ヒトT細胞白血病ウイルス-1型(HTLV-1)

全国の感染者数は、約82万人と推定されており(2015年)、先進国の中ではわが国が群を抜いて多くなっています。
感染しても自覚症状がなく、数十年と潜伏期間が長いため、感染しているかどうかは検査をしないとわかりません。
感染者の約5%にHTLV-1関連疾患が発症することがあります。
HTLV-1関連疾患としては、主に3つ(血液、神経、眼の病気)が知られています。

症状

感染しても、直ちにHTLV-1関連疾患になるわけではありません。

[血液の病気]
成人T細胞白血病
リンパ腫(ATL)
感染したリンパ球(T細胞)ががん化する病気で、感染者が生涯で発症する危険性は約5%です。
40歳をこえるまでATLはほとんど発症しません。
[神経の病気]
HTLV-1関連
脊髄症(HAM)
歩行障害や排尿障害を引き起こす脊髄の病気で、感染者が生涯で発症する危険性は約0.3%です。
[眼の病気]
HTLV-1関連
ブドウ膜炎(HU)
眼球内のぶどう膜の炎症が起こり、視力が低下する病気です。
感染者の約0.1%にHUが認められます。

病原体

ヒトT細胞白血病ウイルス-1型(HTLV-1)

検 査

HTLV-1抗体検査。
妊婦健診で行われるほか、保健所で受けることができます。

治 療

ATL:骨髄移植など。
HAM:ステロイド、インターフェロンαなど。
HU:ステロイドの点眼薬や内服薬。

予 防

母子感染予防
3か月以上の長期母乳育児により感染する可能性が高まるといわれており、人工栄養のみで育てることが勧められています。
性行為感染予防
コンドームの使用が有効とされています。

感染経路

主な感染経路は母子感染と性行為感染です。
性行為感染によるHTLV-1感染は男性から女性に起こりやすく、全キャリアの約20%を占めます。
以前は輸血による感染がありましたが、献血時のHTLV-1抗体検査により、ほぼ100%防げています。
したがって、大多数が、母乳を介した母子感染となっています。

totop