• 汚染予防に対する考え方

     一般に、事業活動によって生じる有害な物質を含む廃棄物や排ガス・排水などは、環境を汚染し、人体や生態系に大きな影響を与える可能性があります。このような汚染は、製品の使用や不要になった製品の廃棄によっても引き起こされることがあります。日本では高度経済成長期において、廃棄物や有害物質の排出が産業化と経済成長とともに増加しました。このため、大気や水、土壌・地下水などが汚染され、国民の健康が損なわれた様々な公害が発生しました。ひとたび環境汚染が発生すると、地域社会や生物多様性に深刻な影響を及ぼし、元の状態に回復までには多大な時間と費用が必要となります。企業として、公害の発生を予防することは、国民の健康や生活環境を守る上で、引き続き重要な課題と認識しています。

     SHIONOGIグループ(以下、SHIONOGI)は、「SHIONOGIグループEHSポリシー」および「SHIONOGIグループEHS行動規範」の中で、環境・労働安全衛生に関する法規制を遵守し、EHS水準の維持・向上に努めることを定めています。EHSマネジメントシステムを整備し、グループ全体で大気汚染、水質汚濁、土壌汚染などに関連する法令遵守の徹底と、その評価の確実な実行を通じて汚染の防止に取り組んでいます。

汚染予防に対する取り組み

大気汚染、水質汚濁、土壌汚染の防止

 大気汚染防止のため、NOx、SOx、ばいじんの規制値を遵守するとともに、2014年度には金ヶ崎工場において不純物の多い重油から液化天然ガスへの燃料転換を完了したことでSOxの大幅な削減を実現しています。またSHIONOGIでは、下水や公共用水域の汚染防止のために、規制値より厳しい自主管理値を設けるとともに、TOC *1 計や油分監視装置などを設置して排水の常時監視を行っています。特に金ケ崎工場、徳島工場、油日研究センターでは、事業所の排水を公共用水域である河川に排出することから、構内に設けた処理施設において事業所廃水を浄化した後に放流しています。

 化学物質の取扱量が多い金ケ崎工場では、土壌汚染に関しても自主管理値の設定と定期的な測定を実施しており、測定結果が環境基準値を下回っていることを確認しています。

*1  TOC(Total Organic Carbon):全有機体炭素
大気汚染物質(SOx、NOx)排出量、排水負荷(BOD、COD)

関連法規制の遵守

 環境に関する法規制は、廃棄物管理をはじめ、エネルギー管理、大気汚染や水質汚濁の防止、化学物質の管理など多岐に渡ります。各事業所に対して、法改正などの情報共有を行い、教育やマニュアル化などにより法規制の遵守徹底を行うとともに、遵守状況の定期的な評価を実施しています。また、安全衛生についても同様に法規制の遵守ならびに評価を行っています。

 それらの取り組みを推進してきた結果、SHIONOGIにおいては、過去に環境・安全衛生に関連する訴訟や罰金は発生していません。

排出基準値(法規制値)超過件数の推移(件)

年度

2019

2020

2021

2022

2023

塩野義製薬株式会社

0

0

0

0

グループ会社

0

1

0

0

環境苦情件数の推移(件)
年度 2019 2020 2021 2022 2023
塩野義製薬株式会社 0 0 2 1 0
グループ会社 0 0 1 0  0