はじめに

SHIONOGIグループ(塩野義製薬株式会社及び関係会社、以下SHIONOGI)は、「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」、とのSHIONOGI Group Heritage(SHIONOGIの基本方針)を1957年に制定しました。

 

SHIONOGIは、責任ある成長企業としてコンプライアンス遵守の徹底が責務であると自負しており、全ての役員及び従業員への規範意識の向上を通じて、コンプライアンス遵守の維持向上に努めています。法令遵守はもとより、SHIONOGIの行動が与える社会的、倫理的な影響も考慮しています。

 

コンプライアンスに対する取り組みとして、SHIONOGIは、以下の税務ポリシーをグローバルに制定します。本ポリシー及びポリシーを遵守した税務業務に関する実施・維持については、取締役会を経て任命された経理財務担当執行役員が取締役会・監査役会に対する説明責任を担っています。

1. 税務ガバナンス

・ガバナンス体制

SHIONOGIの企業活動がグローバルに拡大するに伴い、企業経営における税務上の課題はより重要性を増しています。SHIONOGIの税務ガバナンスは、塩野義製薬株式会社の経理財務担当執行役員の責任の下、経理財務責任者及び税務担当部門が実施しています。経理財務責任者は、税務上の課題を適切に対処できる体制を構築するとともに、各国、地域ならびに国際的な税務に関する報告・管理を直接、または税務担当部門を介して間接的に共有できる連携体制を構築・維持しています。

 

・税務コンプライアンス

国際的な税務環境が変化し続ける中、SHIONOGIは、法の精神及び立法趣旨をも理解した上で、税に関わるあらゆる法令及び規定の遵守に努め、適切な税務コンプライアンスに基づいた納税によって社会発展に貢献し続けていきます。

 

・税務リスク

SHIONOGIでは、塩野義製薬株式会社の税務担当部門がグループ全体の税務課題の把握に努め、税務リスクを適切に管理しています。税務リスクに対しては、必要に応じて各国、地域の税務担当部門及び外部の税務専門家と連携しながら、適切な対処に努めます。重大な税務リスクが生じた場合には、必要に応じて、経理財務担当執行役員、代表取締役社長、取締役会に適時報告を行います。急速に変化する国際税務環境において、予期せぬ税コストの負担や税務当局との論争といった税務上の懸念を最小限に抑えるため、税務上の課題や税制改正の動向について定期的に情報を収集し、管理します。ビジネス上の課題については税務上の取扱いを含めて定期的に確認し、税務上対応すべき不確実性のある分野を特定します。

2. 事業活動

SHIONOGIは、世界中の人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供することを目的に、研究開発、製造、マーケティング活動に従事しています。これらの事業活動及び目的がSHIONOGIの税務ポジションに適切に反映されるよう、また効果的な税務管理が行われるよう、適宜、有効な税務上の対策を策定します。

 

税務担当部門は、税務上の対策を実行する上で事業活動と密接に関わり、税務コンプライアンス遵守の徹底に努めます。SHIONOGIは企業の社会的責任を認識し、事業を展開するすべての国と拠点地域での適切な納税を遵守することを徹底し、恣意的な税務戦略は一切採用せず、各地域で適切に税務管理に取り組みます。また、優遇税制や補助金などを適切に活用することにより、企業の成長と持続可能な社会への貢献の両立に努めます。

3. 国際的な課税関係に関する取り組み

SHIONOGIは、税の透明性確保や国際的な租税回避を防止するために重要な取り組みであるOECDによるBEPS(Base Erosion and Profit Shifting:税源侵食と利益移転)プロジェクトを支持し、事業展開国で適切な納税を行います。特にBEPS2.0の第2の柱のうちグローバルミニマム課税の趣旨を理解し、本取り組みを支持します。

 

・移転価格

SHIONOGIは、多国籍企業グループとして各国法人の貢献に応じて国際取引から生じた所得を適正に配分することに努めます。また、現行のOECDガイドラインに従って移転価格を決定することにより、各国における税務コンプライアンスの遵守に努め、低税率国への利益の移転を目的とした恣意的な移転価格の設定は行いません。

 

更に、移転価格文書が要求される各地域において当該文書を適切に管理するとともに、複数の拠点にわたる非常に複雑な取引において生ずる移転価格の課題に対応するため、必要に応じて税務当局とのAPA(事前確認)の利用により税務当局間の事前合意を取得します。

 

・タックスヘイブン

SHIONOGIは、事業の目的や実体が伴わない事業体によるタックスヘイブンの利用など租税回避を意図したタックスプランニングを行いません。

なお、事業遂行上必要により、軽課税国へ投資をする場合や事業展開国の法令改正により税率の引き下げが実施された場合には、法令等の定めるところによりタックスヘイブン対策税制の適用有無を判定し、その結果、タックスヘイブン対策税制の対象となる場合には適切に申告納税を行います。

4.税務当局との関係性

SHIONOGIは、税務上の課題に対して誠意を持って取り組み、事業展開国の税務当局に対して透明性と信頼性を確保するよう努めます。

 

また、税務ポリシーを公表し遵守すること、及び各地域の法規制や国別報告書(「CbCR」)といった各地域及び国際的に求められる透明性の基準に従うことにより、透明性を確保することに努めます。

 

更に、税務上の不確実性がある場合、必要に応じて税務当局に事前照会を実施し、その透明性を確保します。

 

 

 

2018年3月19日制定

2023年3月20日改定

 

  • 本ポリシーは、上記制定日および改定日に取締役会によって承認され、SHIONOGIグループ全体で運用されています。