塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役会長兼社長CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」)とUBE株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:泉原 雅人、以下「UBE」)は、新規抗respiratory syncytial(RS)ウイルス薬候補(開発番号:S-337395、以下、「本剤」)について、米国食品医薬品局(FDA)よりファストトラック指定(Fast Track designation)を受領したことを、お知らせいたします。
FDAのファストトラック指定は、重篤な疾患に対する新たな治療法やアンメット・メディカル・ニーズを満たす可能性のある薬剤等の開発を促進し、迅速に審査することを目的に制定された制度です。RSウイルスによる呼吸器感染症は、2歳までにほとんどの子どもが一度は感染し、生涯にわたって再感染を繰り返す疾患です。特に新生児、乳児、高齢者では、下気道に炎症を引き起こし、重篤な呼吸器症状を伴うことが多いため、早期治療が非常に重要とされています。しかし、現時点ではRSウイルスに対する効果的な抗ウイルス薬は存在せず、この分野には依然として大きなアンメット・メディカル・ニーズが存在しています。
本剤は塩野義製薬とUBEとの共同研究にて見出された、経口の新規抗RSウイルス薬候補であり1,2、RSウイルスの複製に必須なタンパク質を標的とし、ウイルスの増殖を阻害することで効果を発揮します。肺内での用量依存的なRSウイルス減少効果が非臨床試験で確認されており、現在、本剤の有効性と安全性の検討を目的にPhase 2試験を実施中です。このたびのファストトラック指定により、FDAとの協議をより頻繁に行い、申請資料を段階的に提出することで、開発および審査のプロセスが加速することが期待されます。
両社は引き続き、それぞれの強みを活かして本剤の開発を促進し、一日も早く患者さまにお届けできるよう努めてまいります。
以 上
■塩野義製薬株式会社について
塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、その実現に向けて、治療薬の研究・開発だけにとどまらず、啓発・予防・診断ならびに重症化抑制といった感染症のトータルケアの実現に向けた取り組みを進めております。https://www.shionogi.com/jp/ja/
■UBE株式会社について
UBEの医薬事業は、スペシャリティ化学を志向するUBEグループにおいて、ライフサイエンス分野の中核事業となるべく、創薬研究事業においては従来の低分子医薬品の他、A D C(抗体薬物複合体)などの高付加価値創薬に挑戦しております。また、CDMO事業では既存の低分子医薬品分野を拡充すると共に、核酸医薬品等の新規モダリティの製造技術獲得などを通じて、人々の生命・健康を守る手段を提供してまいります。https://www.ube.com
[参考]
新規抗 RS ウイルス薬創製を目指した共同研究契約締結について
塩野義製薬とUBE(旧社名:宇部興産)による新規抗RSウイルス薬候補S-337395に関する 共同開発契約締結について
■本件に関するお問い合わせ先
塩野義製薬株式会社 お問合せフォーム:https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.
UBE株式会社 お問合せフォーム:https://www.ube.com/ube/contact/