SHIONOGIでは以下の3つの研究領域に注力し、新薬を創出し続けます。

[感染症][疼痛・神経][フロンティア]

SHIONOGIは、研究領域として、感染症、精神・神経系疾患に注力しています。さらに、がんやワクチンなど新たな成長につながる領域にも取り組んでいます。医療や社会ニーズに応えるため、コアとなる画期的な治療薬をひとつのエレメントとして、診断、予防なども含めた疾患全体のトータルケアを目指します。そのために、SHIONOGIが強みとする低分子治療薬だけでなく、デジタル医療などの新たな治療手段や診断および予防に役立つ技術の獲得にも取り組んでいます。



感染症

感染症のトータルケア

[三大感染症への取り組み]HIV、結核、マラリア

感染症のSHIONOGIは自社の目指すべき重要課題(マテリアリティ)の一つとして「感染症の脅威からの解放」を掲げて創薬研究開発を進めています。急性呼吸器感染症、慢性重症感染症を含め、ニーズに応えるトータルケア実現のため日々研究を進めています。

一つは近年のCOVID-19への対応や、将来起こる可能性のあるパンデミックに対する研究をさらに進め、今後の感染症対策の一助となる研究を進めています。これらの感染症は重症化すると命に係わること、人から人への急速な広がりが社会や経済活動へ甚大な影響を与えることから、早急な対策が望まれています。さらには既存の治療薬では治癒が難しい感染症、いつ発生するか予測が難しい新興感染症も大きな社会・医療ニーズとなっています。特に、HIV、結核、マラリアの三大感染症はグローバルヘルスの観点で非常に大きな脅威・課題となっており、SDGsの観点からも一刻も早い克服が望まれています。

SHIONOGIでは、このような感染症の脅威からの解放を実現するため、画期的な新薬創製を推進していくと共に、診断薬を含めた多様なアプローチで感染症のトータルケアにチャレンジしていきます。



精神・神経疾患

精神・神経疾患の困りごとは患者さまごとで様々です。困りごとに応じた医療・サービスを、適切なタイミングで受けられる世界を実現したい。こうした思いを持ってよりよい精神・神経疾患の治療法の研究開発に励んでいます。精神・神経疾患は治療薬開発が極めて困難な領域とされます。そのため、我々は従来の研究・開発法に加えて、客観的指標となるバイオマーカー(イメージングマーカー、分子マーカー)の活用も積極的に進めています。
  • 認知症:患者さまは記憶学習障害を含む中核症状に加え、BPSDと呼ばれる行動・心理症状により、様々な困りごとを抱えています。適切な治療法及び診断法がないことを課題と捉え、我々は、困りごとの解決を目的に、治療および予防に対する画期的なソリューションや診断法の研究開発を推進しています。
  • 発達障がい:発達障がいでみられる多様な特性と、生活環境とのミスマッチは、様々なライフステージで困りごとを生じ、患者さまはもちろん、療育者等を含めたQOLに広く影響しています。我々は、薬物療法に加え、デジタル治療等の非薬物療法も含めた新たな治療選択肢の開発研究に取り組んでいます。
  • 精神疾患:精神疾患に伴う症状の原因や機序は未だにその多くが解明されていません。我々は、精神疾患の症状の背景にある脳内機序を解明し、患者さまの困りごとの原因となる症状に応じた最適な治療薬や治療法の研究開発に取り組んでいます。
  • 疼痛:痛みは、患者さまの身体的苦痛のみならず、QOLの著しい低下やプレゼンティーズムにも強く関連することが示唆されています。我々は、副作用の懸念のない、強い鎮痛効果を持つ疼痛治療薬の創製と共に、鎮痛薬の適正使用につながる情報提供と診断法の研究開発を推進し、患者さまや医療従事者の皆様に貢献できるよう研究に取り組んでいます。


新たな成長領域

  • がん:がんは多くの国で死亡原因の上位を占め、生命および健康にとって重大な問題となっております。また、患者さまご本人に留まらず、ご家族や知り合いにも、長期に渡って不安を与え、長期治療に伴って就労の問題を引き起こすこともあります。近年、免疫チェックポイント阻害剤の登場により、がん治療体系は大きく変化し、腫瘍に対する免疫反応が持つ潜在能力が注目されています。我々は、作用機序の異なる多様かつユニークな腫瘍免疫アセットを構築することで個々の患者さまに適したより有効なソリューションの提供に取り組んでいます。
  • ワクチン:COVID-19の流行が長期化する中、有効で安全性の高い国産ワクチンの早期提供が望まれています。我々は遺伝子組換えタンパクワクチンという技術を用い、安全で安心なワクチンを一刻も早く提供できるよう、全力で研究を進めています。また、粘膜免疫の誘導による感染予防可能な経鼻ワクチンの創製、ユニバーサル抗原設計技術の構築による新たなパンデミックへの対応などにも取り組んでおり、感染症の脅威から皆様を解放するワクチンの創製に様々な観点からチャレンジして参ります。
  • 上記以外の新たな領域:超高齢社会となり、健康寿命延伸が大きな社会課題になっています。健康維持やQuality of Lifeに影響を与え、根治療法のない疾患は患者さまだけでなく、そのご家族の社会活動低下につながります。特に加齢に伴う困りごとに着目し、将来必要とされるソリューションを正しく患者さまにお届けできるように、感染症トータルケアを目指した呼吸器における宿主応答制御の研究や新たなイノベーション研究として、CBF(communication barrier free)活動にも繋がる難聴などの基礎研究に取り組んでいます。