挑戦を楽しめ。薬事の世界最前線を目指す、若きチャレンジャー
塩野義製薬の医薬開発本部薬事部で活躍するM・Mさん。入社5年目にして、ワクチン開発の調査対応をリードし、業界に先駆けて新制度を活用した承認申請を成功させるなど、次々と新しい挑戦を成し遂げています。
CMC薬事のグローバルリーダーを目指すM・Mさんの軌跡から、塩野義製薬で働く魅力と、薬事の仕事のやりがいに迫ります。

薬事。こんな面白い仕事があったのか
ー薬事の仕事の魅力を教えてください。
大学時代は医学系研究科で学んでおり、多くの患者さんに貢献できる道を探していました。そんな時に出会ったのが薬事という仕事です。薬事は、新しい医薬品を世に送り出すための重要な役割を担っています。
薬事の業務の中でも、私はCMC薬事の業務を担当しています。開発された医薬品の品質が確保されていることを申請資料にまとめ、規制当局から承認を得るまでの道筋を作る、そして、承認を得て上市した後も医薬品の品質を確保しながら安定供給するために必要な薬事判断や手続きを行う、それがCMC薬事の仕事。
「こんな面白い仕事があったのか!」と、すぐに魅了されました。
夢中になった背景には、塩野義製薬の年齢や経歴に縛られることなく、自身のスキルややる気次第で挑戦できる社風の影響もあります。入社1年目から、ワクチンや低分子の開発品の薬事戦略の立案及び実行や、既存薬の承認を受けた後に承認事項の一部を変更しようとする際に必要な「一部変更承認申請」という大きな仕事を任せてもらえました。
新卒の1年目から開発早期から上市後まで様々な製品ライフサイクルのステージに関わり、一部変更承認申請では規制当局と交渉する役割を担いました。上司や先輩方は「やってみたい」という私の意欲を尊重し、わたしだけの力で解決できない問題に対応する際には全面的にサポートしてくれました。
チームの助けを借りながら、一つひとつ課題をクリアしていき、ワクチンの製造販売承認を得たときや、携わった医薬品の一部変更が承認され、実際に患者さまの元に医薬品を届けられたときには、非常に達成感がありました。
医薬品開発最前線、世界へ飛び出す!
ーグローバルな環境での仕事もあるのだとか。

ワクチンのGMP(医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準)調査では、海外の試験施設と協力して対応を進めました。GMPとは、簡単に言うと、「適切な品質の医薬品を作るためのルール」のことです。私の仕事は、このルールに沿ってワクチンが正しく製造されていることを規制当局に示すことでした。
社内選抜での英語研修プログラムを受講して英語でのコミュニケーション能力向上に取り組んでいたことに加え、わからないことは周りに相談して協力を得ながら、最終的にGMP適合の結果を得られたときには、本当にほっとしました。
CMC薬事では欧米だけではなくアジアも含めた海外グループ会社や国内外の製造所と連携し、日本だけでなく、グローバルの開発・申請において重要な役割を担います。文化も言語も異なる海外のチームと、円滑にコミュニケーションを取り、対応を進めていくためには、専門用語に加え、海外の規制についての幅広い知識も求められます。
前例がない?「だからこそやってみよう!」
ー新たな取り組みにもチャレンジしました。

PACMP(Post-Approval Change Management Protocol)を用いた承認事項の変更手続きで、簡単に言うと、承認を受けた後に承認された事項の一部を変更する際の新しい申請方法です。従来の申請より早く承認が得られる可能性がある一方で、申請当時はまだ開始したばかりの制度であったため、国内での前例はほとんどありませんでした。
きっかけは、ある既存薬の製造方法を変更する必要が生じたことでした。通常の申請方法では時間がかかりすぎる、しかし早く対応しなければならない。そんなジレンマの中で、上司や同僚と議論を重ね、新たな制度の活用にチャレンジすることにしました。塩野義製薬の良いところは、挑戦的な取り組みを歓迎してくれること。「新しいことにチャレンジしよう」という風潮が根付いているんです。
結果として、PACMPを用いた承認事項の変更手続きは成功し、通常の申請方法で想定されるタイミングよりも早く製造方法の変更が承認されました。この成果は後に学会でも発表し、業界にも新たな知見として共有することができました。
世界を見据える薬事のプロフェッショナルに
ーこれからのビジョンを教えてください。

入社して5年、多くの挑戦を経験し、成長させてもらいました。次の目標は、グローバルでCMC薬事リーダーになること。世界中の患者さんに革新的な医薬品をより早く届けるため、国際的な舞台で薬事戦略をリードしていきたいです。
いまや、医薬品開発は世界規模で行われています。日本はもとより、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど、各国の規制を理解し、それぞれの国に合わせた戦略を立てることで、医薬品をより迅速により適切に世界中の患者さまにお届けしたいです。
国際的な舞台で薬事戦略をリードするには、まだまだ学ぶことがたくさんあります。そこで私が注目したのが、塩野義製薬のダブルジョブ制度。現在の薬事部の仕事に加えて、薬の原料をどう作るか、どうやって製剤化するか、その品質をどう評価するかといったことを研究開発するCMC(Chemistry, Manufacturing and Control)研究の仕事にも携わる予定です。医薬品の研究現場を知ることで、薬事的な観点だけでなく、技術的な観点も踏まえた戦略が立てられるようになりたいです。
私の夢は、世界中の人々の健康に貢献すること。薬事のプロフェッショナルとして、新しい医薬品を一日でも早く患者さんのもとへ届けるため、これからも挑戦し続けます。

■ 薬事ってどんな仕事?
薬事とは、規制当局との重要な橋渡し役です。医薬品の研究・開発から販売までの製品ライフサイクルを通じて、薬事戦略策定をリードし、グローバルでの医薬品の早期申請・承認並びに製品の価値最大化に貢献します。
■ ダブルジョブ制度とは?
人材育成を目的に、期間や労働時間を定めて所属組織外での兼務を可能とする制度です。