健康経営
1. 健康経営の目的
「SHIONOGIは、従業員のウェルビーイングを実現し、人々の健康に新たな価値を提供し続けます。」
企業理念であるSHIONOGI Group Heritage(SHIONOGIの基本方針)およびVisionを実現するためには、すべての従業員が心身ともに健康で、パフォーマンスを最大限に発揮できる環境であること、また従業員とそのご家族の生活が豊かであることが不可欠です。
SHIONOGIは「SHIONOGIグループ健康基本方針」のもと、健康経営を推進し、すべての従業員の健康維持・増進と快適な環境づくりに積極的に取り組みます。
その結果、従業員のウェルビーイングを実現し、持続的な「企業価値の向上」と社会への貢献を達成していきます。
2. 統括EHS*責任者(上席執行役員 畑中経営支援本部長)メッセージ
近年、企業経営において、人的資本への投資が注目されており、従業員への健康投資をおこなうことは、エンゲージメントの向上や生産性向上等の個人や組織の活性化をもたらし、企業価値・社会価値向上につながるとして、SHIONOGIは、企業理念およびVisionを実現するために、従業員の健康維持増進を重要な経営課題(マテリアリティ)と捉え、「SHIONOGIグループ健康基本方針」を制定し、「ヘルスリテラシー向上」、「心身のコンディションの維持向上」、「職場の風土や環境の維持向上」の3つの観点から、従業員の健康維持増進と快適な環境づくりに取り組んでいます。
健康経営の中長期的な目標の達成に向けた取り組みとその評価・改善のPDCAを回す健康推進体制・運用の強化を図り、より戦略的に取り組むことで、健康経営の目的の実現を目指しています。
*EHS:Environment(環境), Health(健康) , and Safety(労働安全衛生)

3. 健康推進体制
SHIONOGIでは、上席執行役員の経営支援本部長を統括EHS責任者とし、事業主と塩野義健康保険組合のコラボヘルスにより、SHIONOGIグループ全体の健康維持増進に取り組んでいます。
経営層が出席する経営会議およびSHIONOGIのEHSを統括した「中央EHS委員会」および事業主・産業医などのスタッフ・健康保険組合・労働組合で構成される「健康管理事業推進者会議」にて、健康経営の方針・アクションプランから結果検証などについて、議論・モニタリングを行っています。
また、月1回開催する「健康推進会議」にて、健康関連業務に携わる部署がそれぞれの取組みや健康情報の分析結果を共有するなど、連携を強化しています。
SHIONOGIでは、上席執行役員の経営支援本部長を統括EHS責任者とし、事業主と塩野義健康保険組合のコラボヘルスにより、SHIONOGIグループ全体の健康維持増進に取り組んでいます。
経営層が出席する経営会議およびSHIONOGIのEHSを統括した「中央EHS委員会」および事業主・産業医などのスタッフ・健康保険組合・労働組合で構成される「健康管理事業推進委員会」にて、健康経営の方針・アクションプランから結果検証などについて、議論・モニタリングを行っています。
また、月1回開催する「健康推進会議」にて、健康関連業務に携わる部署がそれぞれの取組みや健康情報の分析結果を共有するなど、連携を強化しています。

健康推進体制の会議体
会議名称 | 定期開催頻度 | 審議・報告事項 |
---|---|---|
取締役会 |
年2回 |
「従業員の健康」は重要な経営課題として経営層が監視・監督 |
経営会議 |
年2回 ※必要に応じて適時開催 |
健康経営に関する重要事項の審議・決定 ・方針、推進体制 ・中長期目標 ・戦略と重要テーマの活動計画・報告および情報開示 ・ストレスチェック等、法令順守への対応 など |
中央EHS委員会 |
年2回 |
EHS(環境、健康および労働安全衛生)に関する重要事項の協議・報告 ・全社・事業所単位の目標・計画のマネジメントレビュー |
EHS委員会 |
月1回程度 |
各事業所単位での健康推進・安全衛生に関する推進活動の計画・報告等 |
健康管理事業推進委員会 | 年1回 | ・健康経営の「戦略マップ」および健康保険組合の「データヘルス計画」より策定した健康維持増進施策の取り組みの協議・活動報告など ・産業保健スタッフ(産業医・看護師・保健師)、従業員代表の労働組合からの意見集約など |
会社と従業員が一体となった健康経営の推進
SHIONOGIで働く全従業員の日々の活動の規範として2021年に「行動憲章」を制定し、世界中の人々の健康の維持増進と快適な生活の実現に貢献する企業集団として、より良いヘルスケアの未来を創り出し、事業活動を通じて持続可能で健全な社会の実現に貢献するために、健康経営の推進と従業員のウェルビーイングの実現を掲げるとともに、会社と従業員がそれぞれの立場で、従業員の健康維持増進と快適な環境づくりに積極的に取り組むために、就業規則に規定しています。
「会社は、人命尊重と資産保全のために、安全施設および規則を設けて快適な職場環境の実現を図るとともに、従業員の安全と健康を確保するように努める。」(第90条)
「従業員は、安全衛生に関する定めを守り、健康維持、環境整備および災害防止に努めなければならない。」(第91条)
4. 健康経営の戦略ストーリーと戦略マップ
5. 健康推進施策
主な取り組み内容
|
主な取り組み |
具体的な内容 |
---|---|---|
①ヘルスリテラシー向上 |
ヘルスリテラシー教育 |
・e-learning教育実施 【食事】実施率:約82% 【睡眠】実施率:約83% |
健康情報・データの提供 |
・「けんぽだより」による健康情報、Webサービスの提供など ・健診結果、健康関連施策の結果 ・健康年齢通知の配布(経年変化、同年代との比較など) |
|
②心身のコンディションの維持向上
|
健康診断 |
・定期健診:法定を上回る検査項目の追加(生化学検査、がん検診等) ・高リスク者重症化予防事業 ・疾病予防に関する費用補助:人間ドック、インフルエンザ予防接種、ピロリ菌除菌他 |
歯科健診 |
・ネットワーク検診(2021年度) ・予防型歯科健診プログラム(2022年度) |
|
生活習慣病対象者対策 |
・重症化予防プログラム:面談実施、保健指導や医療機関への受診勧奨 ・特定保健指導プログラム:「積極的支援」「動機付け支援」の面談実施、管理栄養士等との目標設定・電話やメール・面談など |
|
運動習慣対策 |
・健康ウォーク:秋開催(3ヵ月:9~11月)・通年開催(1年間) |
|
首・肩こり・腰痛対策 |
・バックテック社のWEBサービス「ポケットセラピスト」 |
|
禁煙啓発・禁煙外来補助 |
・禁煙外来・補助薬の費用補助 ・禁煙チャレンジャー:1期: 5/5名成功.2期:2名挑戦中 3期:募集 ・禁煙メルマガの発行、ポスター掲示による啓蒙・周知 ・ライン軸サポート:喫煙者・非喫煙者の懇話会 |
|
食事生活習慣対策 |
・社員食堂でのヘルシーメニュー |
|
③職場の風土や環境の維持向上 |
ストレスチェック実施・改善対策 |
・産業医、外部委託(EAP相談窓口)によるメンタルヘルス相談の実施 ・課題組織における改善に向けた対応計画の策定・実施、そのフォロー(ヒアリング等) ・カウンセラーの組織介入 ・メンタルタフネス研修の実施(満足度89%)、エンゲージメント研修の実施 |
・在宅勤務制度の導入 ・フレックス勤務者のコアタイムの廃止 ・選択週休3日制の導入、副業基準の緩和 |
||
就労継続支援 |
・がん治療と仕事の両立支援 ・傷病による長期休務からの復職支援 |
禁煙推進
2018年7月に健康増進法の一部を改正する法律が成立(2020年4月全面施行)し、望まない受動喫煙を防止するための取り組みが、「マナー」から「ルール」へと変わりました。
企業においても、より一層の喫煙対策を推進しなければならない環境となったことを機に、「シオノギグループ『絶』煙宣言」を発出しました。
この宣言のもと、SHIONOGIグループの従業員やご家族の方はもとより、SHIONOGIに関係するすべての人々を能動喫煙および受動喫煙による健康被害から守るため、徹底した禁煙施策を推進しています。
具体的な社内の取り組みの1つとして、有志のメンバーによる禁煙推進プロジェクトを結成しました。
プロジェクトメンバーが、グループ会社を含めたSHIONOGIの全従業員にメールマガジンを発行し、社長を含めた経営層からのメッセージや、喫煙・禁煙の情報、禁煙チャレンジの状況など、喫煙者・非(元)喫煙者の双方の従業員に有益な情報提供を行っています。
また、「禁煙チャレンジャー」に対して、オンライン面談等でプロジェクトメンバーがサポートする活動も実施しています。2022年度はチャレンジャー2名が1年間の禁煙を達成し、「卒煙証書」が贈呈されました。
上記に加え、健康保険組合による禁煙治療やオンライン禁煙プログラム等への事業主からの補助も実施しています。

『従業員主導によるウォーキングセミナー』
~「歩く」を変えて、仕事も人生も生産性アップ!~
~「歩く」を変えて、仕事も人生も生産性アップ!~
近年、コロナ禍による在宅勤務や、リモートワークの普及など、働き方に大きな変化が起きており、その変化に伴う心身の変調に注意が必要です。人々の健康に貢献していくためには、まず自分たちが健康でなければなりません。そこで、未病改善の考え方のもと「歩き方と姿勢」をテーマに、社内有志によるクラウドファンディングにて資金を募り、社外よりウォーキングスタイリスト(一般社団法人カナンウォーク代表理事:伊藤聖子先生)を招聘し、2022年7月に会場とオンラインのハイブリッド形式でセミナーを開催しました。オンラインでは全国各地より参加があり、関心の高さがうかがえました。
姿勢の改善によるメリットとして、デスクワークにおける心身の負担軽減と作業能率の向上について、また、歩き方の改善によるメリットとして、未病改善と生産性の向上について、それぞれ実技指導をふまえレクチャーを頂きました。


働き方改革 / 人事制度・施策
STS2030の達成に向けた人事戦略の立案と実行により人的資本を最大化し、それを各ステークホルダーに示すために、2022年7月に人的資本戦略室を設置しました。
SHIONOGIでは「人が競争力の源泉」と捉えており、中長期的な企業価値向上のためには、人材への投資が欠かせません。そうした考えのもと、近年SHIONOGIは様々な制度や仕組みを導入しています。
多様な人材が活躍し、SHIONOGIの成長を加速させることを目指した人事制度改革
従業員のライフスタイルやキャリア形成に対する意識・ニーズが多様化する中で、個人が持てる能力をいかんなく発揮し、生産性を高めてSHIONOGIの成長に貢献してもらうためには、従業員が働きやすい環境を整備し、一人ひとりのやりがいを高めることが重要です。
2021年度にSHIONOGIでは、在宅勤務制度を導入し、フレックス勤務者のコアタイムを廃止、さらに所定労働時間を45分 /日削減しました。削減した時間分は裁量給として支払うことで処遇を維持しており、より短い時間で効率的に働くことを可能としています。これらの取り組みは多様な人材の柔軟な働き方の選択を可能とし、一人ひとりの業務効率性への意識向上や、尖った強みの獲得につながることを期待しています。実際に、育児や介護などのライフイベントで就労を制限せざるを得なかった従業員がフルタイムで働くことができるようになり、また効率的に業務時間を使うことで、学びの時間の創出や新たな業務へのチャレンジが可能となるなど、多くの従業員にとって働きやすく、やりがいを持てる環境になったと考えています。
また2022年4月には、選択週休3日制の導入と副業基準の緩和を実施しました。特に副業は2022年7月時点で約100人の従業員の申請を承認しており、コンサルティングやIT関連、教育・学習支援などの新たな場で業務経験を積んでいます。
人事労政によるダイバーシティの確保
SHIONOGIは従業員が働きやすくやりがいを持てる職場環境の整備に向け、人事制度や勤務制度の改定に加えて、諸制度の改革も推進しています。近年では、属人的な手当などの見直しで生じた原資を活用した年間25万円を上限とする自己投資支援制度、リモートワーク普及に伴う単身赴任解消による働く場所の選択肢の拡充などを実施しました。また、さらなる職場環境改善を図るため、エンゲージメントサーベイの結果などを用いた制度拡充の成果確認や課題とニーズの把握を本部ごとに行っています。継続的に職場環境の改善に取り組み、多様な働き方を可能とすることで、女性マネジャー比率や男性育休取得率などの指標も継続的に上昇しています。
施策の実績(経年変化)
目標・指標 |
2017年度 |
2018年度 |
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
---|---|---|---|---|---|---|
定期健康診断受診率(%) |
100 |
100 |
100 |
100 |
100 |
100 |
歯科検診受診率(%) |
43.8 |
45.4 |
43.7 |
ー |
ネットワーク検診 |
|
特定保健指導プログラム参加率(%)(40歳以上) |
59.1 |
49.5 |
65.3 |
79.8 |
|
|
喫煙率(%) |
16.4 |
15.2 |
14.2 |
11.0 |
7.1 |
5.1 |
ウォーキング参加率(%) |
42.2 |
41.5 |
41.5 |
40.4 |
31.4 |
|
ストレスチェック受検率(%) |
94 |
96 |
95 |
94 |
92.6 |
91.3 |
高ストレス者割合(%) |
3.5 |
3.5 |
4.5 |
3.9 |
5.0 |
4.3 |
ストレス反応の偏差値 |
56 | 56 |
55 |
55 |
54 |
55 |
メンタル休職者比率(%) |
0.4 |
0.4 |
0.5 |
0.6 |
0.7 |
|
有給休暇平均取得日数 |
12.0 |
12.5 |
12.6 |
12.6 |
13.0 |
|
離職率(%)※定年退職者は除く | 1.9 |
1.6 |
1.9 |
1.9 |
3.5 |
|
6. 社外からの表彰
健康経営優良法人
これまでの活動の結果として、2022年3月、「健康経営優良法人2022」に選定されました。「健康経営優良法人」とは、健康経営優良法人認定制度において、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰するものです。

スポーツエールカンパニー
「スポーツエールカンパニー」とは、従業員の健康増進のためスポーツの実施に向けた積極的な取り組みを行っている企業をスポーツ庁が認定する制度であり、SHIONOGIは2022年1月に認定されました。従来より実施している「健康ウォーク」や「ポケットセラピスト」に加えて、2021年度よりSHIONOGI女子ソフトボール部「シオノギ レインボーストークス兵庫」選手による「ストレッチ動画」の配信を開始し、従業員の肩こり、腰痛等の困りごと解消と健康増進に向けた取り組みが評価されました。一人でも多くの従業員の健康維持・増進につながるよう、趣向を凝らした企画を提供していきます。
