2021/10/01

1日1回投与2剤配合錠Dovato
(ドルテグラビルおよびラミブジン)の TANGO試験144週時点の結果に関するViiV社の発表について
-Dovatoへの切り替えを後押しする長期の良好な有効性と安全性を確認-

塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」)は、塩野義製薬がGlaxoSmithKline plc.およびPfizer Inc.とともに資本参加しているViiV Healthcare Ltd.(以下「ViiV社」)が、2021年9月29日~10月3日に開催されている米国感染症学会週間(Infectious Disease Week 2021)にて、1日1回投与の2剤配合錠Dovato(ドルテグラビルおよびラミブジン)のTANGO試験について、144週時点における良好な結果を発表したことをお知らせいたします。 

 

TANGO試験は、テノホビル・アラフェナミド・フマル酸塩(TAF)を含む3剤以上の治療レジメン((TAF)-based regimen:TBR)で6ヵ月以上のウイルス抑制が確認されている成人HIV-1感染患者を対象に、TAFを含む3剤レジメンを継続する場合を対照群として、Dovatoへ切り替えた場合の安全性および有効性を比較検討する第III相臨床試験です。 

本試験におけるウイルス学的失敗例の割合は、Dovatoの2剤レジメン群で0%(0名/369名)、TBR群で1%未満(3名/372名)であり、両群ともに治療による薬剤への耐性は認められませんでした。また、144週時点でウイルス抑制を維持できなかった患者(血漿中HIV-1 RNA量:≧50 コピー/mL)の割合は、Dovatoの2剤レジメン群で0.3%(1名/369名)、TBR群で1.3%(5名/372名)であり、Dovatoの2剤レジメン群はTBR群に対し非劣性を示しました。ウイルス抑制を維持した患者(血漿中HIV-1 RNA量:<50 コピー/mL)の割合は、Dovatoの2剤レジメン群で85.9%(317名/369名)、TBR群で81.7%(304名/372名)であり、Dovatoの2剤レジメン群はTBR群に対し非劣性を示しました。 

安全性については、全体的な有害事象の発生率は両群で同程度の結果でした。 

 

塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、HIV感染症をはじめとする三大感染症への取り組みを推進しております。当社は今後もViiV社の経営に参画することで、HIV感染症治療や予防におけるドルテグラビルおよびカボテグラビルに加えS-365598の価値最大化に貢献してまいります。 

 

なお、本件が2022年3月期の業績に与える影響は軽微です。 

以 上 

【ご参考】 

Dovato (ドルテグラビルおよびラミブジン)について 

Dovatoは、抗レトロウイルス治療歴がないまたは、抗レトロウイルス療法によりウイルス抑制が維持され、ドルテグラビル(DTG)およびラミブジン(3TC)のいずれに対する薬剤耐性も認められないHIV-1成人感染患者の治療を適応として承認されています。Dovatoは、DTG 50mgと3TC 300mgの1日1回投与の2剤レジメン配合剤です。 

Dovatoは、2剤でDTGベースの3剤レジメンと同様、2つの異なる部位でウイルスサイクルを阻害します。DTGのようなインテグラーゼ阻害剤は、ウイルスDNAがヒト免疫細胞(T細胞)の遺伝物質に組込みを阻害することにより、HIV複製を阻害します。このステップは、HIV複製サイクルにおいて必須であり、慢性感染の確立に関与します。3TCは、ウイルスRNAのDNAへの変換を阻害し、ウイルスの増殖を停止させる核酸系逆転写酵素阻害剤です。 

 

TANGO試験について 

TANGO試験は、テノホビル・アラフェナミド・フマル酸塩(TAF)を含む3剤以上の治療レジメン((TAF)-based regimen:TBR)で6ヵ月以上のウイルス抑制が確認されている成人HIV-1感染患者を対象に、TAFを含む3剤レジメンを継続する場合を対照群として、Dovatoへ切り替えた場合の安全性および有効性を比較検討する第III相臨床試験です。本試験の主要評価項目は、48週時点のウイルス抑制を維持できなかった(血漿中HIV-1 RNA量:≧ 50 コピー/mL)患者の割合です。 

試験デザインの詳細は、ClinicalTrials.govからNCT03446573を検索しご覧下さい。