感染事例集

スーツケールのイラスト

旅行でさまざまな感染症が発生
しています

ダイヤモンド・プリンセス号におけるCOVID-19の集団発生
横浜市、2020年2月

乗客2,666名、乗員1,045名を乗せたクルーズ船で、新型コロナウイルス感染症の集団発生が起こりました。


712名の感染者が確認され、少なくとも14名が死亡しました。


濃厚接触者は、陽性者との最終接触日から14日間、船内隔離されました。


また、環境調査の結果、患者の周囲ではトイレ周辺、机、電話機、TVリモコンなどから新型コロナウイルスの遺伝子が多く検出されました。

バスツアー関連の新型コロナウイルス感染症の集団発生
北海道、2020年10月

国内各地から3泊4日の北海道周遊バスツアーに参加していた146名とスタッフ12名のうち、19名が新型コロナウイルスに感染しました。


1名は、人工呼吸器を必要とする重症となりました。


患者の年齢は、50~80代でした(乗務員1名を除く)。
ツアー開始19日後まで患者は発生し、職場に感染を広げた例もありました。

シドニー発のクルーズ船で発生した、インフルエンザの集団発生
オーストラリア、2000年9月

乗客1,100名以上、乗組員400名を乗せたクルーズ船で、A型およびB型インフルエンザの集団発生が起こりました。
インフルエンザの発生状況を調べるために乗客1,119名を対象にアンケート調査を行ったところ、回答が得られた乗客836名のうち、310名(37%)にインフルエンザ様の症状がみられました。そのうちの40名は入院し、2名が死亡しました。


亡くなった61歳の男性はインフルエンザワクチンを接種しておらず、76歳の男性の接種歴は不明でした。
シドニーでは、ちょうどインフルエンザ流行のピークでした。

外国人観光客を発端とした麻しん(はしか)の集団発生
沖縄県、2018年3月

最初の患者は外国人観光客(30代の男性)で、発熱などの症状がある状態で、3日間にわたって沖縄本島内を観光しました。
その後、高熱と発疹のために入院し、麻しんと診断されました。


感染は沖縄県内全域に広がって101名の患者が報告された他、県内で感染した人が県外で発症し、東京都、神奈川県で各1名、愛知県では21名の患者が確認されました。

ボーイスカウトの国際イベントで髄膜炎菌感染症が発生
山口県、2015年8月

世界162の国と地域から約3万名、日本から約6,000名が参加した国際的イベントで、北スコットランドからの隊員3名とスウェーデンからの隊員1名の計4名が髄膜炎菌感染症を発症しました。
スウェーデンの隊員では、他に3名の疑い症例も出ました。
参加者は14~17歳の隊員、引率指導者、スタッフなどでした。

キャンプ場の湧き水を原因とした下痢原性大腸菌による食中毒
大分県、2005年7月

キャンプに参加した福岡市内の高校生393名と教職員16名のうち、生徒174名と教職員2名に水様性下痢、腹痛、嘔吐、発熱などの食中毒様症状があらわれました。


病原菌検査の結果、キャンプ場の湧き水から大腸菌が検出され、感染源であると判断されました。
キャンプ場の管理会社の水質管理が不適切であったこと、また、生徒たちは飲み水に使用できないことを知っていましたが、配水箇所に飲用不可の標識がなかったことから、安易に飲んでしまっていました。

国内の修学旅行でデング熱に感染
京都府・奈良県、2019年9月

都内の10代の学生3名(男児2名、女児1名)が、京都・奈良への修学旅行からの帰宅後に発熱(39.0℃)、胸部・のど・関節の痛み、頭痛、吐き気、赤い発疹などを発症し、受診しました。
3名とも蚊に刺された記憶はあいまいでしたが、血液検査の結果、デングウイルスに感染していることがわかりました。


3名は同じクラスのグループとして班行動をともにしており、発症前1か月以内の海外渡航歴はありませんでした。

栗拾いをしていて日本紅斑熱に感染
山口県、2016年9月

栗拾いをしていた3名が、日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)に感染しました。
60代の女性と80代の女性は栗拾いから3日後に発熱の症状で、70代の男性は翌日に発熱、咳、下肢の発疹などの症状でそれぞれ受診しました。
80代の女性のみがマダニに刺されたことが確認されました。


検査の結果、3名とも日本紅斑熱と診断されました。
栗拾いをしていた付近はマダニの棲息地で、リケッチアを保有するマダニに刺された可能性が示唆されています。

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