責任感で成し遂げる。新たな強みを獲得した、開発薬事担当者が目指す道
2024年11月20日公開
塩野義製薬に入社して5年目を迎えるN.N.さんは、薬事部の一員として、コロナ治療薬エンシトレルビルの承認申請対応をはじめ重要な仕事を担ってきました。
今回はN.N.さんに、仕事の魅力や心に残るエピソード、今後のビジョンなどについて話していただきました。
決して諦めない。その先に、さらなる可能性が待っている。
―塩野義製薬での仕事の魅力を教えてください。
塩野義製薬での仕事は、インターンシップのころから惹かれていました。薬学部5年生の時、塩野義製薬で全職種対象のインターンシップが開催され、10日間会社の研修施設で過ごしたのです。
その時の課題は、「塩野義製薬の経営戦略を考える」。まだ学生の私達には難しい課題でしたが、わからないながらに調べて考えて挑戦する。参加するみんなも、真面目で情熱に溢れていました。「塩野義製薬ではそういった人材を求めているのだな」と気づき、「とても良い雰囲気だな。このような姿勢を持った人たちと仕事がしたいな」と思い、入社を決めました。
入社後も、インターンシップで感じたままの環境で仕事ができています。自分の可能性をどんどん広げていける。未知の業務に足を踏み入れることもあるけれど、諦めなければ必ず乗り越えられる。貪欲に学びに行く、その姿勢が評価され、さらに大きな仕事を任せていただけるのもとても嬉しいです。
限られた時間での難題には、チームワークで立ち向かう。
―メディカルライターとして、エンシトレルビルの開発に携わりました。
メディカルライターとは、医薬品の開発に際し、臨床試験の計画書や、有効性や安全性を主張する申請資料など「文書」を作成する仕事です。
私は入社後すぐに臨床開発部のメディカルライティングを担う部門に配属されました。当時は塩野義製薬がエンシトレルビルやワクチン事業を手掛け始めた時期でもありました。
少しでも早く患者さまにお届けするために、「何日の何時何分まで」と非常にタイトなスケジュールで常にプレッシャーにさらされながら、関連する他の部門の方々のことも考えて進めなければなりません。
そんな厳しい状況下での救いは、チームの絆が強まったことでした。お互いの強みを出し合って、次々と課題を解決していく。結果、お互いの人となりまでわかるほどのチームワークが育ちました。
エンシトレルビルの緊急承認。激動の4か月を振り返る。
―エンシトレルビルの継続審議を経て、4か月後に緊急承認を迎えました。
2022年11月、Youtubeで配信された緊急承認を認める判断は、私にとって忘れられない瞬間です。
まず同年7月に行われた緊急承認の是非を判断する会議では、残念ながら継続審議となりました。私はメディカルライターとして、チーム一丸となって「次こそは!」「次はどうやって承認を実現させるか?」と考えていました。
「わずか一語のニュアンスで、文章全体やプロジェクトの進退に影響を与えてしまう」、メディカルライターは文章で、開発薬事担当者は担当者との電話口でのやり取りを通して、規制当局との交渉の難しさを感じました。
規制当局にも塩野義製薬にも、お互いの意見がある。どのような表現や文章で正しくデータを伝えるのか。緊急承認は何としてでも実現させたい。私もチームもその思いを掲げ、文章の練り直しや規制当局との交渉に尽力しました。
承認されるか、されないか。直前までドキドキしながら聞いたニュースは、私のキャリアで最も印象深く、心に残るエピソードになりました。「こんなに長い道のりをみんなで通ってきたのだな」「エンシトレルビルを社会に届けられて良かった」と、しみじみと感じました。
責任感を保ちつつ、「みんなで良い仕事をしよう」というスタンスに。
―N.N.さんの強みとは?
責任感です。
現在は薬事部に異動し、開発薬事担当者の業務を担っています。開発薬事とは、各国の薬事規制を把握し、医薬品の開発計画や薬事戦略を立案、規制当局との交渉を行う際は窓口の役割も担います。薬事という仕事柄、専門外や未経験の問題など、現状の自分の知識や能力を越えた仕事を任されることがあります。それでも、何事に対しても自分事として捉え、責任を全うする。知らない部分であっても、表面だけを理解するのではなく、背景や経緯まで抜かりなく把握する。仕事を滞りなく進めるためにも、チームの円滑運営のためにも、それはいつも意識しています。
ただ、一人で抱えきれないような問題に対峙する時もあります。そういう時は、必要に応じて専門の知識や見解を持つ人に相談するようにしています。また、円滑にプロジェクトを進めるためには、周りの方の意見も尊重して物事を進めることが大切です。自分の方向性を共有し、相手と調整する大切さも学びました。
元々私は、仕事に対しては「責任感を持ち、自分で推し進めたい」というところがありましたが、「チームとして良い方向に進めるならどうしたらいいか?」と考えられるようになったと思います。それこそ、塩野義製薬での仕事で培った強みです。
「将来の自分」に向け、日々成長。
―今後のビジョンについて教えてください。
今までを振り返ると、まずはメディカルライターとして、薬事部に異動してからは開発薬事担当者としてエンシトレルビルの臨床入りから緊急承認、通常承認まで見届けた形になります。
今後は、開発薬事担当者としてエンシトレルビルをグローバルで開発し、承認取得を実現させたいです。私自身も海外のメンバーと信頼関係を築き、一丸となってこの目標を達成したいです。言語や海外の事情など、日本とは異なる難しさもありますが、将来的にはグローバルを率いていける薬事担当者になりたいです。
目標に近づくため、自己研鑽として英語学習に励んでいます。特に英語圏で仕事を進めるなら、ビジネスパーソンとしての英語力が不可欠です。3か月間の海外勤務の経験からその大切さがわかったこともあり、現在では英語を課題として努力しています。
将来的には、プロジェクトリーダーやマネージャーとして、チームを導く存在にもなりたいです。プロジェクトリーダーと共に働く経験を経て、「今後はさらに幅広い人間関係を作って、周囲を動かす人が求められるだろうな」と感じています。人によってチームの動かし方が異なるので、「こういうやり方があるんだな」「私ならどうするだろう?」と、考えながら行動しています。
今はまだ、私は成長の段階。素晴らしいリーダーやマネージャーの方の観点や仕事のやり方を吸収し、自分自身の成長に活かすべく仕事に邁進しています。