2026/06/19

抗新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)薬ゾコーバⓇの国内における小児用法・用量の追加承認について

塩野義製薬株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役会長兼社長CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」)は、抗SARS-CoV-2薬 ゾコーバ®(一般名:エンシトレルビル フマル酸、以下「ゾコーバ」)について、国内における6歳以上12歳未満かつ体重20 kg以上の小児に対する用法・用量が、本日、新たに追加承認されたことをお知らせいたします。これにともない、小型の錠剤(25 mg錠)が新規格として追加承認されました。

 

本承認は、6歳以上12歳未満かつ体重20kg以上のSARS-CoV-2による感染症患者を対象とした国内第3相臨床試験1の結果に基づいています。本試験は、ゾコーバを1日1回、5日間、体重に応じた用量で経口投与した際の、安全性および薬物動態の確認を主要目的に実施され、117例が登録されました。その結果、安全性について、新たな懸念は認められませんでした。また、母集団薬物動態解析(PPK 解析)により、本試験におけるゾコーバの小児の血中濃度推移は、成人に治療用量を投与した際の血中濃度推移と同程度であることが確認され、6歳以上12歳未満の小児における用量設定の妥当性が示されました。

 

COVID-19は現在もなお公衆衛生上の重大な課題です2。本承認により、ゾコーバは12歳以上の小児および成人における適応に加えて、6歳以上かつ体重20 kg以上の小児におけるCOVID-19治療の新たな選択肢となり、重症化リスク因子の有無にかかわらず使用可能な経口抗SARS-CoV-2薬として、より多くの患者さまの治療に貢献することが期待されます。

 

塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)の一つとして「感染症の脅威からの解放」を掲げ、感染症のトータルケアの実現に向けた取り組みを進めています。今後も、新たな変異株の出現や今後の流行状況に合わせ、必要とされる治療薬や予防薬、ワクチン等を迅速に提供できるよう、感染症に関する研究開発を推進してまいります。

なお、本件が2027年3月期の連結業績に与える影響は軽微です。

以 上

【製品概要】

製品名

ゾコーバ®錠125mg / ゾコーバ®錠25mg

一般名

エンシトレルビル フマル酸

効能・効果

SARS-CoV-2による感染症の治療及びその予防

用法・用量

<治療>

通常、エンシトレルビルとして以下の用量を1日1回経口投与する。

年齢

体重

用量

1日目

2日目から5日目

成人及び

12歳以上の小児

375mg

125mg

6歳以上

12歳未満の小児

40kg以上

375mg

125mg

30kg以上40kg未満

250mg

125mg

20kg以上30kg未満*

*25mg錠は薬価未収載

150mg

75mg

<予防>

通常、成人及び12歳以上の小児にはエンシトレルビルとして1日目は375mgを、2日目から5日目は125mgを1日1回経口投与する。

製造販売元

塩野義製薬株式会社

【エンシトレルビル フマル酸について】

抗SARS-CoV-2薬であるエンシトレルビルは、北海道大学と塩野義製薬の共同研究により創製された3CLプロテアーゼ阻害薬です。SARS-CoV-2は、3CLプロテアーゼというウイルスの増殖に必須の酵素を有しており、エンシトレルビルは3CLプロテアーゼを選択的に阻害することで、SARS-CoV-2の増殖を抑制します。オミクロン株流行期に、第2/3相臨床試験のPhase 3 part(SCORPIO-SR試験)が実施され、オミクロン株に特徴的なCOVID-19の5症状に対する改善効果(主要評価項目)が確認されました3,4,5。これらの結果に基づき、日本において2022年11月に緊急承認6され、2024年3月に通常承認7されました。2026年3月には、グローバル第3相曝露後発症予防試験(SCORPIO-PEP試験)の良好な結果に基づき、日本におけるCOVID-19の曝露後発症予防に関する効能・効果の承認を取得しました8

 海外において、米国では、2026年5月にCOVID-19の曝露後発症予防を適応症として、当社の米国グループ会社であるShionogi Inc.が米国食品医薬品局(FDA)から承認を取得しました9。欧州では、2025年にCOVID-19の曝露後発症予防と治療に関して、欧州医薬品庁(EMA)による審査が進められています。シンガポールでは、2023年11月にSAR*(Special Access Route)申請に基づいた輸入許可を受けたことにより、一部の医療機関において使用が可能となっています10。台湾ではCOVID-19の曝露後予防の適応症で新薬承認申請中です。

 これらに加え、当社とMedicines Patent Poolは、低中所得国(LMICs)における本薬の幅広い提供を目的としたライセンス契約を締結し、グローバルなアクセス拡大に向けた取り組みを進めています11,12

*SAR:未承認の治療薬を輸入・供給するためにシンガポールが独自に有する薬事システム、医療機関に所属する各医師からの申請が必要

 

【参考】

1.       臨床研究等提出・公開システム(jRCT2031230140)

2.       Six years after COVID-19’s global alarm: Is the world better prepared for the next pandemic?. World Health Organization.

3.       Yotsuyanagi H., et al. Efficacy and Safety of 5-Day Oral Ensitrelvir for Patients with Mild to Moderate COVID-19. JAMA Network Open. 2024

4.       プレスリリース:2022年9月28日
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬エンシトレルビル フマル酸(S-217622)の 第2/3相臨床試験 Phase 3 partにおける良好な結果について(速報)

5.       プレスリリース:2023年2月22日
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬 エンシトレルビル フマル酸によるウイルス力価の早期陰性化ならびに罹患後症状(Long COVID)の発現リスクに対する低減効果について ‐国際学会CROI 2023において新規データを発表‐

6.       プレスリリース:2022年11月22日
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬「ゾコーバ錠125mg」の 緊急承認制度に基づく製造販売承認取得について

7.       プレスリリース:2024年3月5日
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬「ゾコーバ錠125mg」の日本における通常承認の取得について

8.       プレスリリース:2026年3月23日

抗新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)薬 ゾコーバの日本における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防に関する効能・効果追加承認について

9.       プレスリリース:2026年6月1日
抗新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)薬 エンシトレルビル フマル酸の COVID-19曝露後発症予防における米国FDAの承認について

10.    プレスリリース:2023年12月19日
シンガポールにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬エンシトレルビル フマル酸の平安塩野義香港とJuniper社のサブライセンス契約の締結およびSAR承認取得について

11.    プレスリリース:2022年10月4日

塩野義製薬とMedicines Patent Poolによる COVID-19治療薬エンシトレルビル フマル酸(S-217622)に関するライセンス契約締結について

12.    プレスリリース:2023年6月26日
Medicines Patent Poolによるジェネリック医薬品メーカー7社との COVID-19治療薬エンシトレルビル フマル酸の製造に関するサブライセンス契約の締結

 

[お問合せ先]

塩野義製薬ウェブサイト お問い合わせフォーム:

https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.