2025/10/22

カボテグラビル注射剤のCLARITY試験に関するViiV社の発表について

・90%の参加者と86%の医療従事者がCAB-LAを好んだ

・「完全にまたは非常に許容できる」と回答した参加者は、CAB-LAが69%、LENは48%であった

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役会長兼社長CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」または「当社」)は、GlaxoSmithKline plc.および Pfizer Inc.とともに当社が資本参加している ViiV Healthcare Ltd.(以下「ViiV社」)が、カボテグラビル注射剤(以下「CAB-LA」)およびレナカパビル注射剤(以下「LEN」)の単回投与後の受容性と忍容性を比較したCLARITY試験の結果を、第20回欧州エイズ会議(EACS)にて発表しましたので、お知らせいたします。

 

 CLARITY試験は、HIV陰性の成人を対象にCAB-LAとLENを直接比較した第1相臨床試験(オープンラベル、クロスオーバー試験)です。本試験では、HIV陰性の参加者63名が、1日目にCAB-LAまたはLENのどちらか一方の薬剤を、15日目には、1日目に投与した薬剤と別の薬剤を投与されました。CAB-LAは筋肉注射を単回投与、LENは皮下注射を2回投与されました。主要評価項目は、各薬剤の投与から7日後に評価された注射部位反応の受容性でした。CAB-LAは69%(42/61)の参加者に「完全にまたは非常に許容できる」と評価され、LENは48%(29/60)でした。さらに、各薬剤の単回投与後、HIV陰性の成人の90%、医療従事者の86%がCAB-LAを好むと回答しました。これらの結果は、長期作用型注射剤を用いたHIV治療や予防において、患者と医療従事者が十分な情報をもとに最適な選択を行うための重要な指針となることが期待されます。

 

 参加者のうちCAB-LAを選好した理由(n=54)は、注射時の痛みが少ない(n=40)、注射後の痛みや違和感が少ない(n=33)、腫れや硬結の持続時間が短い(n=31)、腫れや硬結のサイズが小さい(n=30)などでした。LENを選好した参加者(n=6)の理由は、注射後の痛みや違和感が少ない(n=5)、腫れや硬結の持続時間が短い(n=3)、サイズが小さい(n=3)、副作用が少ない(n=3)などでした。CAB-LAを選好した医療従事者(n=6)の選考理由は、副作用の報告数が少ない(n=5)、副作用の重症度が低い(n=4)、注射時の痛みの少なさ(n=4)などでした。LENを選好した医療従事者(n=1)の選考理由は、注射準備の容易さでした。注射部位反応(ISR)に関しては、その頻度および視認性において、LENでは538件、CAB-LAでは123件のISRが報告されました。視認可能なISRは、LENで221件、CAB-LAで36件でした。

 

 塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)の一つとして「感染症の脅威からの解放」を特定し、HIV感染症をはじめとする三大感染症への取り組みを推進しております。今後も、60年以上におよぶ感染症領域における研究・開発で培ったノウハウを活用し、ViiV社と連携して事業を推進することで、HIV感染症治療と予防の両面でグローバルヘルスへの貢献を果たしてまいります。

 

以 上

 

 

参考:

Apretude(カボテグラビル)について

Apretudeは、HIV-1感染予防のための2か月に1回投与の注射製剤です。HIV陰性で、感染リスクが高い成人および12歳以上の青少年に対するHIV感染予防を適応として、承認されています。

カボテグラビルはインテグラーゼ阻害剤であり、HIVのDNAがヒト免疫細胞(T細胞)の遺伝物質に組み込まれるのを阻害することによって、HIVの複製を阻害します。このステップは、HIV複製サイクルにおいて必須であり、慢性感染の確立に関与します。Apretudeは、効果が長期間持続するため、患者が頻繁に薬を服用する必要がなく、QOL(生活の質)の向上に寄与します。臨床試験において、Apretudeは他の予防薬と比較して優れた有効性1を示し、多くの参加者がApretudeを好むと報告しています2-3

 

1.       プレスリリース: 2025年3月14日

2.       プレスリリース: 2021年12月21日

3.       プレスリリース: 2024年7月25日

 

 

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https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.