シオノギは、研究開発への必要な投資を行い、強みである低分子創薬を軸にしながら、新たに特殊ペプチド創薬に取り組むとともに、IT産業を含む多様なパートナーとの連携を深めて新たなモダリティの拡充や新技術の獲得を進めることで、イノベーションと医療経済性を兼ね備えた新薬を創出し続けます。

Legacy

COVID-19は、私たちの創薬のあり方に大きな変革をもたらしました。

従来の低分子創薬の常識、「薬になる確率は数万分の一、テーマ立ち上げから開発候補品までで5年、薬になるまでは10年はかかる」、では、今まさに起きているパンデミックにはとても間に合いません。新型コロナウイルスのプロテアーゼをターゲットとした治療薬創製においては、私たちが蓄積してきた研究ノウハウとリソースを総動員しました。リード化合物取得後は研究本部を挙げて1日、1時間を詰めて取り組み、テーマ立ち上げから約9カ月で開発候補品を創出、13カ月での臨床入りという、従来は考えられなかった創薬スピードを実現できました。感染症のシオノギとして、世界に必ず薬を届ける。我々の存在意義をかけた戦いとも言える、まさに総力戦でした。その背景には「我々がパンデミックを終息させる」という一人ひとりの高い志と、常識の打破を可能にしたスクリーニング創薬、Structure-Based Drug Design技術など、シオノギ流低分子創薬ノウハウの積み重ねがありました。

チーム連携による創薬研究サイクル

New Modality

シオノギは、ペプチド創薬開発プラットフォームシステム「PDPS」*を起点に、これまで構築してきたペプチド創薬における技術・ノウハウを、COVID-19に対する創薬研究に駆使することで開発候補化合物の創製に成功しています。

新型コロナウイルスのスパイクタンパク質に結合するペプチド分子のスクリーニングを起点に、最初に見出した有望化合物は、当時世界中で流行し、社会を大混乱に陥れていたα株には効果を示すものの、新たに出現したβ株およびγ株には効き目が弱くなることから開発を断念した経緯があります。

良い化合物が手元にあっても、そのままでは医薬品として社会に届けられない悔しさをバネに、「どんな変異株にも効く特効薬」を合言葉にゼロから探索をやり直し、わずか2か月で、δ株をはじめとする流行株に対する強力なin vitro活性、動物モデルにおける優れたin vivo薬効を示す化合物を創りました。

優れた臨床有用性を示す可能性がある本化合物を、治療薬として一日も早く社会に提供できるよう、今もチーム一丸となって製品化開発に取り組んでいます。

PDPS
* Peptide Discovery Platform System:多種多様な特殊環状ペプチドを一度に発生させ、医薬品候補物質を効率的にスクリーニングする革新的創薬技術