患者さまの健康に寄り添う~ブレない信念を胸に進む若きMR~
塩野義製薬のMR(医療情報担当者)として活躍するR.K.さん。持ち前の粘り強さと誠実さ、そして比類なき向上心で、トップクラスの実績をあげています。
野球少年から常に全力投球の敏腕MRへ。入社3年目の若きホープに、MRという仕事の魅力について語ってもらいました。

2度の川崎病。命を救われた野球少年は医療の道へ
ーMRを志した経緯とこれまでのキャリアを教えてください。
学生時代はまさに野球一色。小学校1年生から大学4年生まで、16年間野球に打ち込みました。まさに「野球漬け」の青春時代を送った私ですが、実は幼い頃に2回、全身の血管に炎症がおきる「川崎病」に罹患したことがあります。命すら危ぶまれる大病から、2回も命を救ってもらいました。「元気に野球ができるのは、あの時の医師や日本の医療のおかげ」……。そんな感謝の念を抱き続けていたことから、医療に貢献できるMRを志しました。
MR「医薬情報担当者」は、 自社の医療用医薬品の適正使用や、品質・有効性・安全性にかかわる情報を医師や薬剤師などの医療関係者に広くお伝えし、医薬品の効果や副作用に関する情報をヒアリングし自社の新薬開発担当にフィードバックするという職種です。他業界の営業職と同様に数値目標などはありますが価格交渉等のやり取りはなく、医薬品に関する情報伝達・収集を行う専門職です。
文系学部出身の私は、「医学の専門知識を身につけられるだろうか」と不安でしたが、入社してから約半年間、医学・薬学知識、コミュニケーション、ロジカルシンキングの手法等、現場で必要なスキルを社内の研修や自己研鑽によってみっちり勉強したことにより、自信をもってMRデビューができたと思います。
「塩野義は嫌い」。苦言からの信頼V字回復

ーキャリアの中でターニングポイントとなった出来事があるのだとか。
私がもっとも大切にしているのは、医療関係者との信頼関係の構築です。医師は患者さまの命に係わるお仕事をされているため、人として信頼できるかは非常に重要だと考えています。そのため挨拶や会話といった基本を大切に、誠実な対応をすることを心がけています。しかし、理想どおりにはいかないこともありました。忘れもしない入社1年目、初めて訪問した医療機関で、診察室に入るなり医師から放たれたのは「塩野義は嫌いだ」の一言。頭が真っ白になり、どう対応すべきか戸惑いました。
しかし、ここで諦めるわけにはいきません。心を落ち着かせて「申し訳ございません。どのようなことでそのようにお感じになったのでしょうか」と、丁寧に理由を伺いました。すると、以前必要なときにMRが来なかったせいで知りたい情報を得られなかったという状況が判明したのです。
その時、私は自分のMRという役割の重要性をあらためて実感しました。それからは、定期的に訪問し先生のニーズに沿った情報を丁寧に提供し続けました。ただ自社の製品をご紹介するのではなく、先生の診療に本当に役立つ情報は何かを常に考え、準備しました。
半年後、当社の主力製品である抗インフルエンザ薬を「使ってみたい」と採用してくださったときは、本当に嬉しかったですね。
ー他にもMRとして心がけていることはありますか。

例えばインフルエンザの時期には、「お子さまがインフルエンザに罹った際、ご家族がどのような点で特にお困りになることが多いでしょうか?」と先生にお伺いすることで、実際の診療現場での課題やご家族のニーズについて把握させていただいています。こうした質問を通じて、先生方のご経験を参考に、より効果的な情報提供や提案ができるよう努めています。
また、変に及び腰にならないよう明るいコミュニケーションスタイルを心掛け、焦らず長期的な視点で関係構築を図ることを大切にしています。
もちろん日々の勉強も欠かせません。常にアップデートされる医療情報に対応するため、個人学習やMR同士の情報交換を積極的に行っています。
こういった努力と工夫の積み重ね、そして、相手の立場に立って考え誠実に向き合う姿勢こそが、「医療パートナー」としての信頼関係構築につながっていくのだと信じ頑張っています。
ー今、力を入れていることはなんですか。
「もっとも良い薬を患者さまへ」誇りを胸に

ーMRの仕事の魅力はなんでしょうか。
MRの魅力は、多くの方々のお喜びの声を通じて、医療や健康に貢献できたと実感が得られるところだと思います。患者さまと直接お話する機会はありませんが、医療従事者の方を通じて「R.K.さんの丁寧な情報提供のおかげで、家族が心配していた感染症の患者さまに適切な治療法を説明できました。その結果、患者さまの状態も安定し、家族も安心されたようです。」など嬉しいお声が、わたし自身にとってもいい思い出であり日々の励みになっています。病気で苦しむ患者さまの力になりたいと考える人にとっては、とてもやりがいのある仕事だと思います。
また、医療のプロフェッショナルの方々へ情報提供を通じてご支援することで、医療パートナーとしての関係性を築けることも大きな魅力です。私自身、入社前では想像もできなかったことですが、今では多くの先生方に頼っていただけるようになり、責任は重いですが、それが誇りにもなっています。
ー塩野義製薬の魅力はどのような点ですか。
「もっとも良い薬を患者さまへ提供できる会社」だと思っています。日本の企業として、高い自社創薬比率を維持しながら革新的な医薬品を提供し続けているので、世界中の患者さまに貢献できる会社だと自負しています。
また、塩野義製薬の社風も魅力の一つです。風通しよく話しやすい雰囲気があり、勉強した内容の中で分からない事がある場合にも、先輩方に質問すると優しく回答してくれました。MRというと競争が激しいイメージがあるかもしれませんが、当社は患者さまのために何ができるのかを一番に考え協力しあう職場環境であり、働きやすさを実感しています。
ーこれからの展望を教えてください。
担当エリアで情報を必要とされている医療関係者へ一人でも多く情報提供していきたいです。それは結果として、より多くの患者さまへの貢献に繋がると信じています。
まだ社会人3年目なので、ビジネススキルもさらに磨く必要があると感じています。情報提供のベースである臨床試験結果を正しく理解し、分かりやすい言葉でお伝えできるよう、統計学の知識の向上にも挑戦していきたいです。他にもIT知識等、会社が推奨しているスキルアップ講座なども活用しながら自分の引き出しをもっと広げていきたいと考えています。
責任は重いですが、やりがいも大きいMRという仕事。責任を持って仕事に取り組むことで、責任が誇りに変わります。これからも「もっとも良い薬を患者さまへ」という思いを胸に、信頼されるMRとしての道を歩んでいきたいと思います。
