- 欧州においてCOVID-19における曝露後発症予防の適応を取得した初の経口抗ウイルス薬
塩野義製薬株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役会長兼社長 CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」)は、抗新型コロナウイルス薬エンシトレルビル フマル酸(日本での製品名:ゾコーバ®、以下「エンシトレルビル」)について、当社の欧州グループ会社であるShionogi B.V.がCOVID-19の曝露後発症予防(PEP)*を適応症として、欧州委員会の承認を取得したことをお知らせいたします。
* 曝露後発症予防(Post-Exposure Prophylaxis:PEP):新型コロナウイルス感染者との接触などウイルスに感染した可能性が生じた際に、発症前に抗ウイルス薬を投与することで感染症の発症を防ぐ行為
本承認は、グローバル第3相曝露後発症予防試験の良好な結果に基づくものです。本試験では2,300例を超える成人および12歳以上の青少年が参加し、「COVID-19 を発症した患者の同居家族または共同生活者における曝露後発症予防」について評価しました。その結果、エンシトレルビル群ではプラセボ群と比較して、投与後10日目までのCOVID-19の発症リスクを67%低下させ、統計学的に有意な差が認められました¹。これにより、エンシトレルビルはCOVID-19曝露後発症予防を評価した第3相試験において、経口抗ウイルス薬として世界で初めて主要評価項目を達成しました。また、有害事象の発現率は両群で同程度であり、エンシトレルビルの忍容性は良好であることが確認されました1。
本承認により、エンシトレルビルは欧州において、COVID-19 における曝露後発症予防の適応を取得した初の経口抗ウイルス薬となります。COVID-19の備えに対する新たな選択肢として加わるとともに、ワクチン、診断、サーベイランスに加え、抗ウイルス薬を組み合わせて活用することで、公衆衛生上の備えのさらなる強化に貢献することが期待されます。
塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)の一つとして「感染症の脅威からの解放」を特定し、感染症のトータルケアの実現に向けた取り組みを進めています。今後も、社会の安心・安全に貢献するとともに、新たな変異株の出現や今後の流行状況に合わせ、必要とされる治療薬や予防薬、ワクチン等を迅速に提供できるよう、感染症に関する研究開発を推進してまいります。
なお、本件が2027年3月期連結業績に与える影響は軽微です。
以 上
【グローバル第3相曝露後発症予防試験 (SCORPIO-PEP試験)について】
SCORPIO-PEP試験は、COVID-19を発症した患者の同居家族または共同生活者を対象に実施した、多施設共同、無作為化、プラセボ対照二重盲検比較のグローバル第3相臨床試験です。本試験は米国、南米、アフリカ、日本を含むアジアの地域で2023年6月から2024年9月にかけて実施され、経口抗ウイルス薬として世界で初めて「COVID-19を発症した患者の同居家族または共同生活者における曝露後発症予防」における有効性が検証されました。本試験には登録時点でSARS-CoV-2感染に関するスクリーニング検査が陰性であり、症状を有していない12歳以上の被験者が参加しました。これらの被験者は、COVID-19に感染した有症状患者と同一世帯で生活し、SARS-CoV-2への曝露が確認された方々です。主要解析は、SARS-CoV-2陰性が確認された世帯内接触者2,041人を対象に実施されました。被験者は1:1の割合で、エンシトレルビル群(1日目375mg、2~5日目125mg)またはプラセボ群に無作為に割り付けられ、1日1回、5日間経口投与を受けました。投与は同居するCOVID-19患者が症状を発現してから3日以内に開始されました。なお、世帯内接触者の98%以上がSARS-CoV-2のN抗体および/またはS抗体陽性であり、ほぼ全員が比較的最近のSARS-CoV-2感染歴、ワクチン接種歴、またはその両方を有していました。
【エンシトレルビル フマル酸について】
抗新型コロナウイルス(抗SARS-CoV-2)薬であるエンシトレルビルは、北海道大学と塩野義製薬の共同研究により創製された3CLプロテアーゼ阻害薬です。SARS-CoV-2は、3CLプロテアーゼというウイルスの増殖に必須の酵素を有しており、エンシトレルビルは3CLプロテアーゼを選択的に阻害することで、SARS-CoV-2の増殖を抑制します。オミクロン株流行期に、第2/3相臨床試験のPhase3 part(SCORPIO-SR試験)が実施され、オミクロン株に特徴的なCOVID-19の5症状に対する改善効果(主要評価項目)が確認されました2,3,4。これらの結果に基づき、日本において2022年11月に緊急承認5され、2024年3月に通常承認6されました。さらに、2026年3月には、グローバル第3相曝露後発症予防試験(SCORPIO-PEP試験)の良好な結果に基づき、日本におけるCOVID-19の曝露後発症予防に関する効能・効果の承認を取得しました7。また、2026年6月には、小児を対象とした国内第3相臨床試験8の結果に基づき、従来の12歳以上から、6歳以上かつ体重20kg以上の小児への投与を可能とする用法・用量の追加承認を取得しました9。
海外においては、米国で2026年5月にCOVID-19の曝露後発症予防を適応症として、承認を取得しています10。
参考:
3. プレスリリース:2022年9月28日
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬エンシトレルビル フマル酸(S-217622)の 第2/3相臨床試験 Phase 3 partにおける良好な結果について(速報)
4. プレスリリース:2023年2月22日
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬 エンシトレルビル フマル酸によるウイルス力価の早期陰性化ならびに罹患後症状(Long COVID)の発現リスクに対する低減効果について ‐国際学会CROI 2023において新規データを発表‐
5. プレスリリース:2022年11月22日
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬「ゾコーバ® 錠125mg」の 緊急承認制度に基づく製造販売承認取得について
6. プレスリリース:2024年3月5日
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬「ゾコーバⓇ錠125mg」の日本における通常承認の取得について
抗新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)薬 ゾコーバ®の日本における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防に関する効能・効果追加承認について
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬エンシトレルビル フマル酸の国内第3相臨床試験開始について ‐ 6歳以上12歳未満の小児を対象とした臨床試験を開始 ‐
抗新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)薬ゾコーバ®の国内における小児用法・用量の追加承認について
抗新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)薬 エンシトレルビル フマル酸のCOVID-19曝露後発症予防における米国FDAの承認について
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