~持続可能(サステイナブル)な社会の実現に向けて~

 

 まず初めに、COVID-19 のパンデミックにより、世界中でお亡くなりになった多くの方々にお悔やみを申し上げますとともに、現在も罹患中の方や後遺症に悩まされている大勢の方々に心よりお見舞いを申し上げます。SHIONOGIグループは特に重視する重要課題(マテリアリティ)として『感染症の脅威からの解放』を掲げ、感染症を研究開発における重点疾患領域と位置付けておりますが、今回のパンデミックが始まった2020年以降はCOVID-19治療薬や予防ワクチンの研究開発に注力してまいりました。未だコロナ禍で苦しむ社会へ一刻も早く提供できるよう、引き続き研究開発から生産/流通体制の確立にいたる全てのバリューチェーンにおいて全社一丸となって取り組んでまいります。

EHS担当 上席執行役員 経営支援本部長 岸田 哲行

 さて、近年、SDGsへの注目はますます高まっており、企業は事業活動を通じて社会課題の解決に貢献し、社会と共に持続的に成長することを強く求められています。特に環境問題は世代を超えた後戻りの許されない世界共通の課題として認識されており、パリ協定の締結、SBTi(Science Based Targetsイニシアチブ)やTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の設立など気候変動に関する取り組みは地球規模で推進されています。日本においても、2020年10月に政府が2050年までのカーボンニュートラル宣言を発出したことを起点に、2021年6月のコーポレートガバナンス・コード改訂では、プライム市場の企業にTCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示が求められるなど、企業の責務は拡大し続けています。

 SHIONOGIグループは、持続可能な社会の実現とSHIONOGIグループの成長を支える重要課題の1つに「環境への配慮」を特定し、社会の要請に対応すべく気候変動への取り組みを着実に進捗させています。2021年度は、中長期的な温室効果ガス(GHG)排出量削減目標についてSBTの承認を取得するとともに、TCFDへの賛同を表明し、フレームワークに基づく情報開示の拡充に向けた取り組みを開始しました。さらにGHG排出量削減活動をサプライチェーン全体へ展開することを目的に、環境省「令和3年度サプライチェーンの脱炭素化推進モデル事業」においてScope3の削減施策を検討し、取り組みを強化しています。

 また、環境課題にはSHIONOGIグループの注力する感染症領域とも深く関連するものもあります。COVID-19の世界的蔓延によって、ひとたびパンデミックが発生すると社会・経済が大きなダメージを被ることを私たちは経験しました。気候変動により温暖化が進むと、例えば熱帯地域の感染症の分布エリアが広がるなど、 新たなパンデミック発生のリスクが高まると言われていることから、私たちは気候変動に対して真剣に取り組む必要があると考えています。私たちが販売している抗菌薬についても製造の過程から適切に取り扱い、環境中への排出をコントロールしなければ新たな薬剤耐性菌の発生を引き起こすリスクがあります。

 こうした事業との関係の深さなども考慮し、SHIONOGIグループは環境の中で特に優先すべき課題である「AMR*1」、「気候変動」、「省資源・資源循環」、「水」を環境マテリアリティとして特定し、中長期的な目標であるEHS行動目標(2020~2024/2030/2050)を策定し、事業活動に関わる環境負荷軽減に注力しています。

 

 SHIONOGIグループは事業活動を通じて人々の健康と地球環境の維持に貢献することで持続可能な社会の実現と会社の成長を両立させます。さらには、引き続き責任ある対応を進めるとともに情報開示の充実を図ることでステークホルダーの皆さまとのエンゲージメントを強化し、将来にわたり必要とされる企業となれるよう持続的な企業の価値向上に取り組んでまいります。

*1 AMR(薬剤耐性):Antimicrobial Resistance

シオノギの中期経営計画およびマテリアリティと環境マテリアリティ特定プロセスおよび環境行動目標のつながりを示しています。