)、スイス(2019年1月)、インドネシア(2020年7月)、タイ(2021年4月)、マレーシア(2021年12月)、オーストラリア(2023年2月)、ブラジル(2023年3月)で承認を取得しました。RADICAVA® Oral Suspensionはカナダ(2022年11月)、スイス(2023年5月)で承認され、日本ではRADICUT® Oral Suspension 2.1%が2022年12月に承認されました。
【ALSについて】
ALS:Amyotrophic Lateral Sclerosis(筋萎縮性側索硬化症)は、運動ニューロンが選択的に変性・脱落することで筋力低下や呼吸障害を引き起こす進行性の神経疾患です。発症後は徐々に筋萎縮が進行し、最終的には呼吸筋麻痺により生命予後に重大な影響を及ぼします。世界的に年間発症率は人口10万人あたり約1~2人とされる希少疾患であり、根本的な治療法は存在しません3。病態には酸化ストレスやグルタミン酸による興奮毒性等の複数の要因が関与しており、疾患進行を抑制する治療選択肢は限られています。このため、ALSはアンメットメディカルニーズの高い疾患として、革新的な治療薬の提供が強く求められています。
参考
1. プレスリリース:2025年12月22日
田辺ファーマからの筋萎縮性側索硬化症等治療薬エダラボン事業の買収に関するお知らせ
2. Cedarbaum JM, et al. Edaravone efficacy and safety in ALS. N Engl J Med. 2017;377:1694–1702. DOI: 10.1056/NEJMoa1709426
3. Xu, et al. Global variation in prevalence and incidence of amyotrophic lateral sclerosis: a systematic review and meta-analysis. J Neurol. 2020 Apr;267(4):944-953. DOI: 10.1007/s00415-019-09652-y
以 上
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