研究開発ビジョン・戦略

SHIONOGIは、企業が社会とともに持続的に成長し続けるためには、社会課題の解決に貢献できるイノベーションの継続的な創出が不可欠であると考えています。研究開発への必要な投資を行い、強みである低分子創薬を軸にしながら、IT産業を含む多様なパートナーとの連携を深めて新たなモダリティの拡充や新技術の獲得を進めることで、新薬を創出し続けます。また、社会や顧客のニーズに向き合い、ヘルスケア領域において新たな価値を提供できるよう、引き続き研究開発を中心としたイノベーションに対するこだわりを大切にしていきます。
患者様への想い
研究テーマを決定する際「SHIONOGIは、常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」ことを考えています。治療薬の無い疾患や治療満足度の低い疾患に対する治療薬を中心に、多くの患者様が必要としている薬を創出し届けることを目指して研究活動を行っています。

R&D VisionとR&D戦略
「新たなプラットフォームでヘルスケアの未来を創り出す」 SHIONOGIグループが2030年に成し遂げたいことです。これを達成するため、「既成概念に捉われず、社会における重要なヘルスケアニーズに応え、医療用医薬品にとどまらないイノベーションを創出する」というVisionを研究開発は設定し、日々活動しています。これまで我々は、過去の経験を源泉として革新的な医薬品を創出し、皆様に貢献して参りました。コロナ禍という人類の危機の中、治療薬の創出という得難い経験をした我々だからこそできる、人々が切望するソリューションを、イノベーションの創出とさらなる全社ケイパビリティーの活用により、実現していきます。

R&D戦略実現のアプローチ - 組織変革 -
皆様に求められるヘルスケアソリューションを提供するには、「質」と「スピード」を兼ね備えた意思決定、優先順位に基づく迅速なリソース展開、組織や機能を超えたシームレスな連携が不可欠です。これらを達成するために、新たな研究開発体制であるR&D管掌を設置しました。
さらに、探索研究を担っていた医薬研究本部と、製品設計とプロセス開発を担っていたCMC研究本部を統合し、低分子創薬の中心を担う研究本部と、ワクチン含むバイオ医薬品創製の中心を担うバイオ医薬研究本部に再編しました。
R&D管掌には研究系の本部だけでなく、医薬開発本部、事業開発部、投資戦略部が設置され、外部とのコンタクト、ネットワーク構築、開発品導入、共同研究等がこれまで以上に活発に取り組むことができる体制となっています。

モダリティの強化・拡大
SHIONOGIには長い低分子創薬の歴史があります。低分子ではアプローチできない病気に対しては、ペプチドやワクチンといった新たなモダリティを用いてソリューションの提供を行っていきます。多様なアンメットメディカルニーズを満たすにはこれらのモダリティーだけでは十分ではない為、抗体、核酸、新しいドラックデリバリーテクノロジー、デジタルアプローチなど、様々な能力を社内そして外部とのネットワークを活用して強化し活用していきます。

自社創薬へのこだわり
製薬会社の中には、製品が足りなくなれば他社から購入して世界に直接届ける形態を取る会社もあります。SHIONOGIはそれとは一線を画し、「自社で創薬し承認された製品を患者さまにお届けして役に立つことが仕事であり、それが私たちの存在意義」だと考えて、自社創薬にこだわりを持っています。一般的な製薬会社の自社創薬比率が2~3割と言われている中で、SHIONOGIは50~70%程度を理想と考え創薬に取り組んでいます。2022年3月末日時点の自社創薬比率は73%であり、この比率の高さは自社の創薬力の高さを示すものと自負しています。
