2020/05/21

長期作用型注射剤カボテグラビルの良好なHIV感染予防効果に関するViiV社の発表について
- 2か月毎投与により、対照となる1日1回投与の経口薬を上回る予防効果を確認 -

塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」または「当社」)は、当社がGlaxoSmithKline plc.およびPfizer Inc.とともに資本参加しているViiV Healthcare Ltd.(本社:英国ロンドン、Chief Executive Officer:Deborah Waterhouse、以下「ViiV社」)が、長期作用型注射剤カボテグラビルのHIV感染予防効果を検証する第IIb/III相臨床試験(HPTN 083試験)の中間解析において、本剤の良好な予防効果を確認したことを発表しましたので、お知らせいたします。

本試験は、HIV感染リスクが高い、男性と性交渉を行う男性またはトランスジェンダーの女性を対象に、長期作用型注射剤カボテグラビルの2か月毎投与時のHIV感染予防効果を、既存の予防薬であるエムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(FTC/TDF)の1日1回経口投与時と比較しました。中間解析の結果、カボテグラビルは対照薬に対し非劣性を示しただけでなく、対照薬よりも優れた予防効果を示しました。主要評価項目である試験中にHIVに感染した被験者の割合は、カボテグラビル群の0.38%(95%信頼区間:0.20-0.66%)に対し、対照薬のFTC/TDF群では1.21%(95%信頼区間:0.86-1.66%)であり、カボテグラビル群は対照薬群に対し感染リスクを69%(95%信頼区間:41-84%)軽減するという高い予防効果を示しました。本中間解析の良好な結果を受けて、データを評価したデータ安全性モニタリング委員会(DSMB)は早期終了を勧告しました。

ViiV社は今後、本試験で得られたデータの詳細を関連学会にて発表するとともに、当局への承認申請に使用する予定です。長期持続型注射剤カボテグラビルによるHIV感染予防については、HIV感染リスクの高い女性を対象にした第III相臨床試験(HPTN 084試験)も現在実施中です。

塩野義製薬はViiV社の株主として、世界中の皆さまにより良いHIV感染症の治療および予防の選択肢が提供されることを期待するとともに、今後も同社の経営に参画することで、HIV感染症治療・予防におけるドルテグラビルおよびカボテグラビルの価値最大化に貢献してまいります。
なお、本件が2021年3月期の業績に与える影響は軽微です。
以 上
ご参考:ViiV社リリース