SHIONOGIの人材育成の方針や人材像、教育研修、キャリア開発、報酬・評価制度について紹介しています。

成長を支える人材の確保

SHIONOGI Group Visionの実現に向け、従業員が目指すべき人材像である「SHIONOGI Way:他者を惹きつける強みを持ち、貪欲に知識とスキルを高めつつ、積極的に挑戦しやり遂げる人」を体現する人材の育成に継続的に取り組むとともに、その能力を最大限発揮できる環境の充実を図っています。

人的資本への考え方

SHIONOGIは、創薬型製薬企業からHaaS企業へTransformし、ビジネスの変革を通じて成長していくことをSTS2030Revisionで掲げています。この変革による成長を実現していくのは、SHIONOGIグループの従業員一人ひとりにほかなりません。

SHIONOGIの人的資本マネジメントとしては、「人材力(個々の力)」、「DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)」、「エンゲージメント」を掛け合わせることで、新たなケイパビリティの獲得・社内融合を進め、成長シナリオを遂行していくことと定義しています。

SHIONOGIが求める人材像(SHIONOGI Way)として「他者を惹きつける強みを持ち、貪欲に知識とスキルを高めつつ、積極的に挑戦しやり遂げる人」を定め、人事制度を含む様々な人事施策の立案・実行を通じて、成長シナリオの遂行を加速させています。

人的資本への考え方

■ 人事制度

SHIONOGIの人事制度は職務等級制度を軸とした人事制度です。年齢や性別等の属性にかかわらず、職務や成果に応じて処遇するため、SHIONOGIが求める等級定義に基づき評価する総合評価と、一人ひとりの貢献度を相対的に評価する貢献度評価の2軸で評価制度を設定しています。

STS2030 Revisionの強化ポイントの1つに人材の強化を挙げていますが、SHIONOGI Group Vision達成の確度を高め、HaaS企業への変革を強く推し進めるためには、経営戦略にマッチした強靭な人材ポートフォリオを構築する必要があります。その実現のため、従業員の「チャレンジ」と「やりがい」をコンセプトに設計した人事制度に改定し、高い目標に向かって果敢にリスクをとり、積極的に挑戦する人を高く評価する仕組みを導入しています。

報酬制度は、労働市場をもとに各職務における適切な給与水準を設計し、働きに見合った報酬となるようにしています。賞与は業績に連動したる仕組みとし、各人のチャレンジが会社の成長につながった際には従業員にも還元される制度としています。

SHIONOGIのキャリア開発

■ 自律型人材育成について

SHIONOGIでは、スキルレベルの可視化により、スキル要件の獲得に向けて多くの従業員が自発的にさらなる自己研鑽に取り組むようになりました。一方で、SHIONOGIは、会社が従業員の成長に向けた機会を提供する責務があると考え、従業員が成長に向けた取り組みを実践できるような環境づくりを行っています。

従業員の自律的なキャリア形成を支援する制度として、社内公募制度を導入しています。社内公募制度では、自ら手を上げて挑戦する従業員の支援と組織力の更なる向上を目指しています。また、キャリア形成を促進するために、自身のキャリアを考えて記載するツールである未来予想図を活用したマネジャーとの面談、専門家のサポートや学びの機会を得られるキャリアアドバイザーによるキャリア面談、各ライフステージやキャリアステージに合わせたキャリア研修の機会などを設けています。さらに、従業員の最も近くで指導・支援を行う立場であるマネジャーに向けて、傘下の従業員のキャリア支援スキルや知識をアップデートする機会を提供しています。自らを成長・変革しようとする従業員を支援する制度としては、従業員の学びたいことに対して、1人当たり年間25万円を上限に教育費支援を行う自己投資支援プログラムを導入しており、その拡充を継続的に実施しています。

激しい環境変化の中、SHIONOGIがグローバルに勝ち抜いていくことに責任を持って取り組み、個人の成長と組織の成長を結びつけることができる意欲のある自律型人材を育成するため、自ら手を挙げて挑戦できる機会の提供と組織力のさらなる向上を図っていきます。

未来予想図

■ 研修制度と教育研修費について

目指すべき人材像であるSHIONOGI Wayの体現にむけた自律実践の趣旨をベースに各種育成施策を実施しています。具体的な育成施策としては、全従業員が必須で学ぶ研修(コンプライアンス、DE&I等)に加え、マネジャー研修、キャリア支援、特定スキル強化を重点領域に据え研修機会を提供しています。同時に、各スキルレベルの定義を策定するとともに、スキルレベルを可視化しています。本施策の一環として2023年度は全従業員に英語スピーキング力アセスメントを実施しました。本施策に伴い2023年度の自己投資支援における語学学習の割合が2022年度に比べ金額、件数とも大幅に増加したことから、求められるスキル・レベルアップに向けた意識醸成が進んだことが窺えます。
全社教育施策の全体像

SHIONOGIのマネジャー像と次世代のリーダー育成

■ SHIONOGIのマネジャー像

SHIONOGIのマネジャーは従業員の成長を後押しし、現場での変革を推進し、組織全体のアウトプットを最大化させる役割を担う、まさにファミリーの要であり、STS2030の成功はマネジャーの強化にかかっています。そのため、国内の全マネジャーを対象にマネジャー自身の成長、高度な意思決定、従業員と組織の成長へのコミットメントに重点を置いた、新たなマネジャー像を具現化するための育成プログラム「Project KANAME」を2020年度より開始しました。
Project KANAMEでは、「中期経営計画STS2030の浸透と実践」、「意思決定・決裁」、「労務/目標管理・人事評価」、「DX」、「事業創出」、「海外対応」、「論理的文章力」、「経営基礎知識」など、経営戦略、人的資源管理からDXや新たな事業創出に至るまで多種多様なプログラムが設けられており、オンライン、集合型研修、自己学習を織り交ぜてマネジャーが日々学びを継続し、レベルの向上を図れるように設計されています。

人/組織の成長を支援し、賢明な意思決定を行う人

イノベーションを起こし、社会と会社の発展に貢献する人

ミッション 

人と組織の成長支援

・グローバルに共創/競争できる人材/組織の成長を支援
・適切なコミュニケーションとコンプライアンス遵守・品質の確保

意思決定

・正確な情報に基づく迅速かつ適切な判断
・Transparency & Traceability

イノベーションの推進

・イノベーションを起こすための活動を最前線でリード
・ 社内外ネットワークの構築と活用

 

 

■ 社長塾

社長自らが幹部候補を育成する「社長塾」は、2012年度から開始し、毎年10人前後を選抜し、月一回、年間で7〜9回開催されています。全社視点で物事を考えられる人材、タフネスを兼ね備えた多様な人材を養成し、次世代の経営幹部の育成にあたっています。

■ グループ会社でのマネジメント経験を通じた経営幹部の育成

グループ経営において、経営幹部候補がグループ会社の社長や非業務執行取締役や監査役を担うことで、マネジメント経験を積んでいます。グループ会社内での議論の内容は社長自らが確認しています。

年に2回の株主総会と事業報告会では、社長とグループ会社の役員が徹底的に議論をすることで、ステークホルダーの目線を養い経営感覚を磨く場を提供しています。

■ 執行役員の本部ローテーション

SHIONOGIでは、執行役員に対して本部をまたいだローテーションを実施しています。このローテーションにより、執行役員は複数の本部の運営を経験することとなり、本部の代表としてだけでなく全社的な視点で経営を行えるようになりました。

 

 

報酬・評価制度

STS2030 Revision達成に必要な高い目標に自ら果敢にチャレンジする従業員に対して、適正な評価・処遇を行うことで、現在の立ち位置を知り、健全な危機感と成長意欲を持ち、やりがいにつながるとし、より高い役割にチャレンジする人材が増えると考えています。従業員の「チャレンジ」と「やりがい」というコンセプトをより明確にした人事制度を導入し、役割に応じた職務グレードへの格付けを適正に行った上で、従業員が自身の立ち位置を知り、会社が求める役割や期待を理解し、職務等級定義・行動例に基づいた評価を行うことができるようにしました。また、単年度評価で昇降グレードが可能な仕組みとし、新入社員は最短5年目で昇格が可能な制度としています。

報酬については、市場競争力のある報酬水準にするともに、年齢に関係なく、会社に大きく貢献したと評価された場合には、それに見合った報酬で報いる制度としています。また、毎年一定の昇給率を確保するとともに、昨今の物価上昇の影響を踏まえ、2023年および2024年連続でベースアップを含めた昇給を実施しています。2023年度においては売上収益、営業利益ともに過去最高を更新したことも踏まえ、平均年収については過去最高水準となりました。

  • SHIONOGIが求める人材像に沿って自らを成長させ、STS2030 Revision達成に必要な難易度の高い目標に果敢に「チャレンジ」する人材を適正に評価します。従業員が「成長意欲」と「やりがい」を感じるメリハリのある処遇を行うことで、組織と人材の成長のベクトルを一致させることを目的とした制度としています。
  • 市場価値のある高い専門性を有した人材を雇用し、役割に見合った処遇を行うことができる、競争力のある報酬制度を構築しています。人材獲得の競争力を高める報酬水準とし、年齢に関係なく、大きく貢献したと評価された場合、それに見合った報酬で報います。
  • SHIONOGIが求める人材像を各職務等級の定義に定め、職種ごとに求める行動例を従業員に提示し浸透を図っています。また、従業員の能力・スキルを理解し、適正に評価し、育成をサポートするマネジャーの能力向上を進めています。従業員一人ひとりの成長意欲を醸成し、組織が求める人材と個人の伸ばすべきスキルの統合を図ることで組織力を向上し、強靭な人材ポートフォリオの構築へとつなげていきます。
  • 貢献度評価では、組織目標や全社戦略の達成に結び付けた個人の目標達成を支援することで、全社戦略の実現、個人のパフォーマンス向上を目指します。総合評価では、従業員が等級定義に求められる行動が実践できているか確認し、本人へのフィードバックやコーチングを通じて成長を支援し、SHIONOGI Wayを体現できる人材の育成を目指しています。
評価制度の概要

SHIONOGIの人材育成、キャリア開発の考え方についてはSHIONOGIグループの採用情報「SHIONOGIリクルーティングサイト」にも掲載しています。