B群溶血性レンサ球菌(GBS)

GBSは、腸や腟などに存在する常在細菌の一種で、多くの人が保有しており無症状である場合が多いです。
一方、妊婦の方が感染していると出産時の産道感染などにより、新生児がGBS感染症を起こします。

症状

新生児GBS感染症
生後1週未満に発症する「早発型」と生後1週~数か月までの「遅発型」に分けられます。
早発型は、敗血症、髄膜炎、肺炎、呼吸不全などがみられます。
遅発型では、髄膜炎、敗血症のほか、中耳炎、関節炎、骨髄炎、結膜炎、副鼻腔炎、蜂窩織炎(ほうかしきえん)などがみられることがあります。
妊婦の方では、子宮の感染症や死産を起こすことがあります。
妊婦以外では、高齢者や糖尿病・肝臓病などの患者さんにみられます。
尿路感染症、敗血症、皮膚などの感染症、肺炎を起こすことがあります。

病原体

B群溶血性レンサ球菌(GBS)

検 査

妊婦に対しては、妊娠35~37週にGBS検査(腟ぬぐい液などの培養検査)が行われます。

予 防

GBSを保菌している妊婦の方には、抗菌薬を使用します。
これにより、早発型感染は減少し、現在では新生児GBS感染症発症例の80%が遅発型となっています。

感染経路

新生児GBS感染症は出産時の産道感染で起こります(早発型)。
遅発型では、母親の腟や腸にいるGBSが手指を介してうつるなどの感染経路が考えられますので、手指や乳首、哺乳びんなどの清潔を保つことが大切です。

・厚生労働科学研究費補助金(新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業):
重症型のレンサ球菌・肺炎球菌感染症に対するサーベイランスの構築と病因解析、その診断・治療に関する研究. β溶血性レンサ球菌(外部サイトへ)

・金原出版:産婦人科感染症マニュアル

などを参考にして作成