A型肝炎

急性の肝障害が起こり、慢性化することはなく大部分は治ります。
1%以下とされていますが、劇症化することもあります。
食べ物や飲み物からだけでなく、性行為でも感染の可能性があります。

症状

強い全身倦怠感、発熱、吐き気、嘔吐、食欲の低下、みぞおちの痛みなどがみられ、引き続き黄疸(おうだん)(皮膚や眼球結膜の黄染〔おうせん〕)が出現します。
乳幼児の感染では症状が軽く、無症状となること(不顕性〔ふけんせい〕感染)が多いです。

病原体

A型肝炎ウイルス(HAV)

潜伏期

15~50日(通常28~30日)

検 査

血液検査により診断します。

治 療

多くの人は安静により自然に改善します。
食事や水分摂取ができないときに点滴を行うなどの対症療法がなされます。
劇症化したときには、劇症肝炎の治療がされます。

感染経路

A型肝炎ウイルスは便中に排泄されます。
衛生水準が低い環境でA型肝炎ウイルスに汚染された水や食べ物を摂取することでの感染や、肛門性交(アナルセックス)や口腔性交(オーラルセックス)などの性行為でも感染します。

免 疫

一度A型肝炎にかかると体の中に抗体がつくられ、10年以上にわたり存在するため再発はまれです。
感染の予防には、ワクチン接種が有効です。
曝露後予防には免疫グロブリンが投与されることもあります。