けが、水の事故

川で遊ぶ人

けがで?水辺で?
野外活動で要注意の感染症

土や水の中には、感染症の原因となる細菌が
存在しています。

 POINT

野外の活動で、けがをしたり水に溺れかけたりしたら、思わぬ感染症のリスクが高まることを
知っておきましょう。

土や水の中には感染症の原因となる細菌が

河川、湖水、土壌などに存在している細菌が傷口から体内に侵入すると感染症にかかることがあります。

ケガを洗う

けがをしたら
すぐに水道水か飲料水で傷口を洗いましょう。

傷があるときは
川などに入らないようにしましょう。

けがや水の事故に関連する主な感染症

破傷風
破傷風菌は世界中いたるところの土の中に存在し、特に動物の糞便で汚染された土壌が危険です。
けがをしたときに、傷口から破傷風菌が体内に侵入します。
レジオネラ症
レジオネラ属菌は自然界(河川、湖水、温泉や土壌など)に存在しています。
大浴場などでの感染がよく知られますが、河川で溺れたときに汚染された水を飲んだことや、レジオネラ属菌で汚染された腐葉土の粉じんを吸い込んだことが原因と推定される感染事例も報告されています。
レプトスピラ症
レプトスピラ症に感染しているネズミなどの野生動物家畜の尿、あるいはその尿で汚染された水・土壌と、直接接触することによって感染(経皮感染)します。
また、その尿で汚染された水や食品を介した感染(経口感染)の報告もあります。
急流のラフティングやカヤック、湖沼での水泳など、水関連のレクリエーションでうつる可能性もあります。
特に洪水などの後に危険性が高いとされます。
ビブリオ・バルニフィカス感染症
菌が付着している魚介類を、刺身や十分加熱せずに食べることによる、経口感染が大部分を占めています。
また、手足などに傷がある人が、河口近くの海(淡水と海水が混じりあう汽水域)に入ると、傷口から経皮感染することがあります。
海水温度が20℃を超えると、ビブリオ・バルニフィカス菌が汽水域で検出される傾向がみられ、6月~10月に多いとされています。
肝臓疾患のある人免疫力の低下している人貧血の治療で鉄剤を内服している人などは、重篤化することがあるので注意が必要です。

飲用に適さない水を飲んだために発生した事例
キャンプ場の湧き水を原因とした下痢原性大腸菌による食中毒事例-大分県

キャンプに参加した福岡市内の高校生393名と教職員16名のうち、生徒174名と教職員2名が、水様性下痢、腹痛、
嘔吐、発熱(36.5~39.5℃)などの食中毒様症状を呈しました。


病原菌検査の結果、本事例の感染源はキャンプ場の湧き水であると判断されました。

河川でのレジャーで発生したレプトスピラ症-沖縄県、2021年

2021年に沖縄県で発生したレプトスピラ症患者の年齢は8~85歳と幅広く、50歳未満が87.5%を占めました。


推定される感染機会は、河川でのレジャーや労働(レジャーガイド)が大部分(83.3%)を占めました。
他に、洞窟探検ツアーや、ネズミによる咬傷などもありました。

あわせて読みたい

TOP