生物多様性に対する考え方

 SHIONOGIグループは、医薬品の研究、開発、製造、販売などすべての事業活動において生物多様性の恩恵を受けていることに感謝するとともに、生物多様性に与える負の影響の軽減に努めています。具体的には事業を進める上で重要なAMR、気候変動、省資源・資源循環、水の4つの環境マテリアリティにサプライヤーも含めて中長期的に取り組むことで、生物多様性の保全に貢献していきます。また、生物多様性の保全は1社のみで解決できる問題ではありません。取り組みの環を従業員、地域社会をはじめ多くのステークホルダーに広めることで地球の持続可能性に貢献していきます。

 

 「経団連生物多様性宣言・行動指針(改訂版)」へ賛同し、「経団連生物多様性宣言イニシアチブ」にて、将来に向けた取組み方針および具体的取り組み事例を公表しています。

 経団連:経団連生物多様性宣言イニシアチブ  (外部サイト)

 

生態系の多様性への配慮

 生態系の多様性によりもたらされる上質な水は医薬品製造に欠かすことのできない大切な資源です。SHIONOGIグループでは排水の水質を法規制値よりも厳しく設定することで土壌汚染による生態系への影響を軽減するとともに、使用した水のほとんどを環境へ循環させることで限りある水資源の使用量削減に努めています。

 詳細は水のページをご覧ください。

 AMR対策として抗菌薬の製造工場における排水については、抗菌薬の不活化を行うことで自然環境に影響のないレベルであることを確認しています。抗菌薬の排水管理の徹底を国内外のサプライヤーにも拡げることで、AMR問題と生態系の保全に貢献しています。

 詳細はAMRのページをご覧ください。

油日植物園の取り組み

 植物成分を基原とする医薬品は数多く存在します。現在でも植物は大事な医薬品研究の試料であり医薬品の原料となっています。

 油日植物園は1947年に滋賀県甲賀市にある油日研究センター内に開設された植物園です。当初は、医薬品創薬の基原植物の栽培や天然物からの探索を目的とした植物栽培が行われていましたが、現在は、環境問題への取り組みや地域・社会貢献を行う施設として再整備され、園内には絶滅危惧種・希少種をはじめ1000種を超える植物を維持管理しています。

絶滅危惧種保全への貢献

 油日植物園では、絶滅危惧種や希少植物の保全に取り組んでいます。また、種の保全が危ぶまれる植物を生息域外保全や園内で繁殖させたのち自生地に復帰させる試みにも着手しています。

絶滅危惧Ⅱ類のシオン
絶滅危惧Ⅱ類のシオン

カテゴリー別絶滅危惧種保全状況

環境省カテゴリー

(絶滅危惧ⅠA類,絶滅危惧ⅠB類,絶滅危惧Ⅱ類,準絶滅危惧)        

76種

滋賀県カテゴリー

(絶滅危惧種,絶滅危機増大種,希少種,要注目種,分布上重要種,その他重要種)         

71種

甲賀市カテゴリー

(絶滅危惧種,絶滅危機増大種,要注目種,地域種)

43種

ステークホルダーへの環境教育

 植物園を通じた地域への社会貢献活動として、京都薬科大学、神戸薬科大学の先生をお招きし、近隣の小学生や高校生を対象に次世代を担う子どもたちの教育支援の取り組みを行っています。また、新入社員や滋賀県のレイカディア大学に在籍する方を対象に、植物園見学を実施することで学びの機会として活用しています。新型コロナウイルス感染症の影響もあり活動自粛を余儀なくされることもありましたが、感染防止対策に細心の注意を払いながら2021年度も活動を継続して行いました。

 

 

活動実績

次世代へ教育支援(児童・生徒の延べ人数)

185名

植物園見学会開催数

7回

近隣学校児童への教育支援
近隣学校児童への教育支援

~油日植物園が「しが生物多様性取組認証」3つ星を取得~

 植物園が取り組んでいる上記の地域・社会貢献活動が、生物多様性の保全や自然資源の持続的な利用に取り組んでいるとして評価され、令和3年度 「しが生物多様性取組認証」において、最上級認定である3つ星を取得しました。

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昆布の森再生プロジェクト

 グループ会社であるシオノギヘルスケアでは、ガゴメ昆布から抽出される成分「フコイダン」を活用した健康食品を製造販売しています。しかし、近年の海藻を餌とするウニやアワビなどの増加による海中の需給バランスの乱れ、ガゴメ昆布ブームによって引き起こされた乱獲など複合的な理由により北海道函館近海に主に生息する天然のガゴメ昆布が産地消滅の危機に直面しています。

 ガゴメ昆布を使用した製品を扱う企業として、天然ガゴメ昆布を、森のように生い茂っていた頃の姿に復活させるべく、「昆布の森再生プロジェクト」はスタートしました。プロジェクトの目的は、ガゴメ昆布の利用を天然から養殖へ切り替えることです。そのために、函館市はもちろんのこと、現地の大学や企業とも連携し、養殖ガゴメ昆布の安定供給体制と品質改善を図り、育てる仕組みをつくり、循環させることで、養殖ガゴメ昆布の普及と天然ガゴメ昆布の保護・再生に取り組んでいます。シオノギヘルスケアでは2019年より、天然から養殖ガゴメ昆布へ製品原料の切り替えを開始し、2024年までに天然ガゴメ昆布の使用量ゼロを目指しています。

 また、本プロジェクトでは経済産業省補助事業の「地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業」を活用しており、昆布の養殖事業の生産体制や作業効率を向上させるだけでなく、地域の新たな雇用創出につなげる事で地域の活性化に寄与したいと考えています。

養殖中のガゴメ昆布
養殖中のガゴメ昆布